キングギドラ初登場! 『三大怪獣 地球最大の決戦』解説|どんな映画?あらすじ・キャスト・魅力・レビュー・ネタバレまとめ

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『三大怪獣 地球最大の決戦』より ©1964 TOHO CO., LTD.

映画『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964)を紹介&解説。


映画『三大怪獣 地球最大の決戦』概要

映画『三大怪獣 地球最大の決戦』は、本多猪四郎監督(『モスラ対ゴジラ』)が手掛けた東宝の怪獣SF映画。金星文明を滅ぼした宇宙怪獣キングギドラが地球に襲来し、ゴジラ、ラドン、モスラが立ち向かう。ゴジラシリーズ第5作にあたり、キングギドラの初登場作品としても知られる。

主演は夏木陽介、共演に星由里子、小泉博、若林映子ら。

作品情報

日本版タイトル 『三大怪獣 地球最大の決戦』
英題 Ghidorah, the Three-Headed Monster
製作年 1964年
日本公開日 1964年12月20日
ジャンル SF/ファンタジー
製作国 日本
原作 無
上映時間 93分
監督 本多猪四郎
脚本 関沢新一
製作 田中友幸
撮影 小泉一
編集 藤井良平
作曲 伊福部昭
特技監督 円谷英二
出演 夏木陽介/星由里子/小泉博/若林映子/ザ・ピーナッツ/志村喬/伊藤久哉/平田昭彦/佐原健二
製作・配給 東宝

あらすじ

異常気象が相次ぐ日本。セルジナ公国の王女が乗った飛行機が爆発した直後、金星人を名乗る女性が地球滅亡を予言する。やがてゴジラとラドンが出現し、黒部峡谷の隕石からはキングギドラが誕生。王女の行方を追う進藤刑事らが奔走するなか、小美人はモスラを呼び寄せ、三大怪獣の共闘に望みを託す。

主な登場人物(キャスト)

進藤(夏木陽介):警視庁の刑事。来日するサルノ王女の護衛を命じられるが、王女の搭乗機が爆発する事件に遭遇する。その後、金星人を名乗る謎の女性が王女本人だと気づき、暗殺者から彼女を守ろうと奔走。王女との間には淡い恋愛感情を思わせる絆が芽生えていく。

サルノ王女(若林映子):セルジナ公国の王女。来日中に暗殺計画に巻き込まれるが、金星人の意識に導かれて生還。その後は記憶を失い、金星人を名乗る予言者として地球の危機を警告する。命を狙う暗殺者から進藤刑事に守られ、彼との間に特別な絆を育む。

進藤直子(星由里子):東洋放送の女性記者で、進藤刑事の妹。番組『20世紀の神話』の取材で異常現象を追ううちに、金星人を名乗るサルノ王女と接触する。兄や科学者の村井、小美人らと協力し、キングギドラの襲来による地球の危機に立ち向かう。

村井(小泉博):帝都工業大学の助教授で、黒部峡谷に落下した謎の隕石を調査する科学者。隕石からキングギドラが出現する瞬間を目撃し、地球の危機を知る。進藤直子らと協力し、モスラ、ゴジラ、ラドンの共闘による怪獣撃退を構想する。

小美人(ザ・ピーナッツ):インファント島に暮らす2人の小さな妖精で、モスラと意思疎通できる存在。サルノ王女の予言を信じて帰国を延期し、彼女を暗殺者から守る。キングギドラの襲来に際してモスラを呼び寄せ、ゴジラとラドンへの共闘要請を仲介。怪獣たちの言葉を人間に通訳する。

ゴジラ:日本に再び出現した巨大怪獣。横浜に上陸して船や市街地を襲撃し、その後はラドンと激しく争う。人間への不信感からモスラの共闘要請を拒むが、キングギドラに単身立ち向かうモスラの勇気に心を動かされ、ラドンとともに戦いへ加わる。

ラドン:阿蘇山の火口から出現した巨大な翼竜型怪獣。飛行能力を武器にゴジラと激しく争い、モスラからの共闘要請も当初は拒絶する。しかし、キングギドラに単身立ち向かうモスラの姿に心を動かされ、ゴジラとともに参戦。モスラを背中に乗せて空中から攻撃する。

モスラ:インファント島の守護神で、本作では幼虫の姿で登場する。小美人の呼びかけに応じて日本へ向かい、争い続けるゴジラとラドンに共闘を訴える。説得が失敗すると単身キングギドラに立ち向かい、その勇気が両怪獣を動かす。

キングギドラ:かつて金星文明を滅ぼした宇宙超怪獣。黒部峡谷に落下した隕石から出現し、3つの頭から放つ引力光線で日本各地を破壊する。圧倒的な力で地球を脅かし、モスラ、ゴジラ、ラドンの三大怪獣を相手に戦闘を展開する。

マルメス(伊藤久哉):サルノ王女の暗殺を狙う一味の中心人物。王女の搭乗機を爆破した後も、生存を知ると執拗に命を狙い続ける。王女を守ろうとする進藤刑事と対立し、終盤には富士山麓で再び襲撃を仕掛ける。

塚本博士(志村喬):金星人を名乗るサルノ王女の状態を調べる医師。通常の精神医学では説明しきれない彼女の言動や意識の謎に向き合い、進藤たちとともに王女の保護に協力する。

