『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』の制作の裏側を明かす特別映像が解禁され、パフォーマンスキャプチャの秘密が語られた。
全世界歴代興行収入ランキング第1位に輝く『アバター』(09)をはじめ、映画史に名を刻む作品を生み出してきたジェームズ・キャメロン監督。その最新作であり、シリーズ第一章の完結編となる『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』が、12月19日(金)より大ヒット公開中である。神秘の星パンドラを舞台に、先住民ナヴィと人類の対立、そして家族の絆を描いてきた本シリーズは、本作でも強い感情表現と圧倒的な映像体験で観客を惹きつけている。
この度、そんな本作の“心震えるドラマ”を支える制作の裏側に迫る特別映像が解禁された。俳優の演技を余すことなく映像に反映するパフォーマンスキャプチャ技術を通して、キャストと監督がどのように物語を作り上げていったのかが明かされている。
【動画】パフォーマンスキャプチャの制作現場に迫る特別映像
“心震えるドラマ”を生み出すパフォーマンスキャプチャの核心
本作のドラマ性を支える重要な要素が、俳優の身体の動きや表情、指先の繊細なニュアンスまでをデジタルデータとして記録するパフォーマンスキャプチャ技術である。キャメロン監督は本作の制作において、生身の俳優による感情豊かな演技と最先端技術を融合させることに強いこだわりを持っていた。
この技術について、ジェームズ・キャメロンは次のように語っている。
「俳優たちが何をしているのか、彼らがどれだけ献身的に情熱を注いでいるのか、実写作品と同じくらい心血を注いで役作りしている姿を、観客に見せなきゃいけないと思った」
さらに、パフォーマンスキャプチャによる演技を「最も純粋な形の映画演技」と位置づけ、AIに依存するのではなく、人間の想像力と表現力こそが創造の源であると強調する。解禁された映像では、こうした思想のもとで行われた撮影の様子や、これまで明かされてこなかった制作現場の舞台裏が映し出されていく。
キャストが語る“登場人物そのものになれる”演技体験
パフォーマンスキャプチャによる撮影現場は、俳優たちにとっても特別な演技体験の場となったようだ。主人公ジェイクの養子である14歳の少女・キリを演じたシガーニー・ウィーバーは、役への没入感について次のように振り返っている。
「スーツを着ることで、登場人物そのものになれて、物語に深く入り込めるの。だから身を委ねるだけで、シーンがひとりでに動き出すんです」
さらに、制限があるはずの環境でありながら、かえって自由に演技ができたと語り、「こんなに制限なく演技ができる環境は初めてよ。ご褒美みたいだわ」と、その撮影体験の特異性を明かしている。
ジェイクたちに襲い掛かるアッシュ族のヴァランを演じたウーナ・チャップリンもまた、パフォーマンスキャプチャでの演技を演劇的な原点に重ねる。
「演劇学校を思い出しました。イスと自分しかいない空間であらゆるものを表現する」
想像力を頼りに全身で演じるこの手法は、俳優自身の身体表現をより強く引き出すものだったという。
そして、ジェイクの妻ネイティリを演じるゾーイ・サルダナは、本作への参加を通じて、演技そのものを見つめ直していると語る。
「これまでにない教育を受けている感覚よ。『アバター』の一員となり、最新技術の中で演じることで、演技、演劇、芸術について学び直しています」
俳優たちの言葉からは、最先端技術に支えられながらも、作品の核にあるのが“人間の表現”であることが浮かび上がる。彼女たちの生身の演技が、ナヴィたちに確かな感情と説得力を与え、物語をより深いドラマへと導いている。
家族の喪失と絆を描く、シリーズ完結編の物語
『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』では、これまでのシリーズで描かれてきた壮大な世界観や戦いに加え、家族の喪失と再生というテーマが物語の中心に据えられている。劇中では、長男を失ったジェイクとその家族が深い悲しみを抱えながらも、神秘の星パンドラを守るために再び立ち上がる姿が描かれる。
パフォーマンスキャプチャによって俳優たちの感情が繊細に映し出されることで、キャラクターたちの内面はよりリアルなものとして観客に伝わっていく。ナヴィの表情や仕草に宿る感情は、映像技術の進化だけでなく、人間の演技力によって支えられていることが、本作を通して明確に示されている。
本作は、先日発表された第83回ゴールデングローブ賞において、世界的アーティストのマイリー・サイラスが歌うエンドソング「Dream As One」が主題歌賞にノミネートされたほか、興行成績賞にもノミネートされるなど、その成功とスケールが評価されている。また、ナショナル・ボード・オブ・レビューでは“年間トップ映画10作品”に選出され、クリティクス・チョイス・アワードでは視覚効果賞へのノミネートも果たした。
シリーズ第一章の完結編として、技術と人間の表現が融合した映画体験を提示する『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』。特別映像で明かされた制作の裏側とともに、その世界と物語を劇場のスクリーンで体感したい。
