『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』続編の米公開が8月へ前倒し。
ミュータント・タートルズたちの新たな物語が、当初予定より早く劇場に到着することになった。パラマウントは『Teenage Mutant Ninja Turtles: Mutant Mayhem 2(原題)』の米公開日を2027年8月13日に変更すると発表。これまで予定されていた2027年9月17日から約1か月の前倒しとなる。
2023年に公開された前作『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』は、世界累計1億8190万ドルの興行収入を記録した。ユーモアと独創的なビジュアル表現が話題を集め、新世代のタートルズ像を提示した。
前作が示した“ティーンエイジ”の再構築
本作は、1984年にピーター・レアードとケヴィン・イーストマンによって誕生したコミックを原作とするシリーズの最新作である。前作ではタイトルにもある“ティーンエイジ”の側面が強調され、ヒーローであると同時に等身大の若者としての葛藤や友情が描かれた。
アニメーションのコンセプトは「子どもの手書きイラスト」。ラフな線や質感をあえて残す表現が採用され、従来のシリーズとは異なるビジュアルスタイルを確立した。製作にはセス・ローゲンらが参加し、ポール・ラッド、ジャッキー・チェン、アイス・キューブらが声優として名を連ねたことも注目を集めた。
制作体制の継続とシュレッダー不在の戦略
続編ではジェフ・ロウが監督として復帰し、カイラー・スピアーズとヤシャール・カサイが共同監督を務める。製作にはセス・ローゲンがエヴァン・ゴールドバーグ、ジェームズ・ウィーバー、ジョシュ・フェイゲン、ラムゼイ・マクビーンとともに名を連ねる。前作のクリエイティブ体制を引き継ぐ形となる。
現時点で続編にどのキャラクターが登場するかは明らかになっていないが、ロウは2023年、前作で主要ヴィランであるシュレッダーを登場させなかった理由について言及している。彼は「シュレッダーはスクリーンに映ると存在感がとてつもないんだよね」と語り、「物語の中で多くのスペースを占めてしまう」と説明した。そのうえで「新世代のタートルたちを再紹介し、観客にこのバージョンを受け入れてもらうことも目指していた今回の映画には、それは重すぎた」と振り返っている。
さらにロウは「ラスボス的なヴィランではなく、彼らと同じくらいのレベルのヴィランと戦わせることで、ストーリー上の多くのピースが噛み合った」とも述べており、前作がキャラクターの再定義に重点を置いた作品であったことがうかがえる。続編で物語のスケールがどのように拡張されるのかは不明だが、シリーズを通じたヴィランの配置には明確な意図があるとみられる。
パラマウントのIP拡張戦略とブランド展開
今回の公開日前倒しは、デヴィッド・エリソンが率いる新体制のパラマウントがクラシックIPの活用を強化する方針を打ち出す中で実現した動きでもある。1984年にピーター・レアードとケヴィン・イーストマンによってアンダーグラウンドのコミックとして誕生した『ミュータント・タートルズ』(Teenage Mutant Ninja Turtles)は、長年にわたりアニメ、映画、玩具など多角的に展開されてきた。
同スタジオは、『ソニック・ザ・ムービー』シリーズと同様のスタイルによる実写とCGIのハイブリッド作品も開発中で、2028年の公開を見込んでいる。大スクリーンでの展開にとどまらず、幼い視聴者向け番組『テイルズ・オブ・ザ・ミュータント・タートルズ』も進行中である。
さらに、テーマレストラン事業にも進出する予定で、サンタモニカをはじめ米国複数の場所でピザパーラーのオープンが計画されているという。映画、テレビ、実店舗と横断的にブランドを広げる構想が進む中、今回の公開日変更は単なるスケジュール調整にとどまらない可能性がある。
シリーズの次なる展開は、スクリーンの外側も含めた包括的なブランド戦略の中で位置づけられているといえそうだ。