作品の魅力解説・レビュー

キングギドラ初登場!恐ろしくも神々しい圧巻のデザイン

本作最大の見どころは、シリーズ初登場となるキングギドラの圧倒的な存在感だろう。黄金に輝く巨体、左右に広がる巨大な翼、自在に動く3つの首、そして口から放たれる雷撃のような引力光線。その姿はかっこよく、恐ろしく、どこか神々しさすら漂わせている。

特に秀逸なのが、3つの首による多方向への攻撃というデザイン上の説得力だ。1体で複数の怪獣を相手にできる強さが、設定だけでなく外見そのものから伝わってくる。金星文明を滅ぼした宇宙怪獣という壮大な設定にもふさわしく、ゴジラたちを単独で圧倒する展開を自然に受け入れられる。怪獣の造形そのものが物語の脅威を成立させているという点で、見事なキャラクターデザインだ。

人気怪獣4体の豪華共演!対立から共闘へと転じる王道の熱さ

ゴジラに加え、前作『モスラ対ゴジラ』からモスラが続投し、さらに『空の大怪獣 ラドン』のラドンもゴジラシリーズに初参戦。そこへ新怪獣キングギドラが加わるという、当時の東宝怪獣映画を代表する人気キャラクターの豪華共演が実現している。

それぞれの怪獣が持ち味を発揮する戦闘の迫力はもちろん、敵対していたゴジラとラドンが、モスラの決死の行動をきっかけに共闘する展開が実に熱い。小美人による怪獣たちの会話の通訳というユーモラスな場面を経て、巨大な共通の敵へ立ち向かう構成は、怪獣映画ならではの王道の楽しさに満ちている。

それまで人類の脅威だったゴジラが地球を守る側に回る点も、シリーズにおける重要な転換点。強大な敵の登場が、それまで対立していた者たちの団結を生むというシンプルな物語が、大怪獣同士の戦いをいっそう盛り上げている。

金星人をめぐる複雑な設定は、かえって過剰にも感じられる

一方で、怪獣たちの魅力がこれほど強烈だからこそ、人間側で展開する金星人関連の設定には煩雑さを感じる。サルノ王女の暗殺計画、金星人の意識による憑依、記憶喪失、古代金星文明といった要素が次々に盛り込まれ、怪獣同士の対決という中心的な魅力から注意をそらしてしまう。

王女を守る進藤刑事の奮闘や、二人の淡いロマンスには人間ドラマとしての役割がある。しかし、キングギドラの存在そのものに十分なロマンと迫力があるだけに、その脅威を説明するための金星人設定は、やや盛り込みすぎに映る。

怪獣4体の豪華共演と胸が熱くなる共闘だけでも十分に楽しめる作品だからこそ、付随するSF設定の多さが好みを分かれるところ。サービス精神旺盛な娯楽大作である一方、物語をもう少し怪獣たちに集中させてほしかったという思いも残る。

簡易ストーリー解説(ネタバレ)

起:王女暗殺計画と不吉な予言

セルジナ公国のサルノ王女が日本へ向かう途中、政敵が仕掛けた爆弾によって搭乗機が爆発する。しかし、王女は謎の声に導かれて脱出し、奇跡的に生還。その後、記憶を失った彼女は金星人を名乗り、地球に迫る危機を予言し始める。

王女の護衛を任されていた進藤刑事は、妹で記者の直子とともに彼女の正体を追うが、暗殺者たちも生き延びた王女を執拗に狙っていた。

承①:怪獣たちの復活と王女を狙う暗殺者

王女の予言どおり、阿蘇山からラドンが出現し、ゴジラも横浜に上陸して船や市街地を襲撃する。やがてゴジラとラドンは松本や富士山麓で激しく衝突。一方、直子は小美人とともに王女を保護するが、滞在先のホテルを暗殺者に襲われる。

進藤は銃撃戦の末に王女を守り抜き、彼女との間には次第に特別な絆が芽生えていく。

承②:キングギドラ襲来と地球滅亡の危機

黒部峡谷に落下した謎の隕石を調査していた村井助教授は、その内部から宇宙怪獣キングギドラが出現する瞬間を目撃する。かつて金星文明を滅ぼしたキングギドラは、東京タワーや松本城などを破壊し、人類を絶望的な危機に追い込む。

村井らは小美人の協力を得てモスラを呼び寄せ、ゴジラとラドンとの共闘を図る。しかし、両怪獣は人間への不信感から協力を拒否してしまう。

転:モスラの決死の行動と三大怪獣の共闘

説得に失敗した幼虫モスラは、圧倒的な強さを誇るキングギドラに単身立ち向かう。引力光線を浴びながらも諦めない姿に心を動かされたゴジラとラドンは、ついに争いをやめて参戦。ラドンはモスラを背中に乗せて空中から糸で攻撃し、ゴジラも敵の尻尾をつかんで応戦する。

三大怪獣の連携によって形勢は逆転し、キングギドラは宇宙へ逃げ去る。

結:暗殺者の最期と王女との切ない別れ

怪獣たちの決戦の裏で、王女は再び暗殺者マルメスに追い詰められる。しかし、銃弾が頭をかすめた衝撃で本来の記憶を取り戻し、救出に駆けつけた進藤とともに生還。マルメスはキングギドラの攻撃に伴う崖崩れに巻き込まれて死亡する。

平和が戻り、王女は祖国へ帰国。金星人としての記憶はほとんど失われていたが、進藤に命を救われたことだけは覚えており、感謝と淡い恋心をにじませて別れを告げる。モスラもインファント島へ帰り、ゴジラとラドンはその姿を静かに見送る。

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