映画『カミング・ホーム』(2023)を紹介&解説。
映画『カミング・ホーム』概要
映画『カミング・ホーム』は、『リトル・ミス・サンシャイン』などのプロデューサーとして知られるマーク・タートルトーブ監督による、老人と宇宙人の交流を描くSFコメディドラマ。静かな町で孤独に暮らす老人の庭にある日UFOが墜落。乗っていた宇宙人をかくまったことから、隣人たちも巻き込む思いがけない出来事が始まる。主演は『ガンジー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したベン・キングズレー、共演にハリエット・サンソム・ハリス、ジェーン・カーティン、ゾーイ・ウィンターズ。
作品情報
日本版タイトル:『カミング・ホーム』
原題:Jules
製作年:2023年
日本公開日:2026年3月20日
ジャンル:SF/コメディ/ドラマ
製作国:アメリカ
原作:無
上映時間:87分
監督:マーク・タートルトーブ
脚本:ギャヴィン・ステクラー
製作:デボラ・リーブリング/アンディ・デイリー/マイケル・B・クラーク/アレックス・タートルトーブ/マーク・タートルトーブ
製作総指揮:デヴィッド・バウシュ
撮影:クリストファー・ノア
編集:アイェレット・ギル=エフラット
作曲:フォルカー・ベルテルマン
出演:ベン・キングズレー/ハリエット・サンソム・ハリス/ジェーン・カーティン/ゾーイ・ウィンターズ/ジェイド・クオン
製作:ビッグ・ビーチ
配給:ブリーカー・ストリート(北米)
あらすじ
アメリカの静かな町。妻を亡くし孤独に暮らす老人ミルトンは、物忘れが進みながらも穏やかな日々を送っていた。ある日、彼の裏庭に突然UFOが墜落し、中から小さな宇宙人が現れる。ミルトンは隣人たちと協力してその宇宙人をかくまうが、やがて政府の追跡が迫り、思いがけない騒動へと発展していく。
主な登場人物(キャスト)
ミルトン(ベン・キングズレー):妻を亡くし、アメリカの小さな町でひとり暮らす高齢の男性。物忘れに悩みながらも静かな生活を送っていたが、裏庭にUFOが墜落したことをきっかけに宇宙人と出会い、思いがけない出来事に巻き込まれていく。
サンディ(ハリエット・サンソム・ハリス):ミルトンの隣人で、町の会合などにも顔を出す知人の女性。社交的で、宇宙人の存在を知った後はその世話を積極的に手伝い、奇妙な出来事に関わっていく。
ジョイス(ジェーン・カーティン):ミルトンのもうひとりの隣人。控えめで内向的な性格だが、宇宙人を守ろうとするミルトンとサンディに協力し、次第に行動を共にするようになる。
デニス(ゾーイ・ウィンターズ):ミルトンの娘。町で暮らす父の様子を気にかけており、物忘れなどの症状が見え始めた父の生活を心配している。ミルトンがUFOの墜落や宇宙人の存在を語っても周囲と同様なかなか信じない。
ジュールズ(ジェイド・クオン):ミルトンの庭に墜落したUFOに乗っていた宇宙人。言葉は話さないが穏やかな性格で、ミルトンや隣人たちと奇妙で温かな交流を築いていく。
簡易レビュー・解説
庭に墜落したUFOと宇宙人との交流を通じて、孤独な老人と近所の女性たちの関係が少しずつ変化していく様子を描くSFコメディドラマ。派手な宇宙人映画とは異なり、小さな町の日常を舞台に、人と人とのつながりや老い、孤独といったテーマを穏やかなユーモアとともに描いている点が特徴である。
監督は映画『リトル・ミス・サンシャイン』などのプロデューサーとして知られるマーク・タートルトーブ。脚本はギャヴィン・ステクラーが担当した。主演のベン・キングズレーを中心に、ハリエット・サンソム・ハリス、ジェーン・カーティンらが共演し、宇宙人との不思議な出会いがもたらす温かな人間ドラマを描き出している。
北米では2023年に公開され、レビュー集積サイトRotten Tomatoesでは批評家から比較的好意的な評価を集めた。SFという設定を用いながらも、実際には人生の晩年やコミュニティの絆を見つめたヒューマンドラマとして受け止められている。
作品トリビア
宇宙人はCGではなく“実際の俳優+特殊メイク”で表現されている
近年のSF映画ではCGIが主流だが、本作の宇宙人ジュールズは女優ジェイド・クオンが特殊メイクを装着して演じている。メイクは11個のパーツからなる全身プロステティックで、装着には毎回約4〜5時間を要したという。これは俳優同士の演技のリアリティを重視した監督の意向によるものである。
UFOは実物セット(約40フィート)で制作された
墜落した宇宙船もCGではなく実物の巨大プロップとして制作された。インタビューによると、宇宙船は約40フィート(約12メートル)規模で、複数パーツに分解して現場で組み立てて撮影されたという。
クラシックSFへのオマージュがデザインの参考になっている
宇宙船や宇宙人のデザインは、監督がプロダクションデザイナーと共に『地球が静止する日』など1950~60年代のクラシックSF映画を参考にして考案された。
俳優陣は脚本を読んで“すぐ出演を決めた”
監督によると、ベン・キングズレーをはじめとする主要キャストは脚本を読んで即座に出演を了承したという。脚本のユニークさとテーマ性が理由だったと語られている。
ライター/エディター/映画インスタグラマー。2019年に早稲田大学法学部を卒業。東京都職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)やYouTubeチャンネル「cula 見て聞く映画マガジン(旧:アルテミシネマ)」においても映画や海外ドラマ、音楽といったカルチャーに関する情報レビューを発信している。
