韓国で21歳女性がAIを利用した殺人容疑で起訴された。
韓国の21歳の女性が、AIチャットボット「ChatGPT」を利用して致死性のある飲み物を調合し、2人の男性を殺害したとして起訴された。捜査当局は、インターネット検索やAIへの質問履歴から計画性があったとみているという。
2件の死亡事件と殺人未遂の疑い
BBCおよびコリア・ヘラルドの報道によると、姓のみ“キム”と特定されたこの女性は、2月11日に傷害致死の初期容疑で逮捕された。その後、容疑は殺人罪に格上げされている。
警察によると、最初の致死的な攻撃は1月28日に発生した。キムはソウルのカンブク区にあるモーテルで20代の男性と共に訪れ、約2時間後にひとりで立ち去ったという。翌日、その男性は死亡しているところを発見された。
2件目は2月9日に起きたとされる。キムは同様の手口で別の20代の男性と会い、ソウル市内の別のモーテルにチェックインしたとみられている。
当局はさらに、2025年12月にも殺人未遂事件があった可能性を視野に入れている。キムは当時の交際相手にナムヤンジュ市で鎮静剤を混入した飲み物を与え、意識を失わせた疑いがあるという。
ChatGPTへの質問履歴と薬物混合の調査
捜査員が押収したキムのスマートフォンからは、AIチャットボット「ChatGPT」を利用し、処方薬とアルコールを混合した場合の影響について調べていた履歴が見つかったという。
警察によると、キムは「睡眠薬とお酒を一緒に飲んだらどうなる?」「危険になるには何錠必要?」「人を殺せる?」といった質問をチャットボットに投げかけていたとされる。
また、12月の最初の事件以降、キムはベンゾジアゼピン系薬物――脳の活動を抑制するザナックスやバリウムなどの中枢神経抑制薬――を含む薬の量を大幅に増やした飲み物を準備し始めたと警察はみている。
捜査の過程でキムは、自身に処方された鎮静剤を飲み物に混入したことは認めたものの、その量が致死的になるとは知らなかったと主張したという。しかし、ある捜査員はBBCに対し、「薬物をアルコールと一緒に摂取すれば死に至る可能性があることを、彼女は十分に認識していました」と述べている。
警察は、インターネットの検索履歴などから殺意があったと判断し、容疑を殺人罪に格上げした。
動機は未解明 精神鑑定と追加被害の有無を捜査
警察は現時点で殺害の動機を明らかにしていない。キムの容疑は当初の傷害致死から殺人罪へと変更され、捜査は継続している。当局は、これまでに判明している3件以外にも被害者がいないか調査を進めているとし、インターネットの検索履歴や通信記録の分析を続けているという。
裁判の一環として、キムは精神病質の評価を受ける予定であり、その心理的プロフィールを明らかにするための詳細な面談に臨む見通しだ。
また報道によれば、ChatGPTの親会社であるOpenAIは、海外メディアからの取材依頼に対し、現時点で公式なコメントを出していないという。
AIの利用がどのように司法の場で位置づけられるのかも含め、今後の裁判の行方が注目される。
