映画『アン・ハサウェイ 魔法の国のプリンセス』(2004)を紹介&解説。
映画『アン・ハサウェイ 魔法の国のプリンセス』概要
映画『アン・ハサウェイ 魔法の国のプリンセス』は、ゲイル・カーソン・レヴィンの児童文学『さよなら、「いい子」の魔法』を原作に、トミー・オヘイヴァー監督が映画化したファンタジー・コメディ。生まれた時に妖精から“服従”の魔法を授けられた少女エラが、自分の意志で人生を選ぶため、呪いを解く旅へ出る姿を描く。主演はアン・ハサウェイ。共演にヒュー・ダンシー、ケイリー・エルウィス、ヴィヴィカ・A・フォックス、ジョアンナ・ラムレイ、ミニー・ドライヴァーら。
作品情報
日本版タイトル:『アン・ハサウェイ 魔法の国のプリンセス』
原題:Ella Enchanted
製作年:2004年
本国公開日:2004年4月9日
日本公開日:劇場未公開
ジャンル:ファンタジー/コメディ/ロマンス/ファミリー
製作国:アメリカ/アイルランド/イギリス
原作:ゲイル・カーソン・レヴィン『さよなら、「いい子」の魔法』(児童書)
上映時間:96分
監督:トミー・オヘイヴァー
脚本:ローリー・クレイグ/カレン・マックラー・ラッツ/キルステン・スミス/ジェニファー・ヒース/ミシェル・J・ウォルフ
製作:ジェーン・スターツ
製作総指揮:スー・アームストロング/ジュリー・ゴールドスタイン/ボブ・ワインスタイン/ハーヴェイ・ワインスタイン
撮影:ジョン・デ・ボーマン
美術:ノーマン・ガーウッド
衣装:ルース・マイヤーズ
編集:マサヒロ・ヒラクボ
作曲:ニック・グレニー=スミス
出演:アン・ハサウェイ/ヒュー・ダンシー/ケイリー・エルウィス/ヴィヴィカ・A・フォックス/ジョアンナ・ラムレイ/ミニー・ドライヴァー/エイダン・マクアードル/ルーシー・パンチ/ジェニファー・ハイアム
配給:ミラマックス・フィルムズ(米国)/AMGエンタテインメント(日本)
あらすじ
魔法の国フレル。少女エラは誕生の瞬間、妖精ルシンダから“服従”という贈りものを授けられる。しかし、それは命令されると自分の意志に関係なく従わなければならない呪いだった。成長したエラは、意地悪な継母や義姉たちに振り回されながらも、自分の運命を変えるため、呪いをかけた妖精ルシンダを探す旅に出る。道中で王子チャーモントや仲間たちと出会ったエラは、王国をめぐる陰謀にも巻き込まれていく。
主な登場人物(キャスト)
エラ(アン・ハサウェイ):生まれた時に“服従”の魔法をかけられた少女。どんな命令にも逆らえない呪いに苦しみながら、自分自身の意志で生きる道を探していく。
チャーモント王子/チャー(ヒュー・ダンシー):フレル王国の王子。民から人気を集める存在だが、エラとの出会いを通じて、王国にある不平等や叔父エドガーの支配に目を向けていく。
エドガー(ケイリー・エルウィス):チャーモント王子の叔父で、王国の実権を握る摂政。王位を狙い、エラの“服従”の呪いを利用しようとする。
ルシンダ(ヴィヴィカ・A・フォックス):エラに“服従”の魔法を授けた妖精。本人は贈りもののつもりで魔法をかけるが、その力はエラの人生を大きく縛る呪いとなる。
マンディ(ミニー・ドライヴァー):エラの家にいる妖精で、彼女を支える存在。
スラネン(エイダン・マクアードル):弁護士になることを夢見るエルフ。
オルガ(ジョアンナ・ラムレイ):エラの継母。エラに冷たく接し、家庭の中で彼女を追い詰める。
ハティ(ルーシー・パンチ):エラの義姉。
作品の魅力解説
本作の大きな魅力は、古典的な“シンデレラ”型の物語を、現代的な自立の物語として読み替えている点にある。エラは王子に救われるだけのヒロインではなく、理不尽な魔法と周囲の命令に抗いながら、自分の人生を自分で選び取ろうとする。明るいファンタジーでありながら、“従順であること”と“自分らしくあること”の違いを描いているところが、本作ならではのテーマ性といえる。
アン・ハサウェイの初期主演作としても見どころが多い。コミカルな場面では軽やかに、ロマンスの場面では瑞々しく、呪いに苦しむ場面では表情の変化でエラの葛藤を見せている。『プリティ・プリンセス』で注目を集めた時期のハサウェイらしい、親しみやすさと華やかさが作品全体を引っ張っている。
また、王道のおとぎ話にポップな音楽、ユーモア、ミュージカル的な演出を加えている点も特徴である。オーガ、巨人、エルフ、妖精といったファンタジー要素をにぎやかに配置しつつ、ロマンス、冒険、コメディをテンポよく展開するため、ファミリー向け作品として気軽に楽しめる。
原作とは異なるアレンジも多く、映画版はよりポップで風刺的なファンタジー・コメディとして作られている。原作ファンにとっては違いを比較する楽しみがあり、映画単体では、アン・ハサウェイの魅力と“自分の声を取り戻す”ヒロイン像を味わえる一作である。
