批判にさらされたサブリナ・カーペンター、新作の代替ジャケット公開-「神様公認だよ」【プロフィール写真はそのまま】

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サブリナ・カーペンター

サブリナ・カーペンターが、物議を醸した新アルバム『Man’s Best Friend』のジャケットに対し、“応答”ともとれる代替ビジュアルを公開した。

2025年8月のリリースを控える同アルバムのアートワークをめぐっては、性的すぎる表現女性蔑視的な構図としてSNS上で批判が集中。セクシュアリティを武器にする彼女の表現に対して、「フェミニズム的か、それとも炎上狙いか」といった議論が交わされてきた。そうした中、カーペンターは新たに「神様のお墨付き(approved by God)」とキャプションされた代替ジャケットを発表。抑制的なトーンながら、皮肉と開き直りを込めた一枚となっている。

「神様公認」の新ビジュアル-皮肉とも妥協ともとれる一手

公開された新ジャケットは、モノクロのシンプルな写真だ。カーペンターはスーツ姿の男性にしがみつくようにポーズを取り、背景には複数の男性たちがぼんやりと佇んでいる。セクシュアルな演出やフェティッシュな構図は抑えられており、前回の“物議ジャケット”に比べて遥かにソフトな印象を与える。

注目を集めたのは、彼女がこの投稿に添えた言葉だ。「approved by God(神のお墨付き)」。この一文には、前回の炎上を受けたうえでの皮肉がにじむようにも見える。「これなら批判されないでしょう?」という疲れにも似たメッセージとして受け取るファンも多い。

一方で、この“控えめな構図”そのものが、彼女なりのアイロニーでなのかもしれない。アートワークから過剰さを排除することで、「何が不快で、何が“正しい”のか」を見る側に問い直すような強度を宿している。批判を受け入れたように見せかけながら、表現の主導権を手放さない姿勢が、サブリナ・カーペンターらしさだ。

“見せる女性”に向けられる監視-サブリナが語るダブルスタンダード

今回の代替ジャケットは、表現に対する社会の“監視のまなざし”そのものに対する応答でもある。カーペンターはアルバム発表直後、米『Rolling Stone』誌のインタビューで、自身の性的表現についてたびたび批判が寄せられることに触れ、次のように語っていた。

“またセックスの歌?”って言う人たちがいるけど、それを人気にしてるのはあなたたちでしょ。セックスが好きで、それに夢中なのはそっちだよ

この言葉は、アーティストに対して“望まれる姿”を求めながら、実際にそれを見せると「不快だ」「やりすぎだ」と切り捨てる社会のダブルスタンダードを痛烈に突いている。カーペンターはあくまで観客の“欲望”に応じつつ表現しているのに、それがあらゆる角度からジャッジされる――そんな構造への違和感が、この発言にはにじむ。

さらに彼女は、現代における女性アーティストの置かれた状況についてもこう語っている。

今ほど女性が細かく評価され、批判される時代を私は生きたことがない

一見“ガール・パワー”や“女性の連帯”が叫ばれる時代にあっても、ドレスを着てレッドカーペットに立つだけで、数秒のうちに何十もの否定的なコメントが飛んでくる。そうした現実への苛立ちと疲労感が、この発言の背景にはあるのだ。

話題先行では終わらない-作品としての整合性と戦略

たしかに今回の代替ジャケットは、炎上を逆手に取った“応答”としてのインパクトが強い。しかし、サブリナ・カーペンターの表現は単なる話題づくりで終わるものではない。アルバムのリード曲「Manchild」のリリースとともに見えてきたのは、視覚と音楽が共に描くひとつのテーマ性である。

「Manchild」では、幼稚な男性像や恋愛におけるジェンダーの不均衡が歌詞として描かれており、前作ジャケットの構図――「髪をつかむ男」と「従う女」――とあわせて読み解くことで、そのメッセージはさらに深まる。過激に見えるヴィジュアルの裏側に、社会への風刺と皮肉が織り込まれているのだ。

代替ジャケットの公開は、一見すると批判に対する“妥協”にも映る。だが、よく見るとサブリナ・カーペンターのInstagramプロフィール写真はいまだに、髪をつかまれたオリジナルのアートワークのまま。さらに、“神公認”とされる新ジャケットは通常投稿なのに対し、物議を醸した旧ジャケットはプロフィール上部の固定投稿として掲げ続けている

(@sabrinacarpenter / Instagram)

(@sabrinacarpenter / Instagram)

つまり彼女は、表面的には“譲歩”してみせながら、核心の表現は引き下げていないのだ。批判には応じても、主導権は手放さない。今回の動きは、その意思表示でもある。

セクシュアリティ、女性の自己表現、そして世間からのまなざし――それらに挑み続ける彼女の表現戦略は、アルバム『Man’s Best Friend』のリリースに向けて、さらに注目を集めることになりそうだ。

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