「SSFF & ASIA 秋の国際短編映画祭」が開催中。オンラインで現在(〜11月7日まで)鑑賞できる作品から、いくつか印象的な作品をピックアップして紹介する(随時更新)。
気になっている方はぜひ、オンライン会場で興味のある作品を楽しんでいただきたい。
注目作品ピックアップ・レビュー
『負の空白』(15分/韓国/監督:Jeonghui An)

<概要>
29歳のジウォンは、もう3年以上も職を探している。彼女には負の空白が2つある。履歴書の空白と自分の人生の空白である。面接当日、ジウォンは不安でたまらなくなる。(公式サイトより)
<注目ポイント>
他人から圧をかけられ、ジャッジされる“就活”という経験は、誰にとっても心地の良いものではない。ストレスフルな状況をリアルに描き共感させるとともに、ジウォンが抱える別の悲しみも説明しすぎずに仄めかしている。一方でVlogのような撮影構図・映像の色味は韓国作品らしくておしゃれ。
『メイシーとの時間』(18分/イギリス/監督:ミカ・シモンズ)

© French Fancy Productions Ltd 2023
<概要>
神経質なミセスフォスターはガンの治療で化学療法を受け始めるが、処置室で興味津々な旋風のような「夢はレズビアンになること」と語る少女メイシーと鉢合わせる。治療が進むにつれ、2人の間には思いがけない絆が生まれ始め癒しと希望をもたらす。(公式サイトより)
<注目ポイント>
気難しく他人の意見を受け入れなさそうな高齢女性フォスターと、好き放題意見を口にする少女メイシー。対照的な彼女たちの共通点は、ガン患者であること。悲しく切ないエモーショナルな瞬間もありつつ、人と人とが交流することの温かさと、その大きな価値、そしてそこに年齢や考えの違いは関係ないことに気づかせてくれる作品だ。18分、同じ部屋を舞台にし続けながら、確実に心を掴む1作。
『せん』(23分/日本/監督:森崎ウィン)

<概要>
田舎暮らしをするおばあさんのいつもの一日が始まる。ちゃぶ台で役場の若者と朝食をとり。縁側で配達員とお茶飲み話をする。そんないつもと変わらない日常に、微細な不協和音が聞こえてくる。(公式サイトより)
<注目ポイント>
ハリウッド映画『レディ・プレイヤー1』から日本映画『蜜蜂と遠雷』まで幅広く活躍する俳優・森崎ウィンが監督を務めた短編。「何も変わらない」とおばあさんが歌う単調な日常。しかし自分ひとりベースなら「変わらない」日々の外で、今日も何かが起きていることがラジオの音声からもわかる。見たくないものを見ない、聞きたくないものを聞かない我々を静かに諭すような作風は、今年日本でも公開されて話題になった映画『関心領域』を思い出させる。
『風の音に悩まされる』(13分/カナダ/監督:Xavier Tera)

<概要>
家族を悲劇的に失った後、ユキはゆっくりとした癒しの旅に出ます。鮮明な夢と、現実と幻想の境界を曖昧にする謎めいた出会いを通じて、彼女は自分自身を再発見していきます。(公式サイトより)
<注目ポイント>
『パシフィック・リム』シリーズなどでも活躍する菊地凛子主演。映像の質感やモノクロな色合い、タイトルコールなど、強くノスタルジックにさせる作風が特徴的で、過去の出来事から前に進めていない感覚が強調されているように思える。白黒の映像と、強迫観念に駆られて虫を目で追うといった描写は、クリストファー・ノーラン監督初期の短編『doodlebug(原題)』を思い起こさせた。
『Satomi』(12分/日本・アメリカ/監督:Rayner Wang)
<概要>
完璧なパフォーマーの素質をもっているMayumiの唯一の問題は舞台が怖いということだ。タレントショーのオーディションに失敗した後、大好きなアイドルと思いがけず出会う。そのアイドルとはなんと生きているアニメだった。20世紀末に起こるある内気な女の子の魅惑的な物語。(公式サイトより)
<注目ポイント>
『ロジャー・ラビット』や映画版『トムとジェリー』のように、アニメーションが現実世界に飛び出し、人々に干渉するというコンセプトがワクワクさせてくれる1作。Vtuberや顔を明かさないシンガーも活躍する今、こういった“2.5次元”を感じさせる作品はもはや「ファンタジー」でもないように思えてくる。
『ヤマアラシのジレンマ』(16分/ポーランド/監督:Mateusz Rybinski)
<概要>
この映画は全編手話で構成されている。作品の舞台は、依存症に悩むろう者の若者向けのリハビリ施設。新患の主人公は長期入院者に惹かれていることに気が付き、治療中に2人の絆を深めようと奮闘する。(公式サイトより)
<注目ポイント>
文字通りの「全編手話のみ」であり、字幕すらも表示されないのが特徴の今作。“声や、そのトーン・抑揚”といった我々が普段用いているコミュニケーションツールがないことは“制限”にも感じられるが、驚くほど主人公の感情や、心のやりとりは伝わってくる。我々はが普段、音・言葉だけでなく、目線や表情、相手の感情の汲み取りといった些細な要素を通して交流していることを実感させられる。「近づけば近づくほど傷つけてしまう」ということを恐れる“ヤマアラシのジレンマ”が、タイトルにぴったりの内容にも注目。
ほかにも多数の短編作品が配信中。この機会をお見逃しなく!
「SSFF & ASIA 2024 秋の国際短編映画祭」イベント開催情報
<オンライン会場>
オンライン・グランドシアター:9月26日(木)〜11月7日(木)
オンラインサテライト会場(ブリリア ショートショートシアター オンライン):9月18日(水)から6週に渡り「SSFF & ASIA 2024セレクション」を配信
<上映・イベント会場(※終了)>
赤坂インターシティ コンファレンス:10月17日(木)
ユーロライブ:10月22日(火)〜24日(木)
東京都写真美術館 ホール:10月25日(金)〜26日(土)
ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場:10月27日(日)
サテライト会場 : 東京ミッドタウン日比谷 日比谷シネマフェスティバル 10月11日(金)~27日(日) ※プログラムにより上映開始時間が異なります。ウェブサイトにてご確認ください。
<チケット>
【無料】
・東京都写真美術館ホールでの上映、イベント
・MILBONイベント、東京都セミナー
・日比谷シネマフェスティバルでの上映
・ブリリア ショートショートシアター オンラインでの配信
【オンライン会場】
国内:2000円/海外:12USD
【上映会場 前売り(※終了)】
一般:1,500円 ※ペア割あり/学生・シニア(60歳以上)・障がい者割引:1,200円/未就学児(小学生未満):無料
【上映会場 当日券(※終了)】
一般:1,800円/学生・シニア(60歳以上)・障がい者割引:1,500円/未就学児(小学生未満):無料
