映画『バービー』の成功で注目されたマテル社が、OpenAIとの提携によりAI搭載玩具の開発を発表した。
『バービー』のヒットを経て-マテルがAI分野に進出
映画『バービー』(2023年)が世界的に話題を集めたことで、長年玩具メーカーとして親しまれてきたマテル社は新たな注目を浴びた。その後もマテルは、玩具にとどまらないメディア展開やテクノロジー分野への投資を積極的に進めており、今月はAI企業OpenAIとの戦略的提携を発表した。
この提携では、マテルが保有する「バービー」や「UNO」「ホットウィール」などのブランドと、OpenAIの対話型AI「ChatGPT」を組み合わせた新製品の開発が計画されている。初のAI搭載玩具は2025年後半の発売を目指しており、現時点ではどのブランドが対象になるかは未発表だ。
また、社内でもChatGPT Enterpriseの導入を進めており、商品開発やマーケティング、業務効率化など複数の用途でAIを活用していくという。
“思慮深い導入”を掲げつつ、安全性への懸念も
マテルは「年齢に適した、安全でプライバシーに配慮した体験を提供する」とし、子ども向け玩具へのAI導入に際して慎重な姿勢を強調している。OpenAIのCOOも「子どもたちにブランドの世界を届けるために思慮深くAIを活用していく」と述べており、技術主導ではなく体験重視の方向性を打ち出している。
一方で、消費者保護団体からは「AIを搭載した玩具は実験的かつ危険」とする声も上がっており、倫理的・社会的な議論も始まりつつある。子どもたちの創造性や対人関係への影響、データの取り扱いなど、多くの論点が今後の課題として残されている。
マテルはこれまでも映像作品やデジタル領域への進出を進めてきたが、今回のAIとの提携は、その延長線上にあるといえる。『バービー』のヒットで文化的存在感を増したマテルが、AIとの融合によってどのような新たな価値を生み出すのか。2025年の製品リリースに向けて、その動向が注目される。
