007シリーズを愛してやまない映画ファンのひとりであるクリストファー・ノーラン監督が、自身の考える最高の「ジェームズ・ボンド」について語った内容が話題を呼んでいる。シリーズ全23作品の中から選んだ作品と、6人の歴代ボンドの中で選んだ俳優の組み合わせに注目が集まっている。
ノーラン監督が選んだ最高の『007』作品は第6弾『女王陛下の007』
「素晴らしい映画で、今でも十分に通用する作品だ」とノーラン監督が最高の『007』作品として挙げたのは、1969年に公開された『女王陛下の007』だ。この作品について監督は、自身の代表作『インセプション』(2010年)との共通点を示唆。「この作品には、アクション、スケール感、ロマンス、悲劇、そして感情の素晴らしいバランスがある。『007』シリーズの中で間違いなく最も感情的な作品だ。そこには恋愛物語があり、『インセプション』も同様に恋愛物語なのだ」と語っている。
歴代ジェームズ・ボンドの中で最も原作に忠実だった俳優とは
54歳のノーラン監督が選んだ最高のジェームズ・ボンド俳優は、意外にもティモシー・ダルトンだ。監督は、ダルトンの演技がイアン・フレミングの小説に描かれた荒々しくも冷酷な007のイメージに最も近いと評価している。しかし、ダルトンの起用のタイミングには不運があった。本来、ロジャー・ムーアの後任として『007/美しき獲物たち』(1985年)の後を継ぐ予定だったのはピアース・ブロスナン。しかし、NBCがブロスナンにテレビドラマ「レミントン・スティール」への出演を要求したため、87年に公開された『リビング・デイライツ』でダルトンが起用される結果となった。
その後、ブロスナンは95年の『ゴールデンアイ』からボンド役を務めている。
新たな『007』の行方に注目が集まる中で
『007』シリーズの歴代ファンは、世代によって好みの俳優が異なる傾向にある。ベビーブーマー世代はショーン・コネリーを、X世代はロジャー・ムーアを、ミレニアル世代はダニエル・クレイグを支持する傾向が強い。そんな中、プロデューサーのバーバラ・ブロッコリーとAmazon Studiosの間で続く契約交渉の影響で、新たな『007』の製作は未だ具体化していない。ノーラン監督自身も『インセプション』や『TENET テネット』で『007』シリーズへの敬意を表現してきたが、彼の意外な人選は、純粋な作品愛に基づくものだと言えるだろう。



