映画『マザーズデー』(1980)を紹介&解説。
映画『マザーズデー』概要
映画『マザーズデー』は、チャールズ・カウフマン監督が、キャンプに出かけた3人の女性と、森の奥で暮らす狂気の母子との遭遇を描くB級ホラー。監禁された女性たちが凄惨な恐怖にさらされ、やがて反撃へと転じていく。
ロイド・カウフマンの弟チャールズが監督・共同脚本・製作を務め、現在はトロマ・エンターテインメントのラインナップでも知られるカルト作品。主演はナンシー・ヘンドリクソン、共演にデボラ・ルース、ティアナ・ピアース、ビアトリス・ポンズら。
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作品情報
| 日本版タイトル | 『マザーズデー』 |
|---|---|
| 原題 | Mother’s Day |
| 製作年 | 1980年 |
| 本国公開日 | 1980年9月19日 |
| 日本公開日 | 劇場未公開 |
| ジャンル | ホラー/コメディ/スリラー |
| 製作国 | アメリカ |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 91分 |
| 監督 | チャールズ・カウフマン |
|---|---|
| 脚本 | チャールズ・カウフマン/ウォーレン・ライト |
| 製作 | チャールズ・カウフマン/マイケル・クラヴィッツ |
| 製作総指揮 | アレクサンダー・ベック |
| 撮影 | ジョセフ・マンジン |
| 編集 | ダニエル・ローウェンタール |
| 作曲 | フィル・ギャロ/クレム・ヴィカリ・Jr. |
| 出演 | ナンシー・ヘンドリクソン/デボラ・ルース/ティアナ・ピアース/ビアトリス・ポンズ/ゲイリー・ポラード/マイケル・マクリーリー |
| 製作 | Duty Productions/Saga Films A.B./トロマ・エンターテインメント |
| 配給 | United Film Distribution Company(米国) |
あらすじ
大学時代からの友人であるアビー、ジャッキー、トリーナは、毎年恒例の旅行でニュージャージーの森へキャンプに出かける。楽しい時間を過ごしていた3人だったが、森に暮らす兄弟アイクとアドレイに襲われ、彼らの家へ連れ去られてしまう。そこには、息子たちの残虐な行為を喜ぶ異常な“ママ”がいた。逃げ場のない監禁生活の中、3人は生き延びる方法を探し、やがて狂気の一家への反撃を狙う。
主な登場人物(キャスト)
アビー(ナンシー・ヘンドリクソン):大学時代からジャッキー、トリーナと親しい女性。離れて暮らすようになった現在も、仲間たちとの恒例旅行に参加する。
ジャッキー(デボラ・ルース):アビー、トリーナの大学時代からの友人。今回の旅行ではニュージャージーの森でのキャンプを計画する。
トリーナ(ティアナ・ピアース):ロサンゼルスでモデルとして暮らしている女性。旧友たちと再会し、恒例の旅行へ参加する。
マザー(ビアトリス・ポンズ):森の奥で2人の息子と暮らす異常な母親。息子たちを強く支配し、彼らが他人を苦しめる姿を楽しんでいる。
アイク(ゲイリー・ポラード):マザーの息子のひとり。弟アドレイとともに森を訪れた3人を襲撃し、自宅へ連れ去る。
アドレイ(マイケル・マクリーリー):マザーの息子のひとり。兄アイクと行動をともにし、母親を喜ばせるために残虐な行動を繰り返す。
作品の魅力解説・レビュー
割り切って眺められる、トロマらしいB級ホラー
低予算らしい粗さも、悪趣味な暴力も、突拍子のないキャラクターも含めて「トロマらしい」と感じられる一本。完成度の高い恐怖映画というより、変な母親とマザコンな息子たちが若者を監禁するという強烈なコンセプトを、そのまま勢いで押し切っていくB級ホラーだ。
細かな設定を深く考えるよりも、「また変なことをやっているな」と苦笑しながら眺めていられる程度のわかりやすさが本作には合っている。暴力的かつ性的な描写も含むため明確に人を選ぶ作品だが、この手のエクスプロイテーション映画に求めるものが合えば、約90分を突っ走る単純さはむしろ強みになる。
何より強烈な“マザー”のキャラクター
本作で強く印象に残るのは、ビアトリス・ポンズ演じるマザー。息子たちの残虐行為を当然のように受け入れ、狂気じみたテンションで一家の中心に居座り続ける。
目を見開いた“ガンギマった”ような表情も含め、登場するだけで画面の空気をおかしくしてしまう存在感がある。限られた予算で作られたホラーでは、凝った舞台装置や特殊効果以上に、一目で覚えられるキャラクターが武器になる。本作におけるマザーは、まさにその役割を担っている。
監禁から反撃へ、単純明快な構成
物語は、旅行に出た女性たちが狂気の一家に捕まり、恐怖にさらされた末に反撃を狙うという極めてシンプルなもの。複雑な謎解きや緻密な設定よりも、「どう逃げるのか」「どうやり返すのか」という直接的な興味で最後まで引っ張っていく。
粗雑さや悪趣味さも含め、決して万人向けではない。それでも、コンセプト系のB級ホラーとして必要な異常な一家、監禁、残酷描写、そして終盤の反撃まで一通り揃っている。「このくらいで十分」と割り切って楽しめること自体が、本作らしい味といえる。
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ライター/エディター/映画インスタグラマー。2019年に早稲田大学法学部を卒業。東京都職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)やYouTubeチャンネル「cula 見て聞く映画マガジン(旧:アルテミシネマ)」においても映画や海外ドラマ、音楽といったカルチャーに関する情報レビューを発信している。
