『殺人豚』解説|どんな映画?あらすじ・キャスト・魅力・レビューまとめ

『殺人豚』解説|どんな映画?あらすじ・キャスト・魅力・レビューまとめ Database - Films
『殺人豚』より © 1972 Classic Films

映画『殺人豚』(1972)を紹介&解説。


映画『殺人豚』概要

映画『殺人豚』は、俳優としても活動したマーク・ローレンスが監督・製作・出演を兼ねた低予算ホラー映画。精神病院から逃げ出した女性リンが、豚を飼育する老人ザンブリーニのもとで働き始めたことから、殺人と人肉を食らう豚をめぐる奇妙な事件が展開していく。主演はトニー・ローレンス、共演にマーク・ローレンス、ジェシー・ヴィント、キャサリン・ロスら。

1972年に製作され、1973年5月23日にデトロイトで初演された。後年には『Pigs』などのタイトルでトロマ・エンターテインメントからも流通している。

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作品情報

日本版タイトル 『殺人豚』
原題 Pigs(別題:Daddy’s Deadly Darling)
製作年 1972年
本国公開日 1973年5月23日(デトロイト初演)
日本公開日 劇場未公開・ビデオ発売
ジャンル ホラー
製作国 アメリカ
原作 無
上映時間 79分
監督・製作 マーク・ローレンス
脚本 F・A・フォス
製作総指揮 ドナルド・L・レイノルズ
撮影 グレン・R・ローランド・Jr.
編集 アーヴィン・グッドノフ
作曲 チャールズ・バーンスタイン
出演 トニー・ローレンス/マーク・ローレンス/ジェシー・ヴィント/キャサリン・ロス/ポール・ヒッキー/アイリス・コーン/ウォルター・バーンズ
製作 Classic Films/Safia S. A.
配給 Classic Films(米国・初公開時)/トロマ・エンターテインメント(後年)

あらすじ

父親を殺害し、精神病院に収容されていた女性リン・ウェブスター。病院から逃げ出した彼女は、人里離れた土地でカフェを営みながら豚を飼育する老人サンブリーニと出会い、そこで働き始める。しかしサンブリーニが飼う豚たちは人間の肉の味を覚えており、彼は密かに死体を豚たちの餌として与えていた。やがてリンの周囲でも人々が姿を消し始める。

主な登場人物(キャスト)

リン・ウェブスター(トニー・ローレンス):父親を殺害した過去を持ち、精神病院から逃げ出した女性。ザンブリーニのカフェで働き始めるが、過去のトラウマを抱えたまま不安定な行動を繰り返していく。

サンブリーニ(マーク・ローレンス):人里離れた場所でカフェを営みながら豚を飼育している老人。飼っている豚が人肉の味を覚えており、密かに人間の死体を餌として与えている。

ダン・コール保安官(ジェシー・ヴィント):地域を担当する保安官。ザンブリーニの豚をめぐる噂や相次ぐ失踪に疑いを持ち、リンの素性にも近づいていく。

メイジー夫人(キャサリン・ロス):サンブリーニの近隣に暮らす女性。彼が豚に人間の死体を食べさせているのではないかと疑い、保安官へ繰り返し訴える。

ベン・シャープ(ポール・ヒッキー):リンと知り合う地元の男性。サンブリーニについて不穏な噂をリンに伝える。

作品の魅力解説・レビュー

「殺人豚」なのに、豚が人を殺す映画ではない

何より先に触れておきたいのが、インパクト抜群の邦題『殺人豚』と実際の内容との微妙なズレ。豚たち自身が積極的に人間を襲って殺して回るモンスター映画ではなく、人間によって生み出された死体を、人肉の味を覚えた豚たちが食べるという話だ。

そのため“殺人豚が大暴れする映画”を期待すると、かなり拍子抜けする。もっとも原題はシンプルに『Pigs』。邦題が勝手に期待値を上げてしまっているところも含めて、いかにも怪しいB級ホラーらしい一本ではある。

安っぽさを隠す気のないB級ホラー

安っぽい真っ赤な血のり、小規模なロケーション、大雑把な設定と展開。細部を真面目に掘り下げていくより、その粗雑さまで含めて楽しんだ方がいいタイプの作品だ。

後年にトロマからも流通した作品だが、低予算映画特有のチープさや悪趣味さは確かにトロマ作品と並べても違和感がない。人肉を豚に処理させるという悪趣味な設定も、妙に大仰な演出をせず淡々と展開していく。

妙な映像処理まで含めた独特の味わい

演出面では、事件後のリンの顔を映す画面がグワングワンと歪むような映像処理など、現在見るとかなり荒っぽい表現も登場する。ただ、その手作り感の強い奇妙な映像が、かえって登場人物の精神状態のおかしさを直接見せつけてくるようで面白い。

完成度の高い恐怖映画というより、1970年代の低予算ホラーならではの雑味、珍妙さ、悪趣味さを味わう作品。深く論じるのがバカバカしくなるほどのB級感まで含めて楽しめるかどうかが、本作の評価を大きく分けそうだ。

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