映画『鮮血!悪夢の卒業式』(1981)を紹介&解説。
映画『鮮血!悪夢の卒業式』概要
映画『鮮血!悪夢の卒業式』は、ハーブ・フリード監督が手がけた1981年のアメリカ製スラッシャーホラー。卒業式を間近に控えた高校を舞台に、陸上部の生徒たちが何者かに次々と殺害されていく。
主演はクリストファー・ジョージ、パッチ・マッケンジー、E・ダニー・マーフィら。ロイド・カウフマンとマイケル・ハーツがプレゼンターに名を連ね、「A Troma Team Release」として公開された、トロマ・エンターテインメントゆかりのB級ホラーでもある。
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作品情報
| 日本版タイトル | 『鮮血!悪夢の卒業式』 |
|---|---|
| 原題 | Graduation Day |
| 製作年 | 1981年 |
| 本国公開日 | 1981年5月8日 |
| 日本公開日 | 劇場未公開・ビデオ発売 |
| ジャンル | ホラー/ミステリー |
| 製作国 | アメリカ |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 96分 |
| 監督 | ハーブ・フリード |
|---|---|
| 脚本 | アン・マリッセ/ハーブ・フリード |
| 原案 | デヴィッド・ボーン |
| 製作 | デヴィッド・ボーン/ハーブ・フリード |
| 撮影 | ダニエル・ヤルシ |
| 編集 | マーティン・ジェイ・サドフ |
| 作曲 | アーサー・ケンペル |
| 出演 | クリストファー・ジョージ/パッチ・マッケンジー/E・ダニー・マーフィ/マイケル・パタキ/E・J・ピーカー/リネア・クイグリー/ヴァンナ・ホワイト |
| 製作 | IFI/Scope III/Baughn/Freed Productions |
| 配給 | IFI/Scope III(米国)/トロマ・エンターテインメント(後年) |
あらすじ
高校陸上部のスター選手ローラ・ラムステッドが、競技会でゴールした直後に突然死亡する。2か月後、卒業式を控えた学校をローラの姉アンが訪れる中、陸上部のメンバーが何者かに次々と襲われ始める。犯人はストップウォッチを手に獲物を狙い、卒業式が迫る校内で惨劇を重ねていく。
主な登場人物(キャスト)
ジョージ・マイケルズ(クリストファー・ジョージ):高校陸上部のコーチ。選手に厳しい指導を行っており、ローラが競技中に死亡した一件をめぐって疑いの目を向けられる。
アン・ラムステッド(パッチ・マッケンジー):亡くなったローラの姉。海軍から休暇を取り、妹に贈られる特別なトロフィーを受け取るため町へ戻ってくる。
ケヴィン・バジャー(E・ダニー・マーフィ):ローラの恋人。彼女の死を今なお引きずっており、アンともローラについて言葉を交わす。
グリオーネ校長(マイケル・パタキ):連続殺人事件が発生する高校の校長。卒業式を目前に控えた学校を取り仕切る。
ローラ・ラムステッド(ルース・アン・ロレンス):高校陸上部のスター選手。物語冒頭の競技会で優勝した直後に死亡し、その死が一連の事件の発端となる。
作品の魅力解説・レビュー
80年代スラッシャーの珍味感を味わうB級ホラー
『鮮血!悪夢の卒業式』は、1980年代初頭に大量に製作されたスラッシャーホラーの空気を濃厚に残す一本。卒業式を控えた高校、若者たち、正体不明の殺人鬼、次々と増えていく犠牲者という王道の構成に、低予算映画ならではの粗さが合わさっている。
洗練された恐怖映画というより、チープな演技や流血表現まで含めて「いかにも80年代のB級ホラー」という珍味感を楽しむタイプの作品。後にトロマのラインナップとして定着したのも納得できる、良くも悪くも癖の強い一作だ。
場所も凶器も変化する殺害シーン
スラッシャー映画として楽しめるのは、犠牲者ごとに殺害場所や方法を変えてくるところ。陸上競技をモチーフにした演出も盛り込みながら、犯人は学校周辺のさまざまな場所で標的を襲っていく。
個々の殺害描写そのものは意外と短く、もっと見せてほしいと感じる場面もある。一方、終盤になるとそれまで積み重ねてきた犠牲者の遺体も演出に利用し、クライマックスの異様な光景へつなげていくあたりは抜かりがない。
人物描写やサスペンスには物足りなさも
もちろん脚本は弱い。事件の背景には犯人なりの動機が用意されているものの、復讐劇として見ると関係人物の掘り下げが浅く、登場人物も多いため物語全体が散漫になりやすい。
容疑者らしい人物を複数配置した犯人当ての要素もあるが、サスペンスとして緊張感が大きく高まっていくタイプではない。
ハードルを上げる作品ではないものの、粗い演技、安価な流血、奇妙な演出、バリエーション豊かな殺人といったB級スラッシャーならではの味を楽しみたいなら、そのチープさ自体が見どころになる作品だ。
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ライター/エディター/映画インスタグラマー。2019年に早稲田大学法学部を卒業。東京都職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)やYouTubeチャンネル「cula 見て聞く映画マガジン(旧:アルテミシネマ)」においても映画や海外ドラマ、音楽といったカルチャーに関する情報レビューを発信している。
