アンドリュー・ガーフィールドが『ハリー・ポッター』鑑賞をめぐる葛藤と評価を語った。
アンドリュー・ガーフィールドが、映画『ハリー・ポッター』シリーズの鑑賞をめぐる自身の立場について語った。原作者であるJ・K・ローリングの発言を背景に議論が続くなか、ガーフィールドはそれが「物議を醸す」選択であると認めつつも、作品そのものの価値を否定することはできないとの考えを示した。
アンドリュー・ガーフィールド、『ハリー・ポッター』を初鑑賞-論争を認めつつも作品の価値に言及
ガーフィールドはインタビューの中で、最近になって初めて『ハリー・ポッター』シリーズを鑑賞したことを明かした。「実は最近まで『ハリー・ポッター』の映画を観てなかった」と語りつつ、主演のダニエル・ラドクリフについて「ダニエルはめちゃくちゃ最高だよ」と評価。「彼はあの映画の中で本当に良い演技をしてるよね」と、その演技を称賛した。
一方で、原作者をめぐる問題についても言及し、この選択が「たしかに物議を醸す」ものであることを認めている。「今の時代に反人道的な活動をしている“名前を言ってはいけない彼女”にお金を渡すべきではないとは思う」と、作中で“名前を言ってはいけないあの人”と呼ばれる悪役ヴォルデモートのようにJ・K・ローリングを批判しながらも、「『ハリー・ポッター』は本当に良い映画だよ」と述べ、作品そのものの価値を否定することには慎重な姿勢を示した。
その理由としてガーフィールドは、作品に関わった多くの人々の存在を挙げる。「あの映画の魂とか精神……テーマの本質、それを体現した子どもたち、そして職人たちや技術者たちのことを無視できないよ」と語り、「あの映画に関わったすばらしいアーティストたちがたくさんいるわけだし」と続けた。
さらに、自身が現在一緒に仕事をしているメイクアップアーティストが同シリーズのクリーチャー制作に関わっていたことにも触れつつ、「赤ちゃんを風呂の水ごと捨てるようなことはできないよ」と表現。作品とその背景を切り離すことの難しさをにじませ、「あの映画に関わったすばらしいアーティストたちがたくさんいるわけだし。あらためてそのアーティスト全員への敬意が深まったし、ダニエルは本当にすばらしいよ」と改めて語った。
【動画】アンドリュー・ガーフィールド インタビュー映像
HBOドラマ化でも続く議論-キャストの間でも揺れる判断
『ハリー・ポッター』は現在、HBOによるテレビドラマシリーズとしてリブートが進行中であり、今月公開された予告編はオンライン上で大きな反響を呼んだ。一方で、原作者をめぐる問題を背景に、出演俳優たちの参加姿勢にも注目が集まっている。
ダンブルドア役として出演するジョン・リスゴーは、ニューヨーク・タイムズの取材に対し、原作者との関わりをめぐる批判を受け、一時は降板を考えたことを明かしている。それでも最終的に出演を決めた理由について、「『ハリー・ポッター』の原作は明らかに不寛容や偏見に反する、正義の側に立った作品」であると説明し、ローリングの活動と創作物の内容を分けて考える姿勢を見せた。
こうした判断は、ガーフィールドが言及した「テーマの本質」という視点とも重なるものであり、作品に込められた価値と、その外側にある問題との間で揺れる立場が、現在のフランチャイズを取り巻く状況を象徴している。
原作者の発言がもたらした影響-主要キャストも相次ぎ反応
J・K・ローリングがトランスジェンダーに関する自身の見解を公に表明したのは2020年6月のことであり、以降『ハリー・ポッター』シリーズを取り巻く議論は長く続いている。
これを受け、主演のダニエル・ラドクリフをはじめ、エマ・ワトソン、ルパート・グリント、エディ・レッドメインら「ハリー・ポッター」および「ファンタスティック・ビースト」シリーズの主要出演者たちは、トランスジェンダーの権利を支持する立場を表明し、ローリングの発言に対して異なる見解を示してきた。
一方、ローリング自身は今回のテレビドラマ版に関与しており、予告編公開後にはSNSで「すばらしい作品になる」「とても嬉しい」と投稿している。しかし、彼女の関与が現在も一部のファンにとって距離を置く理由となっている状況に変わりはない。
こうしたなかで、ローリングの関与の上で制作を進めるHBOは、「友情、意志、そして寛容の大切さを伝える心温まる本、『ハリー・ポッター』の物語を再びお届けできることを誇りに思います」としたうえで、「J・K・ローリングには自身の見解を表明する権利があります。私たちは新シリーズの制作に集中してまいります」との声明を発表している。
