映画『月の満ち欠け』(2022)を紹介&解説。
映画『月の満ち欠け』概要
映画『月の満ち欠け』は、第157回直木賞を受賞した佐藤正午の同名小説を、廣木隆一監督(『余命1ヶ月の花嫁』『ストロボ・エッジ』)が映画化したラブストーリー。愛する妻子を失った男と、27年前に“瑠璃”という女性を愛した男の人生が、時を超えて交錯していく。主演は大泉洋、共演に有村架純、目黒蓮、伊藤沙莉、田中圭、柴咲コウら。
作品情報
| 日本タイトル | 『月の満ち欠け』 |
|---|---|
| 英題 | Phases of the Moon |
| 製作年 | 2022年 |
| 日本公開日 | 2022年12月2日 |
| ジャンル | ドラマ/恋愛 |
| 製作国 | 日本 |
| 原作 | 佐藤正午『月の満ち欠け』(小説) |
| 上映時間 | 128分 |
| 監督 | 廣木隆一 |
|---|---|
| 脚本 | 橋本裕志 |
| 製作 | 高橋敏弘/荒木宏幸/弓矢政法/渡辺勝也/浅田靖浩/伊藤亜由美/井田寛 |
| 製作総指揮 | 吉田繁暁/筒井竜平 |
| 撮影 | 水口智之 |
| 編集 | 野本稔 |
| 作曲 | FUKUSHIGE MARI |
| 出演 | 大泉洋/有村架純/目黒蓮/伊藤沙莉/田中圭/柴咲コウ/菊池日菜子/寛一郎/波岡一喜/安藤玉恵/丘みつ子 |
| 製作 | 「月の満ち欠け」製作委員会 |
| 配給 | 松竹 |
あらすじ
仕事も家庭も順調だった小山内堅は、愛する妻・梢と娘・瑠璃を不慮の事故で同時に失い、深い悲しみの中にいた。そんな彼の前に、三角哲彦と名乗る男が現れる。三角は、事故に遭った日、小山内の娘・瑠璃が面識のない自分に会いに来ようとしていたこと、そして彼女が、かつて自分が愛した女性・正木瑠璃の生まれ変わりだったのではないかと語り出す。愛し合っていた夫婦と、許されざる恋に落ちた恋人たち。別々に見えたふたつの物語は、数十年の時を超えてつながっていく。
主な登場人物(キャスト)
小山内堅(大泉洋):仕事も家庭も順調だったが、不慮の事故で妻と娘を同時に失った男性。悲しみに沈む中、三角哲彦の訪問をきっかけに、娘・瑠璃にまつわる不思議な運命と向き合っていく。
正木瑠璃(有村架純):小山内の娘と同じ“瑠璃”という名前を持つ謎めいた女性。27年前の物語の中心にいる存在で、三角哲彦の人生に忘れがたい記憶を残す。
三角哲彦(目黒蓮):若き日に正木瑠璃と出会い、許されざる恋に落ちた青年。のちに小山内の前に現れ、娘・瑠璃が正木瑠璃の生まれ変わりだったのではないかと告げる。
緑坂ゆい(伊藤沙莉):小山内の娘・瑠璃の親友。
正木竜之介(田中圭):正木瑠璃の夫。瑠璃と三角の関係に複雑な影を落とす存在。
小山内梢(柴咲コウ):小山内堅の妻。
小山内瑠璃(菊池日菜子):小山内堅と梢の娘。事故当日、面識のないはずの三角哲彦に会いに行こうとしていたことから、物語の謎が動き出す。
作品の魅力解説
本作の大きな魅力は、“生まれ変わっても、もう一度会いたい”という強い想いを、現代と過去をまたぐ壮大な愛の物語として描いている点にある。単なる恋愛映画ではなく、喪失、記憶、後悔、再会への願いが重なり合い、観客に「人を想い続けること」の意味を問いかける作品になっている。
物語は、小山内堅の深い喪失感から始まり、三角哲彦と正木瑠璃の過去の恋へと広がっていく。ふたつの時間軸が“瑠璃”という名前によって結びついていく構成はミステリアスで、観客は登場人物たちとともに、少しずつ真実に近づいていく感覚を味わえる。
キャストの存在感も本作の見どころ。大泉洋は妻子を失った男性の痛みと揺らぎを抑制の効いた芝居で表現し、有村架純は物語の鍵を握る女性・正木瑠璃の儚さと芯の強さを印象的に演じている。目黒蓮は三角哲彦の一途さと不器用さをみずみずしく体現し、柴咲コウ、伊藤沙莉、田中圭らもそれぞれの立場から物語に奥行きを与えている。
また、1980年という時代感を映像や音楽で表現している点も印象的。過去の恋と現在の喪失が交差することで、月の満ち欠けのように、消えたように見える想いが再び姿を現すというテーマが浮かび上がる。輪廻転生というファンタジックな題材を扱いながらも、人間の感情に寄り添ったラブストーリーとして楽しめる一本だ。
