映画『妖怪、化物をひろう』(2026)を紹介&解説。
映画『妖怪、化物をひろう』概要
映画『妖怪、化物をひろう』は、池田暁監督(『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』)が、1996年にロシアで起きた、老女が異形の赤ん坊を育てたという出来事に着想を得て描くファンタジー・ドラマ。嵐の傷痕が残る小さな町で暮らす老女が、人間とは思えない姿の赤ん坊を拾い、偏見や恐怖に満ちた周囲の人々から守ろうとする姿を描く。台湾・金門島で全編ロケを敢行した日本・台湾合作映画で、第39回東京国際映画祭コンペティション部門に選出された。主演は余貴美子、共演にオダギリジョー、リウ・グァンティン、リオ・ワン、きたろう、片桐はいりら。オダギリジョーはプロデューサーとしても参加している。
作品情報
| 日本版タイトル | 『妖怪、化物をひろう』 |
|---|---|
| 原題 | 我親愛的怪孩子(中国語題)/The Canary’s Lullaby(英題) |
| 製作年 | 2026年 |
| 本国公開日 | 2026年10月28日(東京国際映画祭・ワールドプレミア) |
| 日本公開日 | 2026年12月25日(劇場公開) |
| ジャンル | ドラマ/ファンタジー |
| 製作国 | 日本/台湾 |
| 原作 | 無(1996年のロシアでの出来事に着想) |
| 上映時間 | 108分 |
| 監督・脚本 | 池田暁 |
|---|---|
| 製作 | 黄詩珊/小坂史子/オダギリジョー |
| 製作総指揮 | 瞿友寧/小坂史子 |
| 撮影 | 池田直矢/陳萬得 |
| 作曲 | リオ・ワン(Leo王) |
| 出演 | 余貴美子/オダギリジョー/リウ・グァンティン/リオ・ワン/きたろう/片桐はいり/白石隼也/佐藤菫/トゥオ・ツォンホワ |
| 製作 | 四面楚歌/Oxygen Film |
| 配給 | ハーク(日本)/フリック(日本・配給協力) |
あらすじ
かつて大きな嵐に襲われ、深い傷痕を残した小さな町。老女タエは焼き団子を売りながら、ひとり静かに暮らしていた。ある日、雑木林で人間とは思えない姿をした奇妙な赤ん坊を見つけたタエは、その子をハルと名付けて育て始める。
しかし、町の人々はハルを“妖怪”と呼び、その異形の姿を恐れて拒絶する。次第に居場所を失ったタエは、ハルを守るために町をさまようことに。長年会っていなかった姉や、認知症を患う元夫との再会を通じて、タエの心には失われていた感情が少しずつよみがえっていく。
周囲の偏見や権力者たちの圧力が強まるなか、タエはハルを守り抜こうとする。人間と異形の存在が織りなす不思議な交流は、愛情と孤独、そして他者を受け入れることの意味を問いかけていく。
主な登場人物(キャスト)
タエ(余貴美子):焼き団子を売りながら孤独に暮らす老女。人間とは思えない姿の赤ん坊を拾い、ハルと名付けて大切に育てる。周囲から拒絶されながらも、その命を守ろうとする。
ハル(ハル):タエが拾った異形の赤ん坊。人間とは異なる外見を持ち、タエの作る団子を好んで食べる。その存在を恐れた町の人々から妖怪と呼ばれる。
小宮(オダギリジョー):生真面目な警官。ハルの出現によって揺れる町で、タエたちと関わることになる。
小藤(リウ・グァンティン):人買いとして登場する人物。タエとハルの不思議な共同生活に関わる。
谷(リオ・ワン):町で葬儀屋を営む男性。実直な性格を持つ人物。
文雄(きたろう):タエの元夫。認知症を患っており、ハルを連れてさまようタエが訪ねる人物のひとり。
菊子(片桐はいり):タエの周囲に登場する女性。
柳(白石隼也):町に暮らす人物のひとり。
作品の魅力解説(公開前時点)
異形の赤ん坊と孤独な老女が織りなす、不思議な愛情の物語
本作の中心にあるのは、人間とは思えない姿をした赤ん坊と、孤独に暮らしてきた老女との交流だ。監督の池田暁は、1996年にロシアで老女が謎の生物を拾い、愛情を注いで育てたという出来事から着想を得たと明かしている。
異形の存在に恐怖や嫌悪を抱く周囲の人々に対し、タエはハルを守ることを選ぶ。親子とも友情とも異なる不思議な関係を通じて、外見や常識を超えた愛情をどのように描くのかが注目される。
台湾・金門島の風土と池田暁監督独自の映像世界
『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』などで独特のユーモアと寓話的な世界観を描いてきた池田暁監督。本作では台湾の離島・金門島を舞台に、日本とも台湾本土とも異なる空気を持つ土地を、架空の町のように映し出す。
金門島には風獅爺をはじめとする独自の信仰や文化が根付いており、その風景や建築物が不思議な物語の世界観を形づくる。水木しげる作品からの影響を公言する監督が、異形の存在をどのような映像表現に落とし込むのかも見どころとなりそうだ。
日台の実力派キャストが共演する異色の合作映画
主演の余貴美子を筆頭に、オダギリジョー、きたろう、片桐はいりら日本の俳優陣と、リウ・グァンティン、リオ・ワンら台湾の出演者が顔をそろえる。
オダギリジョーが出演だけでなく製作にも参加している点も特徴だ。日台のキャストとスタッフが共同で作り上げた本作は、第39回東京国際映画祭コンペティション部門に選出され、2026年10月28日にワールドプレミアを迎える予定。奇妙な設定の奥にある、人間の孤独や偏見、他者への愛情を描く物語に期待が集まる。
