新作映画『ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション』を紹介&レビュー。
10月24日(金)公開の『ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション』は、ルーク・エヴァンス、グイ・ルンメイ、サン・カンを主演に迎え、タイトルが示す通り台湾を舞台に繰り広げられるカー&バトルアクション映画だ。
『ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション』あらすじ
物語は、麻薬取締局(DEA)の捜査官ジョン(ルーク・エヴァンス)が億万長者クワン(サン・カン)の麻薬密売組織への潜入捜査に失敗するところから始まる。クワンの帳簿データを持つという匿名メールがジョンのもとに届くが、上司からは休暇を命じられてしまう。ジョンは休暇を口実に台北へ飛び、メールの送り主との接触を試みる。送り主はクワンの養子レイモンド。その母であり、クワンの妻でもある人物は、ジョンが十数年前に台北での捜査中に出会い、恋に落ちたジョーイ(グイ・ルンメイ)だった。ジョーイはかつて天才的なドライブテクニックで裏社会に雇われ、違法な物品を運ぶトランスポーターとして名を馳せた女性だ。ジョンは密かに招集した仲間とともにデータの受け取りを図るが、事態を察知したクワンの部下たちと銃撃戦に突入し、窮地に立たされる。ジョーイはレイモンドを守るため、追跡の手から逃れ身を潜めるが……。
レビュー
本作は1990年代のB級アクションを思わせる王道のアクションサスペンスで、小気味よいテンポで進む見やすい1作だ。カーアクションあり、格闘アクションありの派手な展開が続き、特に楽しいカーチェイスシーンが作品全体を牽引している。
アクション自体に目新しさがあるわけではなく、常套的な見せ方が多い。アクション重視の構成ゆえに人物造形や感情の掘り下げもやや物足りなさを感じる部分はある。それでも、ルーク・エヴァンス演じるジョンの豪快なアクションや、女性主人公ジョーイの卓越した運転技術を活かしたスピーディなカーアクションは素直に楽しめる。また、子どもが持つ無邪気で無謀な、それでいて愚直な正義感がサスペンスの要素として機能し、物語にスリリングな緊張感を与えている点も印象的だ。

『ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション』© 2024 – EUROPACORP
タイトルが示す通り、台湾を舞台にしたアクションであることを全面に打ち出したコンセプトは、間違いなく本作の大きな魅力だ。台湾という舞台を存分に味わわせようとする製作陣の意気込みが伝わってくる。都市部の喧騒から入り組んだ裏路地、ネオンきらめくゲームセンターに至るまで、台湾の風情を余すところなく活かした映像は、アメリカやイギリスを舞台にした作品では得られない独自の魅力を放っている。
加えて、台湾や香港映画に特有のアジアンロマンスを意識したようなシーンも散りばめられており、世界観の構築に遊び心と愛情が感じられる仕上がりになっている。

『ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション』より © 2024 – EUROPACORP
そして、ありきたりになりかねないアクション面、ドラマ面を補完し、魅力的な1作として成立させたのは紛れもなくキャストの力だ。『ワイルド・スピード』シリーズのルーク・エヴァンスとサン・カンが、ワイスピでの善玉悪玉の立場を入れ替えて演じる二人のキャラクターは、両俳優の色気と存在感によって実に魅力的に仕上がっている。ルーク・エヴァンスはあの端正なビジュアルだからこそ際立つ芝居がかった色男ぶりを発揮し、サン・カンはいつもの柔和な雰囲気を一転させ、悪役としての狂気を解き放つ。

サン・カン、『ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション』より © 2024 – EUROPACORP
そして本作を真に引き締めたのが『Dear Stranger』のグイ・ルンメイだ。タフで聡明、車を知り尽くし運転技術も一流というクールさと、同時に繊細な感情を内に秘めたキャラクターを、決して厚いとは言えない脚本の中で演技力によって見事に表現してみせた。今後も注目すべき俳優だ。

『ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション』© 2024 – EUROPACORP
『ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション』は10月24日(金)公開。台湾旅行気分とハイスピードドライブの興奮を同時に味わえる1作を、劇場で体感してほしい。


