第78回カンヌ国際映画祭でW受賞を果たしたダルデンヌ兄弟最新作『そして彼女たちは』が、3月27日より公開される。
2度のカンヌ国際映画祭パルムドール大賞受賞をはじめ、世界中で100賞以上を獲得してきたベルギー出身の名匠、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作が、『そして彼女たちは』の邦題で日本公開されることが決定した。
本作は、第78回カンヌ国際映画祭において脚本賞とエキュメニカル審査員賞をW受賞し、第98回アカデミー賞®︎国際長編映画賞のベルギー代表作品にも選出された注目作である。母子支援施設で暮らす5人の少女たちを描いた本作は、キャリア35年以上にして初となる《群像劇》に挑んだ意欲作となっている。
第78回カンヌ国際映画祭でW受賞を果たした最新作
『ロゼッタ』(1999)、『ある子供』(2005)でカンヌ国際映画祭パルムドール大賞を受賞して以降、全作品が同映画祭のコンペティション部門に選出されてきたダルデンヌ兄弟。本作『そして彼女たちは』は、第78回カンヌ国際映画祭にて、『ロルナの祈り』(2008)に続き2度目となる脚本賞を受賞し、さらにエキュメニカル審査員賞とのW受賞を果たした。
キャリア初の群像劇という新たな試みに対し、海外メディアからは「ダルデンヌ兄弟の最高傑作――VARIETY」「初監督作品のような純真さと、予測不能な展開を併せ持つ。――PUBLICO」といった評価も寄せられており、ベルギーを代表する名匠の新境地として注目を集めている。
母子支援施設で暮らす5人の少女たちが選び取るそれぞれの道
物語の舞台となるのは、若くして妊娠した女性を支援する施設である。ここで共に暮らす5人の少女たちは、頼る人を持たず、貧困や暴力など、さまざまな問題を抱えながら日々を送っている。「ひとりじゃ育てられない」「赤ちゃんなんて欲しくなかった」――戸惑いと不安を抱えたまま、彼女たちは“母になる”という現実と向き合っていく。

『そして彼女たちは』より © Les Films du Fleuve – Archipel 35 – The Reunion – France 2 Cinéma – Be Tv & Orange – Proximus – RTBF (Télévision belge)
なるべき家族像を見いだせないまま葛藤する少女たちは、押し寄せる孤独感に飲み込まれそうになりながらも、時に誰かに寄り添われ、それぞれが歩むべき道を選び取っていく。「愛する」ことをのぞむ彼女たちの切なる思いは、母になることの重さと希望を同時に映し出している。
ポスタービジュアルと場面写真が映し出す少女たちのまなざし
今回解禁されたポスタービジュアルには、「愛され方は知らない。でも、愛することはきっとできる――」というコピーとともに、願いを込めるように赤ちゃんを抱える少女の姿が写し出されている。若くして母となった彼女の不安と決意が同時に感じ取れる印象的なビジュアルとなっている。

『そして彼女たちは』 © Les Films du Fleuve – Archipel 35 – The Reunion – France 2 Cinéma – Be Tv & Orange – Proximus – RTBF (Télévision belge)
あわせて公開された場面写真では、母と対峙して何かを訴える様子や、思いつめた表情で赤ちゃんを抱きしめる姿、病床でパートナーの手を取りながら言葉を交わす場面など、5人の少女それぞれが直面する現実が切り取られている。彼女たちの前に立ちはだかる壁の大きさと、その先に待ち受ける未来への問いかけが、静かに提示されている。
母子支援施設で暮らす5人の少女たちの姿を通して、「愛すること」を選び取ろうとする人間のまなざしを描いた『そして彼女たちは』。キャリア35年以上を誇るダルデンヌ兄弟が初めて挑んだ群像劇は、これまでのフィルモグラフィーとは異なる角度から、観る者に静かな問いを投げかける作品となっている。
作品情報
作品名:『そして彼女たちは』
原題:Jeunes Mères
英題:Young Mothers
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演:バベット・ヴェルベーク、エルザ・ウーベン、ジャナイナ・アロワ・フォカン、リュシー・ラリュエル、サミア・イルミ
製作年:2025年
製作国:ベルギー=フランス
上映時間:104分
© Les Films du Fleuve – Archipel 35 – The Reunion – France 2 Cinéma – Be Tv & Orange – Proximus – RTBF (Télévision belge)
配給:ビターズ・エンド
公開日:2026年3月27日
