アマンダ・サイフリッドが、アカデミー賞受賞の重要性を否定し、ノミネートこそが意味を持つと語った。
アマンダ・サイフリッドが、アカデミー賞に対する自身の率直な考えを明かした。米誌『ザ・ニューヨーカー』のインタビューで彼女は、受賞そのものは自分にとって重要ではないと語り、俳優としてのキャリアにおいて本当に価値があるものについて言及している。
「過去10年の受賞者を覚えてる?」-受賞よりノミネートが意味を持つ理由
サイフリッドは、アカデミー賞を受賞することがキャリアにとって不可欠だという考えに否定的な立場を示した。自身がこれまで受賞経験なしに「ここまで来た」ことを踏まえ、「なぜ今更必要なの?」と語っている。
さらに彼女は、賞そのものの記憶性に疑問を投げかける形で、「過去10年の受賞者を覚えてる?」と発言。そのうえで、「重要なのは受賞じゃないの。ノミネートなの」と強調した。ノミネートされることで「確実に前に押し出される」ことは事実だとしながらも、実際に受賞する必要性については「もちろん、ないよ」と語っている。
受賞できた場合については、「受賞できたらすばらしい?もちろん、あらゆる理由でね」と一定の価値を認めつつも、それは「必要不可欠ではない」と位置づけており、俳優としての評価やキャリアの軸は別のところにあるという認識を示した。
「俳優のキャリアにおける長い寿命」-商業作とアート作の選択
サイフリッドは、アカデミー賞の受賞よりも、俳優としてのキャリアをいかに長く続けるかを重視しているという。その考えを象徴するのが、「俳優のキャリアにおける長い寿命は、デザインされるもの」という発言だ。
彼女は、受賞のタイミングや結果に左右されるのではなく、作品選びの積み重ねこそが重要だと語る。「長い寿命って、楽しくて稼げる大作商業作品が数ある中で、アート作品にかかわるという意図的な選択をすることで生まれるんだよ」と述べ、商業的な成功と芸術性の両立を意識してきた姿勢を明かした。
ノミネートによって注目を集めること自体は現実的なメリットとして認めながらも、受賞がキャリアの分岐点になるとは考えていない。サイフリッドにとって重要なのは、一時的な評価ではなく、俳優としてどのような選択を重ねていくかであり、その積み重ねが結果的に長いキャリアにつながるという考え方である。
ノミネート歴と現在地-「すでに証明した」と語る理由
サイフリッドはこれまでアカデミー賞を受賞した経験はないものの、2021年に『Mank/マンク』で助演女優賞にノミネートされている。また、12月公開の『アン・リー/はじまりの物語』では、ゴールデングローブ賞およびクリティクス・チョイス・アワードで主演女優賞にノミネートされており、今後の評価にも注目が集まっている。
もっとも、たとえ今年アカデミー賞のノミネートを逃したとしても、本人はそれを大きな問題とは捉えていないという。サイフリッドは、自分は「すでに証明した」と感じていると語り、「難しいことをやらせても信頼できると人々に思ってもらえる」方向に前進していると述べている。
評価や見られ方が常に変化する業界に身を置きながらも、彼女は自らの選択に対する一貫性を重視してきた。「私たちは皆、キャリアに浮き沈みがあるし、どう見られるかは日々変わりうるものだけど、私は自分の選択において一貫しているし、自分の価値観やニーズにおいても一貫しているの」と語り、自身のキャリアを冷静に見つめている。
現在の状況について、サイフリッドは「今は良い状況にいるよ」と語り、その理由として『The Housemaid(原題)』が興行収入を上げたことを挙げている。ただし、それが常に続くわけではないとも冷静に付け加えた。
「いつもそうとは限らないんだよ」と語る彼女は、キャリアの中で成功と失敗の両方を経験してきた。時には『マンマ・ミーア!』のようなヒット作に出演することもあれば、『テッド2』や『荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて』のように、大ヒットが期待されながら結果が伴わなかった作品に参加することもあったという。
そうした浮き沈みを受け入れたうえで、サイフリッドは賞の有無に左右されない立ち位置を築いてきた。受賞を目的とするのではなく、自らの価値観に沿った選択を積み重ねること。その姿勢こそが、彼女が語る「俳優のキャリアにおける長い寿命」を支えていると言えそうだ。


