映画『今日が終わるまで』(2026)を紹介&解説。
映画『今日が終わるまで』概要
映画『今日が終わるまで』は、セルビアのイェレナ・マクシモヴィッチ監督(『Homelands』『Taurunum Boy』)が、反政府デモに揺れる現代のベオグラードを舞台に、異なる政治的立場に置かれた若い男女の出会いと自由への希求を描く青春ドラマ。社会変革を求める女子大学生と、デモの反対側に立つ青年が、街の混乱のなかで互いへの理解を深めていく。主演はレナ・トリフノヴィッチとアンドリヤ・クリヴォカピッチ、共演にイリナ・ホトムスキ、ステファン・タラビッチ、ミオドラグ・ドラギチェヴィッチら。2026年の第83回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門で世界初上映され、第39回東京国際映画祭コンペティション部門にも選出された。
作品情報
| 日本版タイトル | 『今日が終わるまで』 |
|---|---|
| 原題 | Do kraja dana |
| 英題 | Until the Day Ends |
| 製作年 | 2026年 |
| 本国公開日 | 未定(2026年9月9日、ヴェネツィア国際映画祭で世界初上映) |
| 日本公開日 | 未定(2026年10月31日、東京国際映画祭で日本初上映予定) |
| ジャンル | ドラマ/恋愛/青春 |
| 製作国 | セルビア/ブルガリア/スロベニア/モンテネグロ/クロアチア/ドイツ |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 91分 |
| 監督 | イェレナ・マクシモヴィッチ |
|---|---|
| 脚本 | イェレナ・マクシモヴィッチ/イヴァン・サラティッチ/オルガ・ディミトリエヴィッチ |
| 製作 | イェレナ・アンゲロフスキ/ニコライ・ムタフチェフ/ミハ・チェルネツ/ヨシュコ・ルタル/ドゥシャン・カサリツァ/イヴァン・サラティッチ/アルダ・チルテペ/シュテフェン・ゴルトカンプ/テナ・ゴイッチ |
| 撮影 | ポール・シュペンゲマン |
| 編集 | ヤン・クレムシェ |
| 作曲 | ヴラディミル・ジヴコヴィッチ/アツェ・ヴァプツァロフ |
| 出演 | レナ・トリフノヴィッチ/アンドリヤ・クリヴォカピッチ/イリナ・ホトムスキ/ステファン・タラビッチ/ミオドラグ・ドラギチェヴィッチ/ナターシャ・チャカルディッチ/ラシュコ・ミラトヴィッチ |
| 製作 | Taurunum Film/PREMIERstudio/Staragara/Meander Film/Kelek Film/Dinaridi Film |
| 配給 | 未定(日本、26年10月時点)/Heretic(海外セールス) |
あらすじ
大規模な学生デモが続くセルビアの首都ベオグラード。20歳の女子大学生レナは、大学での活動や家庭内の問題に揺れながら、社会を変えられると信じて抗議運動に参加していた。
一方、同じ地域で暮らす22歳の青年ステファンは、労働者階級の家庭に育ち、反政府デモとは反対側の人々と関わっている。政治的な立場も生きてきた環境も異なるふたりだったが、それぞれが現在の生活に息苦しさを抱え、自由を求めていた。
デモの混乱のなかで、ふたりは互いの孤独や不安に共通するものを見いだしていく。やがてレナとステファンは街を離れ、自然の中へと逃れていく。
社会が大きく揺れ動く夜、異なる世界に生きてきた若者たちは、愛と自由、そして自分たちの未来を模索する。
主な登場人物(キャスト)
レナ(レナ・トリフノヴィッチ):20歳の女子大学生。社会を変えられると信じ、ベオグラードで続く学生主体の抗議運動に積極的に参加している。家庭内の問題や社会の閉塞感に苦しみながらも、自分らしく生きられる場所を探している。
ステファン(アンドリヤ・クリヴォカピッチ):22歳の青年。労働者階級の家庭に育ち、反政府デモとは反対側の勢力に関わっている。現在の生活と自分の望む未来との間で揺れ動き、レナとの出会いを通して自由への思いを強めていく。
作品の魅力解説
セルビアの学生デモを背景にした現代の青春映画
『今日が終わるまで』の特徴は、現代セルビアで実際に起きている大規模な学生・市民による抗議運動を物語の背景としていることだ。
舞台となるベオグラードでは、政治的な対立によって街が分断され、人々の日常生活にも混乱が広がっている。その状況下で、社会変革を求める若者たちの希望や怒り、将来への不安を描く。
監督のイェレナ・マクシモヴィッチは、ドキュメンタリー映画や編集の分野で活動してきた映像作家。本作は彼女にとって初の長編フィクション監督作品となる。
政治的に対立する男女の間に生まれる愛情
主人公のレナとステファンは、社会的な立場も政治的な考え方も異なる若者だ。しかし、既存の社会や自分たちの生活に閉塞感を抱き、自由を求めているという点では共通している。
作品は、対立する立場に置かれたふたりが、政治的な違いを超えて互いを理解しようとする過程を描く。
恋愛ドラマであると同時に、異なる価値観を持つ人々が共存する可能性を問いかける物語となっている。
デモの混乱と若者たちの逃避行
物語の舞台は、抗議活動に揺れるベオグラードの街から、ふたりが一時的な安らぎを見いだす自然の中へと移っていく。
政治的な混乱を背景としながら、若者たちの出会い、逃避行、そして親密な時間を重ねることで、社会の大きな動きと個人の小さな感情を結びつける。
メロドラマやコメディ、犯罪映画の要素を取り入れた構成も特徴で、単純な政治映画にとどまらない青春の物語として展開する。
ヴェネツィア国際映画祭から東京国際映画祭へ
『今日が終わるまで』は、2026年の第83回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門に選出され、世界初上映された。
その後、第39回東京国際映画祭のコンペティション部門にも選出され、アジア初上映を迎える。
セルビアを中心に6カ国が参加した国際共同製作作品であり、監督のフィクション長編デビュー作として、ヨーロッパからアジアへと国際映画祭での上映を広げている。
