映画『EDJOP(エジョプ)』(2026)を紹介&解説。
映画『EDJOP(エジョプ)』概要
映画『EDJOP(エジョプ)』は、カツキ・フローレス監督(『Still Life』)が、フィリピンのフェルディナンド・マルコス独裁政権に抵抗した実在の学生運動家エドガー・ジョプソンの生涯と、彼の死後を生きる娘の葛藤を描く伝記・歴史ドラマ。裕福な家庭に育ちながら民主化運動に身を投じ、1982年に政府軍によって殺害されたエドガーと、現代のフィリピンでトライアスロン選手として活動する娘ジョイエットの物語が並行して描かれる。
主演はイライジャ・カンラス。共演にジョディ・スタ・マリア、カキー・パンギリナン、メンチュー・ラウチェンコ=ユロ、セドリック・フアンら。2026年9月16日にフィリピンで劇場公開され、第39回東京国際映画祭のアジアの未来部門にも選出された。
作品情報
| 日本版タイトル | 『EDJOP(エジョプ)』 |
|---|---|
| 原題 | EDJOP |
| 製作年 | 2026年 |
| 本国公開日 | 2026年9月16日 |
| 日本公開日 | 一般公開未定(2026年10月27日、29日に東京国際映画祭で上映) |
| ジャンル | 伝記/歴史/ドラマ |
| 製作国 | フィリピン |
| 原作 | 無(実在のエドガー・ジョプソンの生涯に基づく) |
| 上映時間 | 124分(東京国際映画祭上映版) |
| 監督・製作 | カツキ・フローレス |
|---|---|
| 脚本 | カツキ・フローレス/ジェイド・カストロ |
| 製作総指揮 | カツキ・フローレス/スカーレット・ジョプソン |
| 撮影 | ニール・ダザ |
| 編集 | ベン・トレンティーノ |
| 作曲 | レン・カルボ |
| 出演 | イライジャ・カンラス/ジョディ・スタ・マリア/カキー・パンギリナン/メンチュー・ラウチェンコ=ユロ/セドリック・フアン/テロイ・グスマン/イッサ・リットン |
| 製作 | Open Water Productions/The Mad Goats Inc. |
| 配給 | ワーナー・ブラザース(フィリピン)/日本未定(26年10月) |
あらすじ
1960年代から1980年代のフィリピン。裕福な家庭に生まれたエドガー・ジョプソン、通称エジョプは、学生運動に参加し、フェルディナンド・マルコス大統領の独裁体制に反対する活動を主導していく。1972年に戒厳令が発令され、政治的な弾圧が激化する中でも、エドガーは民主化を求める闘争を続ける。しかし、1982年、政府軍によって拘束され、殺害されてしまう。
一方、現代のフィリピンでは、エドガーの娘ジョイエットがトライアスロン選手として活躍している。実際に会うことのなかった父は、社会では伝説的な英雄として称えられているものの、ジョイエットにとっては家族を残して亡くなった存在でもあった。半世紀を隔てた父と娘の人生が交差し、革命に身を捧げることの意味と、その選択によって家族に残された傷が浮かび上がっていく。
主な登場人物(キャスト)
エドガー・ジョプソン/エジョプ(イライジャ・カンラス):実在したフィリピンの学生運動家。裕福な家庭で育ちながら、マルコス独裁政権に抵抗する運動に参加する。学生リーダーから地下活動家となり、1982年に政府軍によって殺害された。
ジョイエット・ジョプソン(ジョディ・スタ・マリア):エドガーの娘。現代のフィリピンでトライアスロン選手として活動する。社会的には英雄として称えられる父に対し、家族を残して亡くなったことへの複雑な感情を抱えている。
ジョイ・ジョプソン(メンチュー・ラウチェンコ=ユロ):エドガーの妻。政治活動に身を投じた夫を持ち、家族として激動の時代を経験した女性。
若き日のジョイ・ジョプソン(カキー・パンギリナン):若い頃のジョイを演じる。
ノイ・ジョプソン(セドリック・フアン):エドガーとジョイの息子。
作品の魅力解説
マルコス独裁政権に抵抗した実在の革命家を映画化
本作は、フィリピン近現代史の重要な局面で活動したエドガー・ジョプソンの実話に基づく伝記映画。1972年の戒厳令発令によって強化されたマルコス政権の政治的弾圧を背景に、特権的な環境に生まれた青年が、なぜ自らの安全や生活を捨てて革命運動に身を投じたのかを描いている。個人の生涯を通して、独裁と民主化闘争の歴史を振り返る作品となっている。
革命家としての英雄像と、家族が抱える複雑な感情
本作の特徴は、エドガーの革命家としての人生だけでなく、彼を父親として知ることができなかった娘ジョイエットの人生を並行して描く点にある。社会にとっての英雄が、必ずしも家族にとって同じ意味を持つとは限らない。政治的な理想を追い求めることと、家族に対する責任の間に存在する葛藤を、世代を越えた視点から問いかける構成となっている。
フィリピンの歴史を次世代へ伝える、政治と家族のドラマ
監督のカツキ・フローレスは、20年以上にわたりフィリピンの映画・テレビ業界で活動してきた映像作家。本作は長年にわたる企画・製作を経て完成した作品であり、エドガーの遺族も製作に関わっている。フィリピンでは2026年9月に劇場公開され、同年の東京国際映画祭アジアの未来部門にも選出された。歴史的な出来事を単に再現するだけではなく、それを現代の世代がどのように受け止めるかという問題を提示している。
