ジャック・ザ・リッパーは、1888年にイギリス・ロンドン東部のホワイトチャペル周辺で発生した連続殺人事件の犯人に付けられた通称。日本では「切り裂きジャック」の名でも広く知られる。
正体は現在まで特定されておらず、一般にメアリー・アン・ニコルズ、アニー・チャップマン、エリザベス・ストライド、キャサリン・エドウズ、メアリー・ジェーン・ケリーの5人を殺害した人物と考えられている。ヴィクトリア朝ロンドンを代表する未解決事件として後世の犯罪研究や大衆文化に大きな影響を与え、映画やドラマ、小説などで繰り返し題材となっている。
ジャック・ザ・リッパー プロフィール(基本情報)
名前:ジャック・ザ・リッパー(Jack the Ripper/切り裂きジャック)
本名:不明
生年月日:不明
活動時期:1888年8月〜11月ごろ
活動地域:イギリス|ロンドン・ホワイトチャペル周辺
職業:不明
関連事件:ホワイトチャペル殺人事件
主な被害者:メアリー・アン・ニコルズ、アニー・チャップマン、エリザベス・ストライド、キャサリン・エドウズ、メアリー・ジェーン・ケリー
代表的な映像化作品:『下宿人』、『タイム・アフター・タイム』、『切り裂きジャック』、『フロム・ヘル』
・1888年、ロンドン東部のホワイトチャペル周辺で女性が相次いで殺害された。ホワイトチャペル殺人事件として扱われた複数の事件のうち、メアリー・アン・ニコルズ、アニー・チャップマン、エリザベス・ストライド、キャサリン・エドウズ、メアリー・ジェーン・ケリーの5人は、一般に同一犯による犯行と考えられ、「カノニカル・ファイブ」と呼ばれている。
・犯人は当初「ホワイトチャペルの殺人者」などと呼ばれていたが、1888年9月にロンドンの通信社へ送られた「Dear Boss」と呼ばれる手紙に「Jack the Ripper」と署名されていたことから、この呼称が広く知られるようになった。ただし、この手紙を実際の犯人が書いたことを示す確実な証拠はない。
・警察や新聞社には犯人を名乗る大量の手紙が届けられたが、その多くはいたずらや模倣と考えられている。大規模な捜査が行われたものの犯人は逮捕されず、正体も特定されないまま事件は未解決となった。
・アーロン・コスミンスキー、モンタギュー・ジョン・ドルイットをはじめ、長年にわたって多数の人物が犯人候補として挙げられてきた。後世には新たな資料やDNA鑑定を根拠とする説も発表されているが、ジャック・ザ・リッパーの正体について決定的な学術的・捜査上の合意には至っていない。
・未解決事件としての謎、ヴィクトリア朝ロンドンの社会状況、新聞報道によって形成された殺人鬼像などから、事件後100年以上にわたって世界的な関心を集め続けている。事件を研究する分野や愛好家は「リッパロロジー」とも呼ばれ、映画、ドラマ、小説、コミックなど数多くのフィクションにも影響を与えた。
ジャック・ザ・リッパーを題材・モデルにした作品一覧
映画
- 『下宿人』(1926):アルフレッド・ヒッチコック監督。切り裂きジャック事件に着想を得たマリー・ベロック=ローンズの小説を映画化したサスペンス
- 『パンドラの箱』(1929):物語終盤にジャック・ザ・リッパーが登場し、主人公ルルと遭遇する
- 『謎の下宿人』(1944):マリー・ベロック=ローンズの小説を再映画化。謎めいた下宿人スレイドを切り裂きジャックとして描く
- 『屋根裏部屋の男』(1953):『下宿人』の原作を再映画化した作品。ジャック・パランスが切り裂きジャックを思わせる下宿人スレイドを演じる
- 『霧の夜の戦慄』(1960):切り裂きジャックによる連続殺人事件を題材にしたサスペンス・ホラー
- 『A Study in Terror(原題)』(1965):シャーロック・ホームズとワトソンが切り裂きジャック事件の謎を追うミステリー
- 『ハンズ・オブ・ザ・リッパー』(1971):切り裂きジャックの娘という設定の女性を主人公にしたハマー・フィルム製作のホラー
- 『柔肌』(1976):ジェス・フランコ監督。クラウス・キンスキーが切り裂きジャックとして描かれる殺人医師を演じた
- 『タイム・アフター・タイム』(1979):H・G・ウェルズのタイムマシンを使って現代へ逃亡した切り裂きジャックを、ウェルズ自身が追跡するSFサスペンス
- 『名探偵ホームズ/黒馬車の影』(1979):シャーロック・ホームズとワトソンが切り裂きジャック事件を捜査するミステリー
- 『フロム・ヘル』(2001):アラン・ムーアとエディ・キャンベルによるグラフィックノベルを原作に、ホワイトチャペル殺人事件と切り裂きジャックの正体を独自の解釈で描く
- 『バットマン:ゴッサム・バイ・ガスライト』(2018):ヴィクトリア朝風のゴッサムを舞台に、バットマンと切り裂きジャックの対決を描くアニメーション映画
ドラマ/シリーズ
- 『切り裂きジャック』(1988):マイケル・ケイン主演。事件発生100周年にあわせて製作され、フレデリック・アバーライン警部による捜査を軸にホワイトチャペル殺人事件を描いたテレビ・ミニシリーズ
- 『ホワイトチャペル 終わりなき殺意』(2009):現代のホワイトチャペルで、1888年の切り裂きジャック事件を再現するような連続殺人が発生する犯罪ドラマ
- 『リッパー・ストリート』(2012〜2016):切り裂きジャックによる最後の主要事件から約半年後のホワイトチャペルを舞台に、警察官たちの捜査を描く犯罪ドラマ
- 『タイム・アフター・タイム ~H・G・ウェルズの冒険』(2017):映画『タイム・アフター・タイム』と同じ原作をテレビシリーズ化。H・G・ウェルズがタイムマシンで現代へ逃げた切り裂きジャックを追う
