『タンゴの後で』が9月5日に公開―マリア・シュナイダーの人生に迫る。
マリアの叫びが時を超えて届く―『タンゴの後で』場面写真が解禁
ベルナルド・ベルトルッチ監督による問題作『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972年)の撮影の裏で起きた“悲劇”を描く映画『タンゴの後で』が、9月5日(金)より全国公開される。このたび、本作の場面写真11点が新たに解禁された。
19歳の若さでマーロン・ブランドと共演し、一夜にして時代の象徴となった女優マリア・シュナイダー。しかし、詳細を知らされないまま挑んだ過激な性描写シーンが彼女に大きな傷を残し、その後の人生にも暗い影を落とすこととなった。#MeToo運動をきっかけに再び注目を集めるその“声”に耳を傾ける作品が、50年の時を超えてスクリーンに届く。
主人公マリアを演じるのは、フランス映画界の新鋭アナマリア・ヴァルトロメイ。『あのこと』『ミッキー17』など注目作への出演が続く彼女が、繊細かつ力強くマリアの内面を体現する。また、マリアの相手役であるブランドを演じるのは、映画ファンに長年愛されてきたマット・ディロン。敬愛するブランド役を演じた彼は、撮影後「どうしてこんなことができたんだ」と語り、当時の葛藤と衝撃を想像させる。
スキャンダルの裏で傷ついた少女―映画と実人生の境界線
1972年に公開された『ラストタンゴ・イン・パリ』は、性の解放と芸術性の名のもとに、当時の映画界に衝撃を与えた問題作として知られる。だがその裏で、主人公ジャンヌを演じた19歳のマリア・シュナイダーは、撮影時に自身も知らされていなかった過激な性描写を強いられ、深いトラウマを抱えることとなった。
共演したマーロン・ブランドと監督のベルナルド・ベルトルッチが即興的に決定したとされるこのシーンは、撮影後もマリアの人生に大きな傷跡を残し、世間からの非難の矢面にも立たされた。声を上げても届かず、孤独の中で薬物依存にも苦しんだ彼女は、それでもなお女優であることをやめなかった。
やがて#MeToo運動の高まりとともに、マリアの当時のインタビューや発言が再び掘り起こされ、世間の見方は大きく変わり始める。『タンゴの後で』は、当時かき消されたひとりの女優の“叫び”に正面から向き合い、その内なる闘いを描いていく。
家族の視点から綴られた人生―マリアの声がいま届く
『タンゴの後で』の原作は、マリア・シュナイダーのいとこでジャーナリストでもあるヴァネッサ・シュナイダーによる評伝「あなたの名はマリア・シュナイダー:『悲劇の女優』の素顔」(早川書房・刊)。近しい親族として、幼少期からマリアの歩みを見つめてきたヴァネッサが、その生涯を家族の目線から丁寧に綴っている。
作品では、マリア本人の言葉に加え、晩年まで支援を続けたアラン・ドロンやブリジット・バルドーの証言、そして後年になって語られたベルトルッチ監督の謝罪やブランドとの複雑な関係にも触れられている。スターとしての表舞台とは裏腹に、孤独と闘いながら演じ続けたひとりの女性の姿が描き出されていく。
#MeToo運動が世界を揺るがす中、マリアの沈黙は再評価され、彼女の“声”がようやく届く時代が訪れつつある。フランスでは現在、マリアの復権とともにエンタメ業界における構造的な問題への見直しも進められており、本作はその象徴的な一歩となる。
作品情報
タイトル:タンゴの後で
原題:Maria/英題:Being Maria
原作:「あなたの名はマリア・シュナイダー :『悲劇の女優』の素顔」(早川書房)
監督・脚本:ジェシカ・パルー
出演:アナマリア・ヴァルトロメイ、マット・ディロン、ジュゼッペ・マッジョ、イヴァン・アタル、マリー・ジラン
公開日:2025年9月5日(金)
2024年|フランス|フランス語|102分|カラー|5.1ch|PG-12|日本語字幕:岩辺いずみ
© LES FILMS DE MINA / STUDIO CANAL / MOTEUR S’IL VOUS PLAIT / FIN AOUT
配給:トランスフォーマー
公式サイト:transformer.co.jp/m/afterthetango
X:@afterthetango













