短編映画『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』(2013)を紹介&解説。
映画『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』概要
映画『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』は、ディズニー&ピクサーの人気シリーズ『トイ・ストーリー』から生まれた短編テレビスペシャル。『トイ・ストーリー3』後の世界を舞台に、ボニーの家族旅行中に立ち寄ったモーテルで、ウッディ、バズ、ジェシーらおもちゃたちが不気味な事件に巻き込まれていく。ホラー映画の“お約束”を遊び心たっぷりに取り入れながら、ジェシーの恐怖心と成長を描く、スリルとユーモアに満ちたアニメーション作品である。監督・脚本はアンガス・マクレーン。声の出演にはトム・ハンクス、ティム・アレン、ジョーン・キューザック、カール・ウェザースらが名を連ねる。
作品情報
日本版タイトル:『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』
原題:Toy Story of Terror!
製作年:2013年
本国公開日:2013年10月16日(米ABC初回放送)
日本公開日:劇場公開なし(2015年7月2日 Blu-ray/DVD発売・デジタル配信開始)
ジャンル:アニメーション/アドベンチャー/コメディ/ホラー
製作国:アメリカ
原作:『トイ・ストーリー』シリーズ
上映時間:約22分
監督:アンガス・マクレーン
脚本:アンガス・マクレーン
製作:ギャリン・サスマン
製作総指揮:ジョン・ラセター/アンドリュー・スタントン
編集:アクセル・ゲッデス
作曲:マイケル・ジアッキーノ
出演:トム・ハンクス/ティム・アレン/ジョーン・キューザック/カール・ウェザース/スティーブン・トボロウスキー/ティモシー・ダルトン/ドン・リックルズ/ウォーレス・ショーン/クリステン・シャール
日本語吹替:唐沢寿明/所ジョージ
製作:ピクサー・アニメーション・スタジオ/ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
放送:ABC(アメリカ)
発売・配信:ウォルト・ディズニー・ジャパン(日本)
あらすじ
ボニーの祖母の家へ向かう車のトランクの中で、ウッディ、バズ、ジェシーたちはホラー映画を楽しんでいた。ところが、道中で車がパンクし、ボニーと母親は一晩だけモーテルに泊まることになる。夜になり、ミスター・ポテトヘッドをはじめとする仲間たちは部屋の外へ出ていくが、やがてひとり、またひとりと姿を消してしまう。残されたジェシーは、自身の恐怖心と向き合いながら、仲間たちを救うために謎めいたモーテルの中へ踏み出していく。
主な登場人物(キャスト)
ウッディ(トム・ハンクス/日本語吹替:唐沢寿明):カウボーイ人形で、シリーズを代表するおもちゃのひとり。仲間思いで責任感が強く、モーテルで起きる異変にも冷静に向き合おうとする。
バズ・ライトイヤー(ティム・アレン/日本語吹替:所ジョージ):スペースレンジャーのおもちゃ。ウッディやジェシーとともに、姿を消した仲間たちを探すため、夜のモーテルで行動する。
ジェシー(ジョーン・キューザック):カウガール人形。本作の中心人物で、閉所への恐怖を抱えながらも、仲間を救うために勇気を振り絞る。ホラー的な展開の中で、彼女の成長が物語の大きな軸となる。
ミスター・ポテトヘッド(ドン・リックルズ):仲間たちの中で最初にモーテルの外へ出ていくおもちゃ。彼の失踪をきっかけに、ウッディたちは奇妙な事件へ巻き込まれていく。
ミスター・プリックルパンツ(ティモシー・ダルトン):演劇好きなハリネズミのぬいぐるみ。ホラー映画の展開を解説するような役割も担い、物語にメタ的なユーモアを添える。
コンバット・カール(カール・ウェザース):モーテルで出会う頼もしいアクションフィギュア。ジェシーに助言を与え、彼女が恐怖を乗り越えるうえで重要な存在となる。
ロン(スティーブン・トボロウスキー):モーテルの支配人。おもちゃたちが次々と姿を消していく事件に関わる人物で、物語のミステリー要素を強める役割を担う。
作品の魅力解説
『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』の魅力は、シリーズらしい友情と冒険を保ちながら、ホラー映画の文法をファミリー向けに軽やかにアレンジしている点にある。薄暗いモーテル、消えていく仲間、正体の見えない脅威といった要素はスリラー的だが、過度に怖くなりすぎず、ユーモアとテンポのよさで親しみやすい短編に仕上がっている。
物語の中心に置かれるのは、ウッディやバズではなくジェシーである。『トイ・ストーリー2』以降、彼女が抱えてきた“閉じ込められること”への恐怖が、本作ではアクションとサスペンスの中で再び描かれる。短い上映時間ながら、ジェシーが自分の弱さを受け入れ、仲間のために一歩を踏み出す展開には、シリーズらしい感情の厚みがある。
また、本作は『トイ・ストーリー3』後の世界を描くスピンオフとしても楽しめる。アンディからボニーへと持ち主が変わった後のおもちゃたちが、新たな日常の中でどのように冒険を続けているのかが描かれ、長編映画の余韻を補完する役割も果たしている。
さらに、コンバット・カールの登場も見どころのひとつ。カール・ウェザースが声を担当するこのキャラクターは、アクション映画的な頼もしさとコミカルさをあわせ持ち、ジェシーの成長を支える存在として印象を残す。シリーズファンにとっては、短編ながらキャラクターの魅力と遊び心が凝縮された一作である。
