映画『ハムネット』で主演を務めたジェシー・バックリーが、ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞。授賞式では撮影現場の思い出を語った。
映画『ハムネット』で主演を務めたジェシー・バックリーが、日曜夜に開催されたゴールデングローブ賞授賞式で、ドラマ部門最優秀主演女優賞を受賞した。今季のアワードシーズンで快進撃を続けるバックリーは、受賞スピーチの中で作品を支えた人々への感謝を語り、撮影現場での印象的なエピソードを明かして会場を和ませた。
初ノミネートでの受賞、アワードシーズンで存在感を強める
『ハムネット』での演技により、ジェシー・バックリーはゴールデングローブ賞ドラマ部門最優秀主演女優賞を受賞した。バックリーは先週末に同作でクリティクス・チョイス・アワードを受賞しており、現在は全米映画俳優組合賞にもノミネートされている。
同部門には、ジェニファー・ローレンス、レナーテ・レインスヴェ、ジュリア・ロバーツ、テッサ・トンプソン、エヴァ・ヴィクターといった顔ぶれが名を連ねていた。バックリーにとって今回がゴールデングローブ賞初ノミネートであり、その初挑戦での受賞となった。
受賞スピーチでバックリーは、「これは普通の感覚や状況じゃないけど、ゴールデングローブに感謝します。フォーカス・フィーチャーズと、この映画を支えてくれた皆さんにも感謝しています」と述べ、作品と制作陣への感謝を率直な言葉で伝えた。
授賞式で語られた、撮影現場を支えた“スープ”の記憶
受賞スピーチの中でバックリーは、撮影現場で共に働いたスタッフへの感謝を次々と口にし、特にキーグリップのトマシュ・ステルニツキに特別な言葉を贈った。バックリーは撮影期間中のある出来事を振り返り、「ある日、トマシュがトラックの後ろでジャガイモと玉ねぎと肉を刻んでいるのを見つけたの。」と語った。
さらに彼女は、ステルニツキが「ポーランドから持ってきた巨大な鋳鉄製の鍋でスープを作っていてね。」と説明。そのスープはやがて撮影現場の定番となり、「そのスープが撮影現場に登場するようになったんだけど、めちゃくちゃ美味しかったの」と、当時の空気感をユーモラスに明かした。
華やかな授賞式の舞台で、バックリーがこうした裏方スタッフの存在に光を当てたことは、作品づくりが多くの人の支えによって成り立っていることを印象づける瞬間となった。
喪失と創作を描く『ハムネット』、作品としての評価
『ハムネット』でバックリーが演じるのは、貧しいラテン語教師ウィリアムと恋に落ち、やがて結婚するアグネス・シェイクスピアである。ウィリアムは後に著名な劇作家となり、ふたりは三人の子どもを授かるが、物語は一人息子である十一歳のハムネットがペストによって命を落とすという悲劇を迎える。
本作は、オスカー受賞監督クロエ・ジャオが手がけた歴史フィクションで、家族が経験する壊滅的な喪失と、その悲劇がウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ハムレット』をどのように生み出したのかを描いている。感情を抑制した演出の中で、バックリーの繊細な演技は物語の核を担う存在となっている。
『ハムネット』は今年のゴールデングローブ賞で、作品賞(ドラマ部門)をはじめ、助演男優賞(ポール・メスカル)、監督賞、脚本賞、オリジナル作曲賞など計6部門にノミネートされた。八月のテルライド映画祭で初上映された際には、バックリーの演技がキャリア最高の仕事として評価され、アワードシーズンを通じて高い注目を集めてきた。
授賞式はロサンゼルスのビバリー・ヒルトンで開催され、司会はコメディアンのニッキー・グレイザーが務めた。華やかな舞台の一方で、バックリーのスピーチは撮影現場での具体的な記憶や人とのつながりに目を向けたものとなり、作品の背景にある時間と積み重ねを感じさせる内容となった。
バックリーはこれまで『ウーマン・トーキング 私たちの選択』や『ワイルド・ローズ』、『ロスト・ドーター』などに出演し、『ロスト・ドーター』ではアカデミー賞助演女優賞にノミネートされている。次回作には『ザ・ブライド!』への主演が控えており、『ハムネット』での評価を経て、今後の動向にも注目が集まりそうだ。
Jessie Buckley (“Hamnet”) accepts the #GoldenGlobe for Best Female Actor — Motion Picture — Drama:
“It was such an extraordinary set to be a part of because we were telling the story of the most famous Brit who ever lived. And we had a Chinese director—lots of Irish, too.” pic.twitter.com/ZAekiqMRsI
— Variety (@Variety) January 12, 2026

