『エイリアン:ロムルス』解説|どんな映画?あらすじ・キャスト・魅力・レビューまとめ

映画『エイリアン:ロムルス』(2024)を紹介&解説。


映画『エイリアン:ロムルス』概要

映画『エイリアン:ロムルス』は、フェデ・アルバレス監督(『ドント・ブリーズ』)が、伝説的SFホラー『エイリアン』シリーズの原点へ立ち返ったサバイバル・スリラー。物語の時系列は『エイリアン』(1979)と『エイリアン2』(1986)の間に位置し、劣悪な鉱山植民地からの脱出を夢見る若者たちが、廃棄された宇宙ステーションで最恐の生命体と遭遇する。主演はケイリー・スピーニー、共演にデヴィッド・ジョンソンアーチー・ルノーイザベラ・メルセドら。

作品情報

日本版タイトル 『エイリアン:ロムルス』
原題 Alien: Romulus
製作年 2024年
本国公開日 2024年8月16日
日本公開日 2024年9月6日
ジャンル SFホラー/スリラー
製作国 アメリカ/イギリス
原作
上映時間 119分
監督 フェデ・アルバレス
脚本 フェデ・アルバレス/ロド・サヤゲス
製作 リドリー・スコット/マイケル・プルス/ウォルター・ヒル
製作総指揮 フェデ・アルバレス/エリザベス・カンティロン/ブレント・オコナー/トム・モラン
撮影 ガロ・オリバレス
編集 ジェイク・ロバーツ
作曲 ベンジャミン・ウォルフィッシュ
出演 ケイリー・スピーニー/デヴィッド・ジョンソン/アーチー・ルノー/イザベラ・メルセド/スパイク・ファーン/エイリーン・ウー
製作 20世紀スタジオ/スコット・フリー・プロダクションズ/ブランディワイン・プロダクションズ
配給 20世紀スタジオ/ウォルト・ディズニー・ジャパン(日本)

あらすじ

ウェイランド・ユタニ社が支配する鉱山植民地で、先の見えない生活を送っているレイン。よりよい世界へ移住するため、彼女は弟同然のアンドロイド・アンディや仲間たちと、軌道上を漂う廃棄宇宙ステーションへ向かう。そこで脱出に必要な装置を手に入れようとするが、施設内には宇宙最恐の生命体が潜んでいた。

主な登場人物(キャスト)

レイン・キャラダイン(ケイリー・スピーニー):劣悪な鉱山植民地ジャクソンズ・スターで暮らす孤児の若者。会社に人生を支配される環境から抜け出し、太陽の見える惑星へ移住することを夢見ている。父が遺したアンディを弟として大切にしている。

アンディ(デヴィッド・ジョンソン):レインの父によって修理され、彼女を守るようプログラムされた旧式のアンドロイド。レインとは姉弟のような関係を築いているが、宇宙ステーションで新たなプログラムを与えられたことで、その人格と優先事項が変化していく。

タイラー(アーチー・ルノー):レインの旧友で、かつての恋人。廃棄された宇宙ステーションから冷凍睡眠装置を持ち出し、仲間たちと別の惑星へ移住する計画を立てる。仲間思いで行動力があり、危険な探索を先導する。

ケイ(イザベラ・メルセド):タイラーの妹。妊娠しており、生まれてくる子どもとともに鉱山植民地を離れることを望んでいる。宇宙ステーション内で仲間とはぐれ、単独で恐怖に直面する。

ビヨン(スパイク・ファーン):タイラーとケイの従兄弟。過去の出来事からアンドロイドを強く嫌っており、アンディに敵意を向ける。感情的で無鉄砲な言動が、探索中の緊張をさらに高めていく。

ナヴァロ(エイリーン・ウー):宇宙船コーベラン号を操縦するパイロットで、ビヨンの義理の姉妹。仲間たちの脱出計画に参加するが、宇宙ステーションに潜んでいた生命体の脅威にさらされる。

作品の魅力解説

歴代作品への敬意と新たな恐怖が共存

『エイリアン:ロムルス』は、シリーズ第1作の閉鎖空間ホラーと『エイリアン2』の武器を用いたサバイバル・アクションを融合させた原点回帰的な作品だ。施設や機械の無骨なデザイン、暗闇から現れるゼノモーフ、限られた空間を利用した追跡劇からは、元祖2作への明確な愛と敬意が伝わってくる。

一方で、荒廃した鉱山植民地には『エイリアン3』のディストピア的な空気が漂い、身体変異をめぐる描写からは『エイリアン4』や『プロメテウス』も思い起こされる。過去作の要素を振り返るだけでなく、それらをひとつの物語へ接続することで、原点回帰であると同時に“シリーズの正統な最新作”と呼べる広がりを獲得した。

観客と同じ目線で恐怖に直面する若者たち

シリーズでは宇宙船の乗組員、軍人、科学者、入植団など、任務を与えられた職業人がエイリアンと対峙する物語が多かった。対して本作の中心となるのは、ウェイランド・ユタニ社に搾取される生活から逃れようとしている若者たちだ。彼らは戦闘や調査の専門家ではなく、自分たちの未来を手に入れるために危険な施設へ足を踏み入れる。

感情の動きがわかりやすいレインと、彼女が弟として愛するアンディの関係が物語の軸となることで、『エイリアン』の世界は遠巻きに眺める仕事人たちのSFから、登場人物と一緒に怖がり、迷い、成長を見届けられる身近なSFホラーへと変化した。犠牲を乗り越えながら、レインがたくましい生存者へ変わっていく過程も大きな見どころとなっている。

実物造形と最新VFXを組み合わせた恐怖演出

フェデ・アルバレス監督は、セット、アニマトロニクス、クリーチャー造形、宇宙船のミニチュアなど、可能な限り実物を用いて撮影。その映像にILMやWētā FXなどによる現代的なVFXを組み合わせ、初期作品の手触りと最新のスケール感を両立させた。

フェイスハガーの集団襲撃や酸性の血液、重力の変化を利用した攻防など、シリーズでおなじみの性質も新しい状況へ応用されている。暗い通路を何かが徘徊する古典的な恐怖から、大量の敵が迫るアクションまで、異なるタイプの恐怖が段階的に押し寄せる構成も巧みだ。

シリーズの時代感を音楽から再構築

音楽を担当したベンジャミン・ウォルフィッシュは、ジェリー・ゴールドスミスによる『エイリアン』やジェームズ・ホーナーによる『エイリアン2』の音楽的遺産を受け継ぎながら、電子音とオーケストラを融合させたスコアを構築している。

『TENET テネット』に象徴されるような尖った電子音を前面に押し出す現代SF映画の音楽とは異なり、本作ではシンフォニックで正統派の旋律が重要な役割を果たす。その響きにはジョン・ウィリアムズ作品にも通じる古典的な映画音楽の高揚感があり、1970~80年代のSF映画に浸っているような懐かしさを生み出す。一方、鋭い効果音や不穏な電子音は、クリーチャーが迫る場面の恐怖を容赦なく加速させていく。

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