クエンティン・タランティーノの映画でのNワード使用を、ロザンナ・アークエットが批判した。
ロザンナ・アークエットが、クエンティン・タランティーノの映画で繰り返し使われてきたNワード(黒人差別用語)について批判的な見解を示した。英紙『サンデー・タイムズ』のインタビューで、アークエットは自身が出演した映画『パルプ・フィクション』(1994)を振り返りながら、タランティーノが作品内でNワードを使うことについて「特別許可」が与えられていると指摘し、その状況を「差別的で気持ち悪い」と語った。
アークエットは『パルプ・フィクション』について「あの映画は象徴的な作品だし、いろんな意味ですばらしい映画だよ」と評価する一方、「でも個人的には、Nワードの使用にはもううんざり。本当に不快」と発言。さらに、「彼(タランティーノ)が特別許可をもらってることが我慢できないよ」と述べたうえで、「Nワードの使用はアートじゃない、ただの差別で気持ち悪いだけ」と批判した。
タランティーノはNワード批判に「別の映画を観に行けばいい」と反論
クエンティン・タランティーノはこれまで、自身の映画におけるNワードの使用をめぐる批判に対して強い姿勢を示してきた。
2022年、テレビ番組『Who’s Talking to Chris Wallace』に出演した際、Nワードや暴力描写に不快感を覚える観客について「だったら別の映画を観に行けばいいんだよ」と語り、「僕の映画に問題を感じるなら、それはあなたのための映画じゃないってこと」と発言。さらに、「どうやら僕は、あなたのために作っていないみたいだね」と述べ、批判に迎合するつもりはないという姿勢を示した。
サミュエル・L・ジャクソンはNワード使用を擁護
サミュエル・L・ジャクソンは長年にわたり、クエンティン・タランティーノの映画におけるNワードの使用を擁護してきた。特に、2012年公開の西部劇『ジャンゴ 繋がれざる者』では劇中でNワードが約110回使用されたことが大きな議論を呼んだ。
2019年のドキュメンタリー『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』のインタビューで、ジャクソンは「『それでも夜は明ける』を例に挙げてみようか。あれはオートゥール(作家)が作ったとされてるよね」と語っている。
そのうえで、「スティーヴ・マックイーンはクエンティンとは全然違う」と比較し、作品によってNワードの扱いに対する評価が変わることに疑問を呈した。さらに、「スティーヴ・マックイーンがNワードを使うのは、システムや人々の思考・感情に芸術的に切り込んでいるからOKで、クエンティンはただ黒板を爪で引っ掻いてるだけだと」という批判的な見方に触れたうえで、「そんなことはないよ」と反論。そして「クエンティンが書くもの、映画の中で人々が話したり感じたり喋ったりすることに、不誠実さなんて一切ないんだよね」と語り、タランティーノの作風を擁護している。
アークエットの発言をきっかけに、クエンティン・タランティーノ作品におけるNワードの扱いをめぐる議論は、改めて注目を集めている。
