『THE END(ジ・エンド)』の本予告とポスターが公開。終末世界を舞台に描く黙示録的ミュージカル。
終末世界を舞台に描く黙示録的ミュージカル映画『THE END(ジ・エンド)』が、ジョシュア・オッペンハイマー監督とティルダ・スウィントン主演のタッグで公開される。このたび、本作の本予告映像とポスタービジュアルが解禁された。環境破壊によって地上が住めなくなった未来を背景に、地下シェルターで暮らす“家族”の秘密と、外の世界から訪れる謎の来訪者をめぐる物語が映し出される。
地下シェルターで暮らす一家の前に現れた見知らぬ少女
本作の舞台は、地球が環境破壊によって居住不可能となってから 25 年後の世界だ。リリースでは「舞台は、環境破壊によって居住不可能となってから 25 年後の地球。」と紹介されている。母、父、息子の3人は母の親友と医者、執事とともに豪奢な地下シェルターで生活していたが、ある日、見知らぬ少女が現れ、彼らの日常は大きく揺らぎ始める。
外界を知らずに育った息子は、外の世界の知識を持つ来訪者に惹かれていき、家族をつなぎとめていた均衡が崩れ始める。映像にも「昔、いろんな人がここへ来た」「優しそうな人達もいた」「でも最後は私たちを殺そうとした」という不穏な台詞が挿入され、彼らの“ユートピア”の根底に潜む恐怖が示唆されている。
地下深くの巨大な塩坑で暮らす人々の閉塞感と、そこへ迷い込んだ少女の存在が、物語を一気に終末世界の緊張へと導いていく構図が強調されている。
黙示録的ミュージカルが描く“行き止まりの世界”の美と狂気
本作が大きく特徴づけられているのは、終末世界を“ミュージカル”として描く独自のアプローチだ。映像では、地下シェルターの内部を埋め尽くす装飾や衣装が強烈な色彩で構成され、〈ディストピアの中にユートピアを築こうとする家族〉の異様な日常が映し出される。非日常感あふれる華やかな歌声と、室内を彩る過剰な装飾が、行き止まりの終末世界へと突き進む未来の危うさをいっそう際立たせる。
予告映像の冒頭は「地球上に人が住めなくなってから 25 年。」という言葉で始まる。観客はすぐに、広大な塩坑の奥深くで暮らす一家の閉ざされた世界へと誘われる。そこへふいに迷い込んだ少女の存在は、この“人工的なユートピア”にたまっていた緊張を一気に表面化させる。
息子が抱く抑えきれない興味と感情は物語の重要な軸となる。「ここを出たらどうなるかな」「外の世界には、もう何もない」と語られる言葉は、彼らが築いた世界がいかに脆く、不確かな幻想であるかを暗示している。華やかな歌とセットの背後に潜む狂気が、黙示録的ミュージカルというジャンルに独自の陰影をもたらしている。

『THE END(ジ・エンド)』 ©Felix Dickinson courtesy NEON ©courtesy NEON
ティルダ・スウィントン、ジョージ・マッケイ、マイケル・シャノンら実力派が集結
本作には、多彩で演技派のキャストが集まっている。主演を務めるのは、母親役として作品の世界観を牽引するティルダ・スウィントン。プロデューサーも兼任しており、その存在感と表現力が物語の中心に据えられていく。息子役にはジョージ・マッケイ、父親役にはマイケル・シャノンが出演し、劇中ではそれぞれが美しい歌声を披露する。
監督は、『アクト・オブ・キリング』および『ルック・オブ・サイレンス』で知られるジョシュア・オッペンハイマー。リリースでは「1960年代インドネシアで行われた大量虐殺を加害者視点で描いた『アクト・オブ・キリング』(2014)で第86回アカデミー賞®長編ドキュメンタリー部門にノミネートされ、さらに同事件を被害者視点で描いた『ルック・オブ・サイレンス』(2015)で世界的に注目を集めた」と紹介されている。
初めての長編フィクション作品となる本作では、黙示録後の世界をミュージカルとして構築する大胆な手法を選び、「衝撃的なミュージカル」を目指して制作された。スウィントン、マッケイ、シャノンら主要キャストの歌唱シーンは、終末世界の閉ざされた空気と奇妙な華やかさを同時に体現する重要な要素となっている。
【動画】映画『THE END(ジ・エンド)』本予告
作品情報
原題:The End
監督:ジョシュア・オッペンハイマー
脚本:ジョシュア・オッペンハイマー/ラスムス・ハイスターバーグ
出演:ティルダ・スウィントン、ジョージ・マッケイ、モーゼス・イングラム、ブロナー・ギャラガー、ティム・マッキナリー、レニー・ジェームズ、マイケル・シャノン
2024年/デンマーク・ドイツ・アイルランド・イタリア・イギリス・スウェーデン・アメリカ合作
©Felix Dickinson courtesy NEON ©courtesy NEON
上映時間:148分
字幕翻訳:松浦美奈
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
宣伝:東映ビデオ
