アナ・デ・アルマスおすすめ映画10選|『バレリーナ』主演で話題のアナが歩んだキャリアと代表作を紹介

アナ・デ・アルマスの代表作を紹介 FILMS/TV SERIES
アナ・デ・アルマスの代表作を紹介

アナ・デ・アルマスが主演を務める『バレリーナ:The World of John Wick』のジャパンプレミアが開催され、話題沸騰中の彼女がついに来日を果たした。『ジョン・ウィック』シリーズのスピンオフ作品として注目を集める本作だが、その主役に抜擢されたアナは、いまやハリウッドを代表するスターのひとりとして広く知られている。

キューバ出身の彼女がどのようにして国際的なキャリアを築いてきたのか―今回は、彼女の来日を記念して、これまでの代表的な出演作を10本ピックアップ。アナ・デ・アルマスの進化と魅力を、作品ごとに振り返っていく。

『カリブの白い薔薇』(2006)|16歳で踏み出した第一歩

アナ・デ・アルマスがスクリーンに初めて登場したのは、2006年公開のスペイン=キューバ合作映画『カリブの白い薔薇』(原題:Una rosa de Francia)だった。撮影時はわずか16歳。キューバの地で本格的な撮影に臨んだ彼女は、ヒロインのマリー役に抜擢され、鮮烈なデビューを飾った。

『カリブの白い薔薇』より

『カリブの白い薔薇』より

監督はマヌエル・グティエレス・アラゴン、共演にはホルヘ・ペルゴリアらベテラン俳優が名を連ね、初出演とは思えぬ堂々たる存在感が注目を集めた。本作をきっかけにスペインのエージェントとの縁が生まれ、18歳でマドリードへ移住。のちにテレビドラマへの出演を重ね、国際的なキャリアの礎を築いていく。この1本が、すべての始まりだった。

『ノック・ノック』(2015)|言葉の壁を越えてハリウッドで衝撃デビュー

アナ・デ・アルマスが英語作品に初めて挑んだのが、2015年のサイコスリラー『ノック・ノック』だった。イーライ・ロス監督のもと、キーアヌ・リーヴス演じる主人公を翻弄する謎の美女ベル役を熱演。当時、英語をほとんど話せなかった彼女は、台詞をすべてフォネティック(音写)で覚え、演技に挑んだという。

『ノック・ノック』©2014 Camp Grey Productions LLC

『ノック・ノック』©2014 Camp Grey Productions LLC

異国の地での撮影は孤独で苦しいものであったと本人は振り返るが、「自分を証明したかった」と語るその姿勢が、この作品に強い説得力を与えている。本作は、アナにとってハリウッド進出の第一歩。言葉の壁を越えて築かれた挑戦が、のちの『ブレードランナー 2049』『ナイブズ・アウト』など、大作への出演へとつながっていく。

『スクランブル』(2017)|主人公の恋人役で放った存在感-英語圏進出期のアクション作

2017年公開のアクション・スリラー『スクランブル』(原題:Overdrive)は、アナ・デ・アルマスにとって英語圏でのキャリア初期にあたる1本。南フランスを舞台に、高級車を巡る犯罪チームの駆け引きを描く本作で、彼女は主人公アンドリューの恋人ステファニー役を演じた。チームの一員として、時に誘拐され、時に計画遂行の鍵を握る存在となるなど、物語の中でも印象的な役割を担っている。

『スクランブル』©2016 OVERDRIVE PRODUCTIONS –KINOLOGY– TF1 FILMS PRODUCTION –NEXUS FACTORY

『スクランブル』©2016 OVERDRIVE PRODUCTIONS –KINOLOGY– TF1 FILMS PRODUCTION –NEXUS FACTORY

批評の声は分かれたが、米『ハリウッド・リポーター』は「ありがちな脇役ながらも、想像以上のカリスマ性を放っている」と彼女の存在感を評価。のちに国際的評価を得る『ブレードランナー 2049』と同年に公開された本作は、アナの飛躍の直前に位置する貴重なステップとして記憶されている。

『ブレードランナー 2049』(2017)|幻想と実在の狭間で輝いた存在、ジョイ

アナ・デ・アルマスの国際的ブレイクのきっかけとなったのが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、ライアン・ゴズリング主演によるSF大作『ブレードランナー 2049』(2017年)だ。彼女が演じたのは、本作におけるファム・ファタール的な存在であり、ホログラムとして登場するAI“ジョイ”。デジタルな存在でありながら、三次元的な温もりを漂わせる演技は高く評価され、批評家たちからも称賛を受けた。

『ブレードランナー 2049』

『ブレードランナー 2049』

視覚表現と音響演出が融合したキャラクターとしても注目され、彼女の表現力が映像技術とともに際立つ一作となった。本作によってサターン賞助演女優賞にノミネートされたアナは、以降『ナイブズ・アウト』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』へと躍進。キャリアの分水嶺ともいえる記念碑的作品である。

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)|“嘘が吐けない”看護師が映した真実、決定的なブレイク

密室殺人ミステリー『ナイブズ・アウト』(2019年)で、アナ・デ・アルマスが演じたのは、亡き富豪作家の看護師マルタ・カブレラ。嘘をつくと嘔吐してしまうという特異な設定を通じて、道徳的な重心を担うキャラクターとして物語の中心に据えられた。

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』©2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』©2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

当初は“ラテン系のかわいい介護士”という説明に不安を感じたというが、脚本を読み進めるうちにキャラクターの深みに共鳴し、自身の移民としての背景と重ねながら演じ切ったと語る。演技は高く評価され、ゴールデングローブ賞ノミネート、サターン賞助演女優賞の受賞など、多くの映画賞に名を連ねることとなった。ラテン系移民の視点を含んだ社会的テーマも評価を集め、彼女の名は一気に広がっていく。ここから、ハリウッドのスターとしての道が本格的に始まった。

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)|短い登場で鮮やかに爪痕を残したパロマ役

アナ・デ・アルマスが世界中の観客に強烈な印象を与えたのが、ダニエル・クレイグ版ボンド最終章『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021年)でのCIAエージェント、パロマ役だ。登場時間は限られていたが、陽気で奔放、しかし戦闘では驚異的な能力を見せるという二面性のあるキャラクター像が話題を呼び、Screen Rantでは「007シリーズの未来を示す存在」とも評された。

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』© 2021 DANJAQ, LLC AND METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC.

