『死霊館 最後の儀式』マイケル・チャベス監督が語る、“最終章”の裏にあった『LOGAN/ローガン』の影響と『エンドゲーム』的幕引き

『死霊館 最後の儀式』より © 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved NEWS
『死霊館 最後の儀式』より © 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

『死霊館 最後の儀式』でシリーズを締めくくったマイケル・チャベス監督が、『LOGAN/ローガン』の影響やカメオ構想を語る。


(※この記事には『死霊館 最後の儀式』のネタバレを含みます)

『死霊館 最後の儀式』でシリーズを締めくくったマイケル・チャベス監督が、『LOGAN/ローガン』から受けた影響や構想段階での未実現カメオ出演について語った。本作は“ウォーレン夫妻の物語の完結編”として制作され、全世界で4億8200万ドル超の興行収入を記録。現在、日本では10月17日(金)より全国で公開中だ。

『LOGAN/ローガン』が導いた“静かな最終章”

シリーズ第4作にして「最終作」と銘打たれた『死霊館 最後の儀式』は、悪魔研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻の物語に終止符を打つ作品となった。監督を務めたチャベスは、米『ハリウッド・リポーター』誌の取材に対し、「完全に終わりだよ。絶対に最後。もう『死霊館』の映画はないよ」と茶目っ気たっぷりに語っている。

本作の終盤では、ロレインが祖父母としての未来を見つめる幻視によって幕を閉じるが、チャベスが目指したのは“派手な総決算”ではなく、静かで親密な別れだった。彼はその着想を『LOGAN/ローガン』から得たと明かし、「『ローガン』が大規模な悪役総登場の映画ではなかったところが好きだった」と述べている。すべての悪魔を呼び戻すような大仕掛けではなく、限られた人間関係の中で感情の深みを描くことが、シリーズの終焉にふさわしいと考えたのだ。

構想されたカメオ出演と“ファーミガ姉妹”の絆

『最後の儀式』のラストには、エド(パトリック・ウィルソン)が義理の息子トニー(ベン・ハーディ)へバトンを渡し、その後にジュディ(ミア・トムリンソン)とトニーの結婚式が描かれる。このシーンは、シリーズの歴史を総括する“別れの儀式”のような場面であり、チャベス監督は「『アベンジャーズ/エンドゲーム』のトニー・スタークの葬儀のような瞬間を『死霊館』に持たせたかった」と説明する。

『死霊館 最後の儀式』より © 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

『死霊館 最後の儀式』より © 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

式には、リリー・テイラーとマッケンジー・フォイが第1作『死霊館』(2013年)のキャロリンとシンディとして再登場し、ジェームズ・ワンもカメオ出演を果たした。一方で、ジョーイ・キングロン・リヴィングストンらの出演はスケジュールの都合で実現しなかった。

さらに監督は、ヴェラ・ファーミガの実妹で『死霊館のシスター』シリーズに登場するタイッサ・ファーミガにも出演を打診していたという。「タイッサにテキストを送って、『結婚式にちょっと顔を出してよ、カメオとして。(25年の)年齢差とかは気にしないから』って言ったんだ。でも彼女は何か撮影中で、それができなかったんだよね」と振り返る。姉妹が劇中でも“血縁”であるという設定が明かされているだけに、ファンにとっては見逃せない構想だった。

「自分たちの条件で終わらせたかった」―監督が語る制作背景

チャベス監督は、『最後の儀式』を“ウォーレン夫妻の最終章”とする決断について、「本当に、自分たちの条件で終わらせたいという思いから生まれたんだ」と語る。子どもの頃に親しんだ『エルム街の悪夢』シリーズを引き合いに出し、「彼らは作れなくなるまで作り続けた」とした上で、「『最後の儀式』の希望は、すべてをまとめる最終章を語り、シリーズに本当にすばらしい終わりを与えることだった」と振り返る。

『死霊館 最後の儀式』より © 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

『死霊館 最後の儀式』より © 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

また、前作『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』の公開時期がパンデミックと重なったことにも触れ、「映画が公開されるかどうかもわからなかった。世界が生き残るかどうかもわからなかった」と述懐。「あの時代を考えればすばらしい成績だった」と語り、その経験が“終わり方”への意識をより強くしたことを示唆した。

さらに彼は、続編のための仕掛けを意図的に排したとも明かしている。「ニュー・ライン・シネマはいつも『観客に続編が欲しいと言わせろ』と言うんだ」と語り、まずは1本の映画として完璧にすることを最優先したという。その姿勢が、本作の余韻あるラストにも結びついている。

映画以外のインスピレーション源へ―チャベス監督の次なる視点

近年のチャベス監督は、映画以外の領域から着想を得ることに強い関心を寄せている。「ShotDeckというすばらしいサイトがあって、とても人気になったんだ。様々な古典的な映画からのこれらすべての画像があって、みんながそれを参考として使っている」と語る一方で、「ただ映画を参照しているだけじゃなく、実際に現実世界を参照している」とも述べている。

彼が前作『死霊館のシスター 呪いの秘密』で着想を得たのは、1950年代のストリート写真だったという。そこには、ホラーという枠を超えて“時代の空気”を映し出す視点があった。「以前は聞いたことがなかったかもしれない写真家からすばらしいアイデアを得ることができる」と語るように、監督は映画以外の視覚資料を通じて、より深く、広い創作を志向している。

「僕がテーブルに持ってくる参考資料がより深く、より広くなった時、僕の映画製作はより良くなったと思うよ」。その言葉は、シリーズを終えた今も、創作への探究心を失わないチャベス監督の次なる一歩を示している。

作品情報

タイトル:『死霊館 最後の儀式』
2025年10月17日(金)より全国公開中
監督:マイケル・チャベス
出演:パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ、ベン・ハーディ、ミア・トムリンソン ほか
© Warner Bros. Entertainment Inc.

cula をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む