【米興行収入】『ファンタスティック4』2週目は減速気味-MCUの動向と今後の鍵を探る

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』© 2025 20th Century Studios / © and ™ 2025 MARVEL. NEWS
『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』© 2025 20th Century Studios / © and ™ 2025 MARVEL.

マーベル最新作が2週目で失速、興行成績の行方は

マーベル最新作が急ブレーキ-『ファンタスティック4』、2週目で66%減

ファンタスティック4:ファースト・ステップ』が公開2週目で興行収入を大きく落とし、初週の1億1760万ドル(約173億6246万円/8月4日時点)から66%減となる4000万ドル(約59億560万円)にとどまった。北米4125館からスタートした本作は、評論家からの好意的なレビューと競合作不在という有利な状況にもかかわらず、観客の足を引き留めるには至っていない。

この下落率は、ディズニーが手がけた近年のマーベル作品の中でも特に大きく、2月公開の『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(68%減)や、2023年の『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(70%減)と並ぶ水準である。ただし、「78%の大幅減で話題となった『マーベルズ』よりはマシ」との評価もある。

これまでに『ファンタスティック4』は北米で1億9800万ドル(約292億3272万円)、全世界で3億6800万ドル(約543億3152万円)を記録しており、興行不振とされた『ブレイブ・ニュー・ワールド』(最終4億1500万ドル)や『サンダーボルツ*』(同3億8200万ドル)を上回るペースで推移している。それでも、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のかつての栄光を取り戻すには至っておらず、2026年以降の『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』や『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』に期待がかかっている。

アナリストのジェフ・ボックは「『ファンタスティック・フォー』はマーベルの看板タイトルとはいえない。重要なのは、本作が『アベンジャーズ』へとつながっていく導線であることです」と語っている。

コメディとアニメは順調な滑り出し-『バッドガイズ2』『ザ・ネイキッド・ガン』

ファンタスティック4』と競合しなかった新作3本のうち、最も好調なスタートを切ったのはドリームワークス・アニメーションの強盗コメディ『バッドガイズ2』だった。全米3852館で公開され、初週末に2280万ドル(約33億6619万円)を記録。これは2022年に公開された第1作のオープニング成績(2300万ドル)とほぼ同水準で、当時はCOVID-19の影響下にあったことを踏まえると、回復基調をうかがわせる数字である。

製作費8000万ドル(約118億1120万円)で制作された本作は、改心した犯罪者たちが“最後の仕事”に挑む物語。観客からは出口調査で「A」の高評価を獲得し、海外市場でも1630万ドル(約24億653万円)を上乗せ。全世界でのオープニング合計は4450万ドル(約65億6998万円)となり、アニメーション続編として堅実な立ち上がりを見せた。アナリストのデヴィッド・A・グロスも「この種の作品としては理想的な出だし」と評価している。

一方、パラマウントが手がけたコメディ作品『ザ・ネイキッド・ガン(原題)』(『裸の銃を持つ男』の新世代版)は、全米3344館で1700万ドル(約25億988万円)のオープニング成績を記録し、事前予想に近い結果となった。海外ではさらに1150万ドル(約16億9786万円)を加え、初週の全世界合計は2850万ドル(約42億774万円)に到達している。

同作は、リーアム・ニーソンが不器用なロサンゼルスの刑事フランク・ドレビン・Jr.を演じ、パメラ・アンダーソン、ポール・ウォルター・ハウザーらと共演。観客層の62%が男性で、35歳以上が半数を占め、主に中高年の白人男性を中心に支持を集めた。シネマスコアは「A-」、ロッテン・トマトでは90%の好評価を受けており、今後の粘り強い動員も期待されている。

異色ホラー『トゥギャザー』は議論を呼ぶ滑り出し

今週公開された新作の中で、最も異色の存在感を放ったのがネオン配給のボディホラー作品『トゥギャザー(原題)』である。実生活でも夫婦であるデイヴ・フランコアリソン・ブリーが共演し、共依存関係にあるカップルが謎の力による身体的な変化を通じて、ますます危うい関係に引き込まれていく様子が描かれる。

本作は通常の週末で680万ドル(約10億395万円)、5日間の累計では1080万ドル(約15億9451万円)を記録し、公開規模を考えればまずまずのスタートを切った。シネマスコアでは「C+」と辛めの評価がついたが、観客の動揺を誘うような内容であることを考えれば、必ずしも不名誉な結果とはいえない。

ネオンは本作の宣伝において“スクリーン上のトラウマ”というコンセプトを前面に押し出し、オープニング週末には鑑賞カップルに無料セラピーを提供するというユニークな施策も話題となった。また、本作は2024年サンダンス映画祭で1700万ドル(約25億101万円)という破格の金額で買い付けられており、これは同映画祭史上でも屈指の高額取引にあたる。

アナリストのデヴィッド・A・グロスは、「このジャンルでは観客評価が控えめなのは珍しくない。最終的には収益性のあるスマートなホラー作品となるだろう」とコメントしている。

ロングラン作品も好調-『スーパーマン』『ジュラシック・ワールド』が上位キープ

新作が注目を集める一方で、公開から数週が経過した大作も依然として健闘を見せている。

ワーナー・ブラザースとDCスタジオによるリブート作『スーパーマン』は、公開4週目に1390万ドル(約20億5419万円)を記録し、週末ランキング4位にランクイン。累計では北米3億1620万ドル(約466億9269万円)、全世界で5億5120万ドル(約813億9930万円)に到達しており、息の長いヒットとなっている。

また、ユニバーサルの人気シリーズ最新作『ジュラシック・ワールド/復活の大地』も公開5週目で840万ドル(約12億4018万円)を稼ぎ、トップ5を締めくくった。主演にはスカーレット・ヨハンソンジョナサン・ベイリーマハーシャラ・アリが名を連ね、恐竜叙事詩としてのスケールと新鮮味を両立させた本作は、北米累計で3億1700万ドル(約468億3200万円)、全世界で7億6600万ドル(約1,131億2024万円)を突破。シリーズのリブートとして成功を収めている。

いずれの作品もシリーズのブランド力を背景に、夏の興行を安定的に支える存在となっている。

夏の興行収入は40億ドル突破なるか-全体の展望

2025年の夏興行シーズンは、堅調な滑り出しを見せている。市場調査会社コムスコアによれば、現時点で夏季の興行収入(5月〜8月初旬)は約30億ドルに到達(約4,429億2000万円)。これは前年同期比で9.5%増という結果で、全体として回復傾向にある。

一方で、パンデミック前最後の年にあたる2019年と比べると、依然として23%下回っており、完全な回復には至っていない。2023年の『バービー』『オッペンハイマー』が牽引した“40億ドル超え”の夏に続けるかどうかが、今後数週の鍵となる。

コムスコアのシニア・アナリストポール・デルガラベディアンは「この夏にはまだ有力作品の公開が控えており、ホームストレッチは堅実なものになるだろう」と予測。「40億ドル(約5,905億6000万円)という目標までには約10億ドルの差があり、決して容易な道のりではないが、可能性は残されている」と見通しを語っている。

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