映画『I Could Never Be Your Woman(原題)』(2007)を紹介&解説。
映画『I Could Never Be Your Woman(原題)』概要
映画『I Could Never Be Your Woman(原題)』は、エイミー・ヘッカーリング(『クルーレス』『初体験/リッジモント・ハイ』)が監督・脚本を務め、年下男性との恋に戸惑う40歳の女性を描くロマンティック・コメディ。ティーン向けテレビ番組を手がける離婚した母親ロージーが、番組のオーディションに現れた29歳の俳優アダムと恋に落ちる一方、娘イジーも初恋を経験していく。主演はミシェル・ファイファーとポール・ラッド。共演にシアーシャ・ローナン、トレイシー・ウルマン、ステイシー・ダッシュ、ジョン・ロヴィッツ、フレッド・ウィラードら。
作品情報
| 日本版タイトル | |
|---|---|
| 原題 | I Could Never Be Your Woman |
| 製作年 | 2007年 |
| 本国公開日 | 2008年2月12日(米国DVD発売) |
| 日本公開日 | 日本未公開 |
| ジャンル | 恋愛/ドラマ/コメディ |
| 製作国 | アメリカ |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 97分 |
| 監督・脚本 | エイミー・ヘッカーリング |
|---|---|
| 製作 | スコット・ルーディン/フィリップ・マルティネス/アラン・レイサム/セリース・ハラム・ラーキン |
| 製作総指揮 | アラステア・バーリンガム/カリン・ベア/デヴィッド・ゴートン/エリー・サマハ |
| 撮影 | ブライアン・トゥファーノ |
| 編集 | ケイト・コギンズ |
| 作曲 | マイク・ヘッジズ |
| 出演 | ミシェル・ファイファー/ポール・ラッド/シアーシャ・ローナン/トレイシー・ウルマン/ステイシー・ダッシュ/フレッド・ウィラード/ジョン・ロヴィッツ/サラ・アレクサンダー/グレアム・ノートンほか |
| 製作 | Bauer Martinez Studios/Templar Films/Formula Films/Lucky 7 Productions |
| 配給 | The Weinstein Company(米国DVD) |
あらすじ
40歳のロージーは、13歳の娘イジーを育てるシングルマザーであり、ティーン向けテレビコメディ「You Go Girl」の脚本家兼プロデューサーとして働いている。しかし長寿番組となった「You Go Girl」の人気は低迷し、ロージー自身も年齢を重ねることへの不安を抱えていた。
そんな中、番組のオーディションに29歳の俳優アダムが現れる。自然体のユーモアと魅力を持つアダムを気に入ったロージーは番組へ起用。新キャラクターは人気を集め、番組にも再び活気が戻ってくる。
さらにロージーとアダムは私生活でも互いに惹かれていくが、11歳という年齢差を意識するロージーは素直に関係を受け入れることができない。一方、娘イジーも同級生への初恋を経験し、母と娘それぞれの恋が動き始める。
主な登場人物(キャスト)
ロージー(ミシェル・ファイファー):40歳の離婚した母親で、ティーン向けテレビ番組「You Go Girl」の脚本家兼プロデューサー。年齢を重ねていくことや業界における女性への視線に不安を抱く中、11歳年下のアダムと恋に落ちる。
アダム(ポール・ラッド):「You Go Girl」のオーディションへやって来た29歳の俳優。自然なコメディセンスを評価されて番組へ出演し、ロージーとも親密な関係になっていく。
イジー(シアーシャ・ローナン):ロージーの13歳の娘。ティーン文化に詳しく、母親が制作する番組にも間接的に影響を与えている。同級生の少年に恋をし、初めての恋愛感情に向き合っていく。
マザー・ネイチャー(トレイシー・ウルマン):ロージーの人生にたびたび姿を現す“母なる自然”を擬人化した存在。年齢、若さ、恋愛などをめぐるロージーの葛藤に干渉する。
ブリアナ(ステイシー・ダッシュ):ロージーが制作する「You Go Girl」の主演女優。ティーンエイジャー役を演じ続けているが、本人は実際の役柄よりかなり年上で、作品におけるハリウッドの若さへの執着を象徴する人物のひとり。
マーティ(フレッド・ウィラード):ロージーが働くテレビ業界の上司。番組内容や制作方針をめぐってロージーと関わる。
ネイサン(ジョン・ロヴィッツ):ロージーの元夫で、イジーの父親。離婚後も娘を通じてロージーとの関係が続いている。
作品の魅力解説
年下男性との恋愛を通して描く、女性と“年齢”の問題
中心にあるのはミシェル・ファイファー演じる40歳のロージーと、ポール・ラッド演じる29歳のアダムによる年齢差ロマンス。しかし単に「年下男性と恋に落ちる女性」を描くだけでなく、年齢を重ねた女性に対する社会やエンターテインメント業界の視線をコメディとして取り込んでいる。
ロージー自身が年齢差を必要以上に意識する一方、彼女が制作しているのは若者向けテレビ番組。さらに番組では、実際にはティーンエイジャーではない俳優たちが“若さ”を商品として演じている。
恋愛、仕事、容姿という複数の方向から、女性が若く見えることを要求される文化を風刺しているのが本作の特徴となっている。
『クルーレス』エイミー・ヘッカーリングらしいポップカルチャー風刺
監督・脚本は『クルーレス』で1990年代のティーン文化を鮮やかに切り取ったエイミー・ヘッカーリング。本作でも架空のティーン向けテレビ番組を物語の中心に置き、流行語、ファッション、芸能界の都合、若者文化を消費する大人たちなどをコメディへ組み込んでいる。
ロージーとアダムの恋愛だけでなく、娘イジーの初恋を並行して描くことで、“恋に落ちることに年齢制限はあるのか”というテーマを母娘二世代から扱う構成にもなっている。
ミシェル・ファイファーとポール・ラッド、そして若きシアーシャ・ローナン
主演のミシェル・ファイファーとポール・ラッドに加え、本作には映画出演初期のシアーシャ・ローナンがイジー役で出演している。
さらにトレイシー・ウルマン、ジョン・ロヴィッツ、フレッド・ウィラード、ステイシー・ダッシュ、グレアム・ノートンらコメディ色の強いキャストが集結。後に『女王陛下のお気に入り』『哀れなるものたち』などで知られるオリヴィア・コールマンも小さな役で出演している。
Rotten Tomatoesの批評家スコアは69%と概ね肯定的だが、レビュー数は13件と少ない。王道のロマンティック・コメディというより、恋愛を軸にハリウッドの年齢差別や若さへの執着を風刺したエイミー・ヘッカーリング作品として捉えると、本作ならではの個性が見えてくる。