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』© 2021 DANJAQ, LLC AND METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC.

監督のキャリー・ジョジ・フクナガが彼女を念頭に書き下ろした役であり、キューバ出身という設定もアナのルーツに基づいたもの。本人も「夢が叶ったようだった」と振り返っている。アクション映画におけるラティーナ女性の活躍がまだ少ない中、アナの存在はその流れを切り拓く象徴的な一歩となった。短時間の出演でこれほど強い印象を残した“新時代のボンドガール”は、記憶に深く刻まれている。

『グレイマン』(2022)|銃と信念を手にしたCIAエージェント役

Netflix史上屈指の巨額予算で製作されたスパイ・アクション『グレイマン』(2022年)で、アナ・デ・アルマスはCIAのエージェント、ダニ・ミランダ役として登場。任務への責任感に突き動かされる前線の実働部隊として、ライアン・ゴズリング演じる主人公シックスと共に敵に立ち向かう。ロケットランチャーや銃火器の扱いを、元デルタフォース隊員のトレーナーから徹底的に学んだというアナは、華やかさだけでない“戦う身体”をスクリーンに刻みつけた。

『グレイマン』Netflixにて独占配信中

『グレイマン』Netflixにて独占配信中

ルッソ兄弟監督が意図したのは「恋愛対象ではない女性エージェント」。その狙い通り、彼女はミッションと信頼を軸に物語の中核を支えた。『007』を経て進化した彼女が、今作でさらにアクション畑での存在感を高めた。

『ブロンド』(2022)|虚像と実像のはざまで生きる痛み、“俳優アナ”の覚悟を見せる

2022年、アナ・デ・アルマスはNetflix配信の伝記ドラマ『ブロンド』で、マリリン・モンロー=ノーマ・ジーンという伝説的存在の内面に挑んだ。プロテーゼなし、細部の仕草とメイク、そして9か月間に及ぶ方言指導を経て作り上げた“JFKの愛人”ではない一人の女性の姿。感情を抑える演技指導のもと、怒りや苦悩を身体に沈めて演じたアナの姿は、「恐るべきコミットメント」(Empire)と称され、ヴェネツィア国際映画祭では14分にわたるスタンディングオベーションを受けた。

『ブロンド』Netflixにて独占配信中

『ブロンド』Netflixにて独占配信中

映画自体は過激な描写を含み賛否を呼んだが、アナの演技は圧倒的な支持を集め、キューバ出身俳優として初のアカデミー賞主演女優賞ノミネートという歴史的な快挙へとつながる。俳優としての“深さ”と“覚悟”を証明した渾身の1本である。

『ゴーステッド Ghosted』(2023)|再共演で挑んだ“恋と銃弾”の二重奏

Apple TV+オリジナル作品『ゴーステッド』(2023年)で、アナ・デ・アルマスは再びCIAエージェント役に挑戦。クリス・エヴァンスとの3度目の共演となる本作では、ロマンスとアクションを掛け合わせたヒロイン“サディー・ローデス”を演じた。表向きはアートキュレーター、しかし正体は国家任務を背負うスパイという二面性を持つ役柄に、アナは内面の葛藤や責任感を繊細に織り込もうと試みている。

『ゴーステッド Ghosted』より ©Apple TV+

『ゴーステッド Ghosted』より ©Apple TV+

ストリーミングでは好調な初動を記録した一方、批評的には脚本の粗さや主演ふたりのケミストリー不足が指摘され、演技力を持て余している印象も。アナにとっては、アクションと感情演技を両立させる難役への挑戦であり、評価は分かれながらも次なる展開への一歩となった作品である。

『バレリーナ:The World of John Wick』(2025)|“新たなジョン・ウィック”物語で見せる、沈黙の中に燃える復讐心

ジョン・ウィック・シリーズ初の女性主役スピンオフ『バレリーナ:The World of John Wick』で、アナ・デ・アルマスは冷静な復讐者イヴ・マカロを演じる。幼少期に家族を失い、闇の組織「ルスカ・ロマ」で暗殺者として育てられた彼女が、父の仇を討つために旅に出るという物語。

『バレリーナ:The World of John Wick』®, TM & © 2025 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

『バレリーナ:The World of John Wick』®, TM & © 2025 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

本作では、アナが表情や身体の動きだけでキャラクターの怒りと悲しみを表現し、セリフに頼らない演技で観客の心を打つ。アイススケートブレードや投擲武器を使った流麗なアクションは、バレリーナの優雅さと殺し屋の冷徹さを同居させた斬新な戦闘美を生み出している。アナ自身が「男性主導のアクションからの脱却」を掲げる本作は、シリーズの世界観を踏襲しつつ、女性の視点で再構築された“もう一つのジョン・ウィック”だ。


『バレリーナ:The World of John Wick』は、2025年8月22日(金)より全国公開。 アナ・デ・アルマスが体現する新時代のアクションヒロイン像に、ぜひ注目してほしい。

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