『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・魅力まとめ

映画『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』(2018)を紹介&解説。


映画『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』概要

映画『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』は、第二次世界大戦の独ソ戦を舞台に、ナチス・ドイツの捕虜となったソ連軍戦車兵たちが、T-34戦車を奪って決死の脱出に挑む戦争アクション。アレクセイ・シドロフが監督・脚本を務め、本物のT-34を用いた撮影と最先端のVFXを融合し、戦車同士の攻防を豪快かつスタイリッシュに映像化した。主演はアレクサンドル・ペトロフ。共演にイリーナ・スタルシェンバウム、ヴィツェンツ・キーファー、ヴィクトル・ドブロンラヴォフら。

作品情報

日本版タイトル 『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』
原題 T-34
製作年 2018年
本国公開日 2018年12月27日(IMAX先行上映)/2019年1月1日(一般公開)
日本公開日 2019年10月25日
ジャンル 戦争/アクション/ドラマ
製作国 ロシア
原作 無
上映時間 113分(日本公開版/インターナショナル版)
監督・脚本 アレクセイ・シドロフ
脚本 あ
製作 ニキータ・ミハルコフ/ルーベン・ディシュディシュヤン/アントン・ズラトポルスキー/レン・ブラヴァトニックほか
製作総指揮 マイケル・キタエフ
撮影 ミハイル・ミラシン
編集 ドミトリー・コラベルニコフ
作曲 ワディム・マエフスキー/アレクサンドル・トゥルクノフ/イワン・ブルリャエフ/ドミトリー・ノスコフ
出演 アレクサンドル・ペトロフ/イリーナ・スタルシェンバウム/ヴィツェンツ・キーファー/ヴィクトル・ドブロンラヴォフ/アントン・ボグダノフ/ユーリー・ボリソフ
製作 マーズ・メディア・エンターテインメントほか
配給 セントラル・パートナーシップ(ロシア)/ツイン(日本)

あらすじ

第二次世界大戦下の1941年。ソ連軍の新米士官ニコライ・イヴシュキンは、T-34戦車を率いてドイツ軍戦車隊と交戦するが、激戦の末に捕虜となる。時は流れ1944年、収容所で敵軍の戦車戦演習への参加を命じられた彼は、捕虜仲間とT-34を使った大胆不敵な脱出計画を実行に移す。

主な登場人物(キャスト)

ニコライ・イヴシュキン(アレクサンドル・ペトロフ):ソ連赤軍の戦車指揮官。若くして優れた戦術眼と大胆な判断力を持ち、捕虜となった後も屈服せず、仲間たちを率いてT-34による決死の脱出を計画する。

アーニャ・ヤルツェワ(イリーナ・スタルシェンバウム):収容所で通訳を務めるソ連人捕虜。イヴシュキンと出会い、危険を承知で彼らの脱出計画に協力する。

クラウス・イェーガー(ヴィツェンツ・キーファー):ドイツ軍の戦車指揮官。1941年の戦闘でイヴシュキンと死闘を繰り広げ、その戦車兵としての才能を誰よりも理解する宿敵。後に再びイヴシュキンの前に立ちはだかる。

ステパン・ヴァシリョノク(ヴィクトル・ドブロンラヴォフ):イヴシュキン率いるT-34の操縦手。優れた操縦技術を持ち、車長であるイヴシュキンの大胆な指示に応えて戦車を自在に走らせる。

デミヤン・ヴォルチョク(アントン・ボグダノフ):T-34の砲手として脱出計画に参加する捕虜兵。荒々しく勇猛な性格と確かな射撃技術で仲間を支える。

セラフィム・イオノフ(ユーリー・ボリソフ):T-34の装填手。

作品の魅力解説

戦争映画を“戦車アクション”へ振り切る豪快さ

本作最大の魅力は、第二次世界大戦という重い時代を背景としながら、戦車同士の駆け引きを徹底的にアクション映画として研ぎ澄ませた豪快さにある。大爆発や激突、砲撃を惜しみなく盛り込み、砲弾が飛翔して装甲を貫く瞬間には大胆なスローモーションとVFXを使用。使い古されてきたともいえる爆発やスローモーションという映画的表現を、戦車戦という題材に組み合わせることで、改めて強烈な視覚的快感を引き出している。

しかも撮影では本物のT-34が使用され、出演者たちは2か月以上にわたる訓練を経て実際に戦車を操縦した。実車が持つ重量感と現代的なVFXの派手さが共存し、リアルさだけにも荒唐無稽なスペクタクルだけにも寄らない、独特の戦車アクションを作り上げている。

“遅い兵器”だからこそ生まれる戦車戦の緊張感

戦車は人間や自動車のように瞬時に方向転換できず、砲塔を旋回させ、照準を合わせ、砲弾を装填して初めて攻撃できる。本作は一見するとアクションの弱点にも思えるこの“遅さ”を、むしろ最大の武器としている。

敵の砲口がゆっくりとこちらを向き始める中、間一髪で車体を動かして射線から逃れる。互いの戦車が少しずつ砲塔を回し、「どちらが先に照準を合わせるのか」を競う。あるいは地形や建物、装甲の弱点まで計算して敵の裏をかく。銃撃戦のような反射神経中心の速さとは異なり、一手の判断と数秒の時間差が生死を分けるからこそ、戦車戦でしか味わえない強烈なスリルが生まれている。

孤立無援を覆す、最強戦車隊の知略とチームワーク

物語を牽引するのは、圧倒的に不利な状況を知略と技術でひっくり返していくイヴシュキンたちの痛快さだ。敵地の奥深く、頼れる戦力はわずかな仲間と1両のT-34。真正面から物量で勝負すれば勝ち目のない状況で、地形、敵の配置、戦車の性能を読み、乗組員それぞれの技量を最大限に利用して活路を開いていく。

車長、操縦手、砲手、装填手という異なる役割が噛み合って初めて1両の戦車が戦力として完成する点も重要だ。孤立無援の状況でも縦横無尽に立ち回る彼らの姿には、脱出劇、頭脳戦、チームものという複数の面白さが凝縮されている。

なおアレクセイ・シドロフ監督は、ソ連兵が戦車で収容所からの脱走を試みる1965年の映画『鬼戦車T-34』を本作の出発点として挙げている。一方で物語や演出は大幅に再構築され、悲壮な戦争ドラマというより、現代的な映像技術を駆使した熱量の高い戦車アクション・エンターテインメントとして完成している。

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