映画『Death of a Unicorn(原題)』(2025)を紹介&解説。
映画『Death of a Unicorn(原題)』概要
映画『Death of a Unicorn(原題)』は、A24が配給する2025年製作のホラーコメディ。監督・脚本は、本作が長編監督デビューとなるアレックス・シャーフマンが務める。週末のリトリートへ向かう途中でユニコーンを車ではねてしまった父娘が、その“奇跡的な治癒力”を利用しようとする億万長者一家の思惑に巻き込まれていく。主演はポール・ラッドとジェナ・オルテガ。共演にウィル・ポールター、ティア・レオーニ、リチャード・E・グラント、アンソニー・キャリガンらが名を連ねる。ファンタジーの象徴であるユニコーンを、ブラックユーモアと流血描写を交えたモンスター映画として再解釈した作品である。
作品情報
日本版タイトル:『Death of a Unicorn(原題)』
原題:Death of a Unicorn
製作年:2025年
本国公開日:2025年3月28日
日本公開日:2026年公開予定
ジャンル:ホラー/コメディ/ファンタジー
製作国:アメリカ/ハンガリー
原作:無
上映時間:107分
監督・脚本:アレックス・シャーフマン
製作:ドリュー・ハウト/ルーカス・ホアキン/アレックス・シャーフマン/ラース・クヌードセン/タイラー・キャンペローン/ティム・ヘディントン/テリーサ・スティール・ペイジ
製作総指揮:アリ・アスター/ジェナ・オルテガ/ポール・ラッドほか
撮影:ラリー・フォン
編集:ロン・デュリン
作曲:ダン・ローマー/ジョスエ・グレコ
出演:ポール・ラッド/ジェナ・オルテガ/ウィル・ポールター/ティア・レオーニ/リチャード・E・グラント/アンソニー・キャリガン/スニータ・マニ/ジェシカ・ハインズ/スティーヴ・パーク
製作:レイ・ライン・エンターテインメント/スクエア・ペグ/シークレット・エンジン/モノセロス・メディア/ザ・ロイヤル・ブダペスト・フィルム・カンパニー
配給:A24/ハピネットファントム・スタジオ(日本)
あらすじ
弁護士のエリオットは、十代の娘リドリーを連れて、億万長者である上司オデル・レオポルドの邸宅へ向かっていた。ところが道中で、ふたりは伝説上の生き物であるユニコーンを車ではねてしまう。やがてユニコーンの血や角に奇跡的な治癒力があることが明らかになると、オデルとその家族はその力を利益に変えようと画策する。しかし、命を奪われたユニコーンには家族がいた。人間の欲望が暴走する中、エリオットとリドリーは、神話の存在を搾取しようとする者たちの惨劇に巻き込まれていく。
主な登場人物(キャスト)
エリオット・キントナー(ポール・ラッド):リドリーの父で、レオポルド家に関わる弁護士。仕事上の立場や将来を守ろうとするあまり、ユニコーンをめぐる異常な事態に巻き込まれていく。
リドリー・キントナー(ジェナ・オルテガ):エリオットの十代の娘。父との関係に距離を感じながらも、ユニコーンとの接触を通じて、その存在に秘められた神秘性と危険性を直感していく。
オデル・レオポルド(リチャード・E・グラント):エリオットの億万長者の上司で、レオポルド家の家長。ユニコーンの治癒力に目をつけ、その力を研究・商品化しようとする。
ベリンダ・レオポルド(ティア・レオーニ):オデルの妻。特権階級ならではの価値観を持ち、ユニコーンをめぐる事態にも利己的な態度を見せる。
シェパード・レオポルド(ウィル・ポールター):オデルとベリンダの息子。軽薄で自己中心的な性格の持ち主で、ユニコーンの力をめぐる混乱をさらに加速させる存在となる。
グリフ(アンソニー・キャリガン):レオポルド家に仕えるスタッフ。
バティア博士(スニータ・マニ):ユニコーンの治癒力を調査する科学者のひとり。
ショウ(ジェシカ・ハインズ):レオポルド家の警備担当。
ソング博士(スティーヴ・パーク):レオポルド家に協力する研究者。
作品の魅力解説
本作の大きな魅力は、ユニコーンという“美しく神聖な存在”を、あえて流血とブラックユーモアに満ちたモンスター映画の題材として扱っている点にある。ファンタジーの象徴を反転させることで、観客が抱くイメージを裏切る意外性が生まれている。
また、ユニコーンの治癒力を利用しようとする億万長者一家の姿を通じて、富裕層、製薬ビジネス、自然や命の搾取といったテーマも浮かび上がる。単なるクリーチャー映画ではなく、人間の欲望が神話的存在を破壊していく構図が、風刺的な面白さにつながっている。
ポール・ラッドとジェナ・オルテガが演じる父娘関係も見どころのひとつ。気まずさを抱えた親子が異常な状況に放り込まれ、恐怖と混乱の中で互いを見つめ直していく流れが、作品に感情的な軸を与えている。
A24作品らしいジャンルミックスも特徴である。コメディ、ホラー、ファンタジー、社会風刺が入り交じり、可笑しさと残酷さが同居する独特のトーンを作り出している。ユニコーンを“かわいい幻想”ではなく、怒りを持った神話的生物として描くことで、観る者に強い印象を残す一作となっている。
