映画『とっととくたばれ』(2018)を紹介&解説。
映画『とっととくたばれ』概要
映画『とっととくたばれ』は、ロシアの新鋭キリル・ソコロフ監督が手がけたバイオレンス・スリラー。恋人の父親を殺すため、ハンマーを隠し持ってアパートを訪れた青年が、予想以上に手ごわい悪徳刑事と対峙し、密室で血みどろの騒動を繰り広げていく。ブラックユーモア、過激なゴア描写、ポップな色彩設計を組み合わせた長編デビュー作で、出演はアレクサンドル・クズネツォフ、ヴィタリー・カエフ、エフゲーニヤ・クレッグツェ、ミハイル・グレヴォイら。
作品情報
日本版タイトル:『とっととくたばれ』
原題:Papa, sdokhni!/Why Don’t You Just Die!
製作年:2018年
本国公開日:2019年4月4日
日本公開日:2020年10月30日
ジャンル:バイオレンス/スリラー/ブラックコメディ
製作国:ロシア
原作:無
上映時間:100分
映倫区分:PG12
監督:キリル・ソコロフ
脚本:キリル・ソコロフ
製作:ソフィコ・キクナヴェリゼ/エレナ・ゲラゼ
製作総指揮:エレナ・ビコワ
撮影:ドミトリー・ウリュカエフ
編集:キリル・ソコロフ
作曲:ヴァディム・カルペンコ/セルゲイ・ソロヴィヨフ
出演:アレクサンドル・クズネツォフ/ヴィタリー・カエフ/エフゲーニヤ・クレッグツェ/ミハイル・グレヴォイ/エレーナ・シェフチェンコ
製作:ホワイト・ミラー・フィルム・カンパニー
配給:ブラウニー(日本)
あらすじ
青年マトヴェイは、恋人オーリャから父親アンドレイの殺害を頼まれ、ハンマーを隠し持って彼のアパートを訪れる。だが、アンドレイはただの父親ではなく、暴力と駆け引きに慣れた腐敗刑事だった。計画はすぐに狂い始め、狭い室内ではマトヴェイ、アンドレイ、オーリャ、そして関係者たちの思惑が衝突。隠された金、過去の裏切り、家族の憎悪が絡み合い、密室は予測不能な死闘の場へと変わっていく。
主な登場人物(キャスト)
マトヴェイ(アレクサンドル・クズネツォフ):オーリャの恋人。彼女の言葉を信じ、父親アンドレイを殺すためにアパートを訪れる青年。ハンマーを手にした計画は、想像を超える反撃によって思わぬ方向へ転がっていく。
アンドレイ(ヴィタリー・カエフ):オーリャの父親で、地元警察に勤める腐敗刑事。粗暴で支配的な人物であり、簡単には倒れない異様なタフさでマトヴェイを追い詰める。
オーリャ(エフゲーニヤ・クレッグツェ):マトヴェイの恋人でアンドレイの娘。父への憎しみを抱え、マトヴェイに殺害を持ちかける。
エヴゲーニチ(ミハイル・グレヴォイ):アンドレイの同僚刑事。過去の事件や金をめぐる因縁を抱え、アパートでの混乱に加わることで、事態をさらに危険な方向へ導いていく。
ターシャ(エレーナ・シェフチェンコ):アンドレイの妻で、オーリャの母親。
作品の魅力解説
『とっととくたばれ』の魅力は、密室劇の単純な設定を、血しぶきと笑いが飛び交うハイテンションなバイオレンスへと押し広げている点にある。アパートの一室を主な舞台にしながら、人物の過去や裏切りをテンポよく差し込み、誰が被害者で誰が加害者なのかを揺さぶっていく。
また、過激なゴア描写をただ暗く見せるのではなく、鮮やかな色彩、コミカルな間、誇張されたアクションでポップに処理しているのも特徴である。家族、警察、金、復讐といった重い題材を扱いながら、ブラックコメディとして突き抜けたエネルギーを持つ作品だ。
