ジェニファー・ローレンス主演『Die, My Love』カンヌで6分間のスタンディングオベーション - 産後うつ描く衝撃作 ! 観客席から悲鳴も
ジェニファー・ローレンスとロバート・パティンソンが産後うつに苦しむ夫婦を熱演し、カンヌ映画祭で大きな反響。
2025年5月18日、スコットランド出身の名匠リン・ラムジー監督による最新作『Die, My Love(原題)』がカンヌ国際映画祭でワールドプレミアを迎えた。産後うつからサイコーシス(精神病)に陥る新米母親を描いたこの作品は、6分間のスタンディングオベーションを受けるという大きな成功を収めた。オスカー女優ローレンスの自傷行為のシーンに観客が声を上げる場面もあり、その衝撃的な描写と演技力が注目を集めている。
リン・ラムジー監督、感動のあまり上映会場から走り去る
観客からの熱烈な拍手が続く中、ラムジー監督は感情を抑えきれず、自らのスタンディングオベーションを短く切り上げる一幕も。「すごい。本当に圧倒されています。このすばらしい俳優たちに感謝します。少し落ち着かせてください、すぐに戻ってきますから」と言い残し、会場の通路を駆け上がって出て行ったという。
『Die, My Love(原題)』は、アルゼンチンの作家アリアナ・ハーウィッツの2017年の同名小説を原作としている。出産後にうつ病を発症し、次第に精神疾患へと症状が悪化していく新米母親を中心としたストーリーだ。オスカー受賞女優のローレンスがその母親役を、『トワイライト』シリーズで知られるパティンソンが彼女の夫役を演じている。妻の精神状態の悪化により、夫婦の結婚生活は徐々に崩壊していく様子が描かれる。
カンヌの観客は、ローレンスが演じる自傷行為のシーン―鏡に頭を打ち付けたり、ガラス窓を体ごと突き破ったり、指から血が出るまで壁を引っかいたりするシーン―に衝撃を受け、思わず身をすくめる反応を示した。精神的に限界状態に追い込まれた女性を描いたラムジー監督の緊迫感あふれる作品の中で、ローレンスとパティンソンは互いに口論し、抱き合いながら感情的な破滅へと向かう姿が強烈に描かれている。
8年ぶりの新作でカンヌコンペティション部門に出品
ラムジー監督はカンヌ映画祭の常連監督で、これまでに手がけた5本の長編映画がすべてこの映画祭で初上映されてきた。1999年のデビュー作『ボクと空と麦畑』はカンヌの「ある視点」部門でプレミア上映され、その後イギリスのアカデミー賞にあたるBAFTAで新人監督賞を受賞。2002年には『モーヴァン』でカンヌのディレクターズ・フォートナイト部門に参加した。2011年に『少年は残酷な弓を射る』でカンヌのメインコンペティション部門に初めて選出され、2017年には『ビューティフル・デイ』で再びコンペティションに参加。この作品は脚本賞と主演のホアキン・フェニックスが男優賞を受賞している。『Die, My Love(原題)』は、ラムジー監督にとって8年ぶりとなる新作長編映画である。
プロデューサーとしても活躍するローレンスは、2023年のカンヌ映画祭にはドキュメンタリー映画『ブレッド&ローズ』のプロデューサーとして参加しており、これまでヴェネツィア映画祭(『マザー!』)やトロント国際映画祭(『世界にひとつのプレイブック』で主演女優オスカーを獲得)などで作品を発表してきた実力派女優だが、ラムジー監督の今作が彼女にとって初めてのカンヌコンペティション部門への出演作出品となる。一方のパティンソンはカンヌの常連俳優で、『Die, My Love(原題)』は『グッド・タイム』『マップ・トゥ・ザ・スターズ』『ライトハウス』などに続くカンヌでのプレミア作品となっている。
キャスト陣も豪華、米国配給は未定
ラムジー監督の今作には、主演のローレンスとパティンソンに加え、『ユダ&ブラック・メシア』のラキース・スタンフィールド、『キャリー』のシシー・スペイセク、『白い刻印 アフリクション』のニック・ノルティなど豪華な脇役陣も参加している。現時点ではアメリカでの配給会社は決まっていないが、カンヌ映画祭では間違いなく大きな注目を集める作品になると予想されている。
『Die, My Love(原題)』はカンヌ映画祭のコンペティション部門で上映され、最高賞であるパルム・ドール(金椰子賞)の獲得を目指している。産後うつから始まり、次第に精神的な混乱へと陥っていく女性の苦悩を描いた本作は、その衝撃的な映像表現と俳優陣の迫真の演技で観客を圧倒し、今後の一般公開に向けて大きな期待を集めている。ローレンスとパティンソンという2人のハリウッドスターの共演も話題を呼び、彼らが見せる「動物的な狂気への下降」は、映画ファンのみならず多くの観客の心に強く刻まれることだろう。
