アイリーン・ウォーノスは、アメリカ出身の連続殺人犯。
1989年から1990年にかけてフロリダ州で男性7人を殺害したことで知られ、うち6件の第一級殺人で有罪判決を受けた。過酷な生い立ちやセックスワーカーとしての生活、犯行をめぐる自己防衛の主張と変遷する供述などから、アメリカ犯罪史で特に広く知られる女性連続殺人犯の一人となり、『モンスター』をはじめ数多くの映画、ドラマ、ドキュメンタリーで題材にされている。
アイリーン・ウォーノス プロフィール(基本情報)
名前:アイリーン・ウォーノス(Aileen Wuornos/Aileen Carol Wuornos/出生名 Aileen Carol Pittman)
生年月日:1956年2月29日
没年月日:2002年10月9日(46歳没)
出身地:アメリカ|ミシガン州ロチェスター
職業:セックスワーカー
犯罪:連続殺人(第一級殺人6件で有罪)
刑罰:死刑(薬物注射により執行)
題材となった代表作:『モンスター』、『シリアル・キラー・アイリーン 「モンスター」と呼ばれた女』、『アイリーン: シリアルキラーの数奇な人生』
・1956年にミシガン州ロチェスターで生まれる。両親は出生前に離婚しており、母親が幼いアイリーンと兄キースを置いて家を離れた後、母方の祖父母に養子として引き取られ、同州トロイで育った。
・幼少期から家庭環境は不安定で、本人は後年、身体的・性的虐待を受けたと証言している。10代で妊娠し、1971年に男児を出産したが子供は養子に出され、その後は学校を中退。家を離れ、各地を転々としながら主にセックスワーカーとして生活するようになった。
・1976年、フロリダ州で裕福なヨットクラブ会長ルイス・グラッツ・フェルと結婚。フェルは約50歳年上で、結婚生活は数週間ほどで破綻し、同年中に離婚した。この時期を大幅に脚色して描いた作品として、後に『Aileen Wuornos: American Boogeywoman(原題)』が製作されている。
・1986年、フロリダ州デイトナのバーでタイリア・ムーアと出会い、約4年半にわたって交際・同居。ムーアが清掃員などとして働く一方、ウォーノスはフロリダ州の幹線道路沿いでセックスワーカーとして働いていた。
・1989年11月から1990年11月にかけて、フロリダ州各地で男性7人を銃撃して殺害したとされる。ウォーノスは当初、客から強姦または暴行を受けた、あるいは受けそうになったため自己防衛として殺害したと主張したが、その後の供述では強盗目的だったとするなど説明を変えており、動機をめぐる証言は一貫していない。
・1991年1月9日、フロリダ州ポートオレンジのバーで逮捕された。警察に協力したムーアとの電話を通じて犯行を認め、最終的に7人の殺害を告白。被害者とされるピーター・シームズの遺体は発見されなかったため、殺人罪で有罪となったのは6件だった。
・1992年にリチャード・マロリー殺害事件で第一級殺人の有罪判決と死刑判決を受け、その後ほかの殺人事件についても有罪となり、計6件の死刑判決を受けた。
・2002年10月9日、フロリダ州で薬物注射による死刑が執行された。46歳だった。
・事件は犯罪そのものだけでなく、ウォーノスの生い立ち、ジェンダー、セックスワーク、自己防衛の主張、裁判とメディア報道などさまざまな観点から論じられ、多数の映像作品の題材となった。2003年の『モンスター』ではシャーリーズ・セロンがウォーノスを演じ、第76回アカデミー賞主演女優賞を受賞している。
アイリーン・ウォーノスを題材・モデルにした作品一覧
映画・テレビドラマ
- 『Overkill: The Aileen Wuornos Story(原題)』(1992):ウォーノス事件を題材にしたテレビ映画。ジーン・スマートがアイリーン・ウォーノスを演じる
- 『モンスター』(2003):ウォーノスと恋人タイリア・ムーアの関係や連続殺人事件を題材にした伝記映画。シャーリーズ・セロンがウォーノスを演じ、クリスティナ・リッチ演じるセルビー・ウォールはムーアをモデルにしている
- 『アメリカン・ホラー・ストーリー:ホテル』(2015):実在の殺人犯たちが集うエピソードなどに、ウォーノスをモデルにしたキャラクターが登場。リリー・レーブが演じる
- 『Aileen Wuornos: American Boogeywoman(原題)』(2021):1976年のウォーノスとルイス・フェルの結婚を下敷きに、大幅なフィクションを加えて若き日のウォーノスを描く。ペイトン・リストが主演
- 『モンスター: リジー・ボーデンの物語』(2026):リジー・ボーデンの事件が後世の犯罪文化に与えた影響を描くなか、1990年代のウォーノスが登場。サラ・ポールソンが演じる
ドキュメンタリー
- 『アイリーン・ウォーノス:セリング・オブ・ア・シリアル・キラー』(1992):ニック・ブルームフィールド監督。裁判前後のウォーノス本人や周辺人物を取材し、事件を取り巻くメディアや金銭的利害にも焦点を当てる
- 『シリアル・キラー アイリーン 「モンスター」と呼ばれた女』(2003):ニック・ブルームフィールド、ジョーン・チャーチル監督。前作に続いてウォーノスを追い、裁判や死刑執行までの過程を記録する
- 『キャッチング・キラーズ: 連続殺人犯を追いつめた刑事たち』(2021):シーズン1のエピソードでウォーノス事件を特集。事件を追った捜査官たちの視点から捜査と逮捕までを振り返る
- 『アイリーン: シリアルキラーの数奇な人生』(2025):Netflix製作のドキュメンタリー映画。死刑囚時代の未公開インタビューなどを使用し、幼少期から犯行、裁判までウォーノスの人生を再検証する
- 『Unmasking a Monster: Aileen Wuornos(原題)』(2026):Investigation Discovery製作の全3部ドキュメンタリーシリーズ。捜査関係者らの証言に加え、記録資料に基づく再現映像やデジタル技術を用いてウォーノスの人生、犯行、逮捕、死刑囚時代を描く
