『M3GAN/ミーガン』スピンオフ『Soulm8te(原題)』が配信直前で中止となり、ユニバーサルが他社への売却を進めている。
『M3GAN/ミーガン』のスピンオフ映画として企画されていた『Soulm8te(原題)』(ソウルメイト)が、米配信予定日を目前に控えながらも配信スケジュールから削除された。配給元のユニバーサルは本作を他スタジオへ売却する方針とされており、フランチャイズ作品としては異例の判断となっている。
当初、同作は2026年1月8日に米国での配信が予定されていたが、配信まで1ヶ月を切った段階でも予告編やビジュアルなどの宣伝素材は一切公開されていなかった。
配信直前での中止と売却判断、その背景
ユニバーサルが『Soulm8te(原題)』をスケジュールから外した背景には、同じ『M3GAN/ミーガン』シリーズの続編『M3GAN/ミーガン 2.0』の興行成績が影響しているとみられる。
『M3GAN/ミーガン 2.0』は、2023年1月に公開されソーシャルメディアを中心に大きな話題を呼んだ第1作とは異なり、ホラー・キャンプ的な路線から距離を取った内容となっていた。しかし、その結果、全世界興収は3,910万ドルにとどまり、第1作の1億8,000万ドルから大幅な減少を記録した。
この結果について、ブラムハウスの創設者ジェイソン・ブラムは、公開直後に出演したポッドキャスト番組「The Town」で「僕たちは皆、ミーガンはスーパーマンみたいなもので、彼女に何をしてもいいと思ってたんだ。ジャンルを変えることもできる。夏に公開することもできると」「僕たちは、人々の彼女への思い入れがどれほど強いかを、固定観念に捉えすぎてしまった」と反省している。
シリーズの方向性に対するこうした反省が、スピンオフ作品である『Soulm8te(原題)』の扱いにも影響を及ぼした可能性は否定できない。
ほとんど語られなかった内容と、限定上映された予告編
『Soulm8te(原題)』については、中止が決定されるまで公式な宣伝素材がほとんど公開されておらず、作品内容の詳細も明かされていなかった。ただし、2025年4月に開催されたシネマコンでは、会場限定で予告編が上映されている。
予告編では、リリー・サリヴァンが、悲しみに暮れる男性(デヴィッド・ライズダール)が雇ったAI搭載コンパニオンを演じていたようだ。映像の中でサリヴァン演じるキャラクターは、「愛してるって言ってよ」「私ほどあなたを知ってる人なんていない」と語り、感情的な依存関係を強調する存在として描かれていた。
さらに彼女は、「私、悪い子だった?」と問いかける場面や、女性のライバルと対峙するシーンで「そういう女の連帯みたいなこと、私には通用しないから」と皮肉を口にしており、人間関係の緊張や対立を前面に押し出した内容であることがうかがえる。
本作はケイト・ドーランが監督を務め、ジェームズ・ワン、イングリッド・ビス、ラファエル・ジョーダンがストーリーを手がけた脚本を基に制作された。こうした制作体制からも、『M3GAN/ミーガン』シリーズと世界観を共有しつつ、異なる切り口を模索していた作品であったことが読み取れる。
売却報道と、フランチャイズ戦略の行方
『Soulm8te(原題)』(ソウルメイト)が他社へ売却される見込みであることは、Deadlineが最初に報じた。売却先や条件、また完成状況や今後の公開形態については、現時点では明らかにされていない。
配信予定日まで1ヶ月を切った段階での中止と売却判断は、フランチャイズ作品としては異例であり、近年のスタジオ各社が続編やスピンオフの扱いに慎重になっている状況を象徴する動きともいえる。話題性や知名度だけでは興行的成功が保証されない現実が、改めて浮き彫りになった形だ。
『M3GAN/ミーガン』シリーズは、第1作の成功によって一躍カルチャーアイコンとなったが、そのイメージをどこまで拡張できるのかは、今後の展開に委ねられる。『Soulm8te(原題)』が別の形で世に出るのか、あるいはこのまま公開されないまま終わるのか、その動向が注目される。


