映画『陽だまりの歌が聴こえる』(2025)を紹介&解説。
映画『陽だまりの歌が聴こえる』概要
映画『陽だまりの歌が聴こえる』は、ギャビン・リン監督(『悲しみより、もっと悲しい物語』)が、台湾の女子刑務所を舞台に、歌を通して絆を深める女性受刑者たちの姿を描くヒューマンドラマ。獄中で娘を出産した母親が、娘との別れを前に合唱団の結成を決意する。2010年の韓国映画『ハーモニー 心をつなぐ歌』を台湾でリメイクした作品で、台湾映画の歴代興行収入記録を更新する大ヒットを記録した。主演はアイビー・チェン、共演にジュディ・オング、スン・シューメイ、アンバー・アン、チョン・シンリンら。2026年の第39回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門に選出された。
作品情報
| 日本版タイトル | 『陽だまりの歌が聴こえる』 |
|---|---|
| 原題 | 陽光女子合唱團/Sunshine Women’s Choir(英題) |
| 製作年 | 2025年 |
| 本国公開日 | 2025年12月31日(台湾) |
| 日本公開日 | 2027年1月1日 |
| ジャンル | ドラマ/音楽 |
| 製作国 | 台湾 |
| 原作 | 『ハーモニー 心をつなぐ歌』(2010年・韓国映画) |
| 上映時間 | 134分 |
| 監督 | ギャビン・リン |
|---|---|
| 脚本 | ヘンリー・ルー(エルメス・ルー) |
| 製作 | リウ・ウェイラン |
| 撮影 | 趙冠衡 |
| 編集 | 林承忻 |
| 作曲 | ジョージ・チェン/アニー・ロー |
| 出演 | アイビー・チェン/ジュディ・オング/スン・シューメイ/アンバー・アン/チョン・シンリン/ホー・マンシー/ミャオ・クーリー/アニー・チェン |
| 製作 | スター・ジェネレーション・カルチャー&エンターテインメント ほか |
| 配給 | 壹壹喜喜電影(台湾)/ギグリーボックス、コムストック・プラス(日本) |
あらすじ
台湾の女子刑務所。夫を誤って殺害した罪で服役するフイジェンは、獄中で娘ユンシーを出産する。刑務所という閉ざされた環境ながら、ユーインおばあちゃん、アーペイ、アーランら仲間たちに支えられ、娘は愛情に包まれて育っていた。
しかし、ユンシーの目に病気が見つかり、適切な治療を受けさせるためには養子に出す必要があることが判明する。娘との別れを迫られたフイジェンは、せめて母親の声を記憶に残してほしいと願い、刑務所内で合唱団を結成することを思いつく。
それぞれに傷ついた過去を持ち、時に衝突する女性たち。歌の経験も技術も異なる彼女たちは、ひとつの歌声を響かせることができるのか。
主な登場人物(キャスト)
フイジェン(アイビー・チェン):夫を誤って殺害し、服役中に娘ユンシーを出産した女性。娘の病気と別れに直面し、愛情を伝えるために合唱団の結成を決意する。
ユーイン(ジュディ・オング):受刑者仲間から慕われる年長の女性。つらい過去を抱えながらも、合唱団の指揮を担当し、仲間たちを支える。
ヨウシン(ホー・マンシー):新たに刑務所へやってきた反抗的な若い女性。周囲と衝突を繰り返すが、仲間たちとの交流を通して関係が変化していく。
アーペイ(スン・シューメイ)、アーラン(アンバー・アン)、メイリー(チョン・シンリン):フイジェンと同じ刑務所で暮らす受刑者。
作品の魅力解説
母と娘の愛情を描く、歌声のヒューマンドラマ
本作の中心にあるのは、刑務所という特殊な環境で育まれる母と娘の愛情だ。主人公フイジェンは、娘を救うために手放さなければならないという過酷な選択を迫られる。
そんな母親が娘に贈ろうとするのは、高価な品物でも特別な体験でもなく、自分自身の歌声だ。たとえ離れて暮らすことになっても、声を通じて愛情を届けたい。母親の切実な願いが、合唱団の結成という行動につながっていく。
それぞれの過去を背負った女性たちの連帯
登場する女性たちは、それぞれ異なる事情で刑務所に収容されている。罪を犯したという共通点を持ちながらも、年齢や性格、歩んできた人生は大きく異なる。
物語は、彼女たちの対立や葛藤を織り交ぜながら、互いの痛みを理解し、連帯していく過程を描く。歌を合わせるという行為そのものが、他者を受け入れ、再び誰かを信じることの象徴となっている。
台湾映画の興行記録を塗り替えた話題作
監督を務めるギャビン・リンは、『悲しみより、もっと悲しい物語』でも知られる台湾の映画監督。今回は韓国映画『ハーモニー 心をつなぐ歌』を下敷きに、台湾独自の人物設定や社会的背景を取り入れた。
アイビー・チェンやチョン・シンリンら台湾の実力派俳優に加え、ジュディ・オングが長年のブランクを経て台湾映画に出演したことも注目を集めた。
本国では口コミを通じて観客を増やし、台湾映画史上最高の興行収入を記録。家族愛や友情、再生という普遍的な題材が、国や文化の違いを超えてどのように響くのかも見どころとなる。
