映画『アン・ハサウェイ 裸の天使』(2005)を紹介&解説。
映画『アン・ハサウェイ 裸の天使』概要
映画『アン・ハサウェイ 裸の天使』は、ロサンゼルスの裕福な家庭で育った女子高生たちが、退屈な日常から抜け出そうと危険なストリートの世界に近づいていく姿を描く青春クライムドラマ。原題は『Havoc』。監督はドキュメンタリー映画で知られるバーバラ・コップル、脚本は『トラフィック』のスティーヴン・ギャガンが手がけた。主演はアン・ハサウェイ、共演にビジュー・フィリップス、フレディ・ロドリゲス、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、マイク・ヴォーゲルら。
作品情報
日本版タイトル:『アン・ハサウェイ 裸の天使』
原題:Havoc
製作年:2005年
本国公開日:2005年11月29日(米国DVD発売)
日本公開日:劇場未公開(2007年4月25日DVD発売)
ジャンル:ドラマ/クライム/青春
製作国:アメリカ/ドイツ
原作:無
上映時間:85分
監督:バーバラ・コップル
脚本:スティーヴン・ギャガン
原案:スティーヴン・ギャガン/ジェシカ・カプラン
製作:ジャック・F・マーフィ/ジョン・モリッシー/スチュワート・ホール
製作総指揮:サミー・リー/アンドレアス・グロッシュ/アンドレアス・シュミット
撮影:クレイマー・モーゲンソー
編集:ナンシー・ベイカー/ジェリー・グリーンバーグ
作曲:クリフ・マルティネス
出演:アン・ハサウェイ/ビジュー・フィリップス/フレディ・ロドリゲス/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/マイク・ヴォーゲル/シリ・アップルビー/マイケル・ビーン/ローラ・サン・ジャコモ/レイモンド・クルス/マット・オリアリー/チャニング・テイタム
製作:メディア8エンターテインメント/スタホール・プロダクションズ/S.R.O.エンターテインメント
配給:ニュー・ライン・ホーム・エンターテインメント(米国)/ジェネオン エンタテインメント(日本DVD)
あらすじ
ロサンゼルスの裕福な家庭で育った女子高生アリソンは、満たされない日常に退屈し、仲間たちと刺激を求める日々を送っていた。ある日、親友エミリーたちとともにヒスパニック街へ向かった彼女は、ドラッグの売人ヘクターと出会う。彼らの荒々しく危険な生き方にひかれていくアリソンだったが、興味本位で踏み込んだ世界は、彼女たちが想像していた“遊び”では済まされない現実を突きつけていく。
主な登場人物(キャスト)
アリソン・ラング(アン・ハサウェイ):ロサンゼルスの裕福な家庭に育った女子高生。退屈な日常と家庭への不満を抱え、刺激を求めて危険なストリートの世界に近づいていく。
エミリー(ビジュー・フィリップス):アリソンの親友。アリソンとともに危険な場所へ足を踏み入れ、やがて取り返しのつかない状況に巻き込まれていく。
ヘクター(フレディ・ロドリゲス):ヒスパニック街でアリソンたちが出会うドラッグの売人。アリソンにとって刺激的な存在として映るが、彼の周囲には暴力や犯罪が現実として存在している。
トビー(マイク・ヴォーゲル):アリソンたちと行動をともにする若者。
サム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット):アリソンの周囲にいる若者のひとり。
作品の魅力解説
本作の大きな見どころは、アン・ハサウェイがそれまでの清楚なイメージから大きく離れ、危うさと孤独を抱えた女子高生アリソンを演じている点にある。単なる“イメージチェンジ”にとどまらず、満たされた環境にいるはずの若者が、なぜ危険なものに引き寄せられてしまうのかを、衝動的な行動と不安定な感情を通して見せている。
また、作品はロサンゼルスの階級差や人種的な分断も背景にしている。裕福な白人ティーンたちが、ヒップホップやギャング文化を“かっこいいもの”として消費しようとする一方で、その先にある現実の暴力や搾取には無自覚である。その落差が、本作に単なる青春サスペンス以上の社会的な緊張感を与えている。
さらに、バーバラ・コップル監督らしい生々しい視線も特徴だ。登場人物たちは決して美化されず、軽率さや幼さ、孤独を抱えたまま破滅的な状況へ進んでいく。後味は重いが、2000年代半ばのアメリカの若者文化や、セレブリティ化していくアン・ハサウェイのキャリア初期を考えるうえでも興味深い一本である。
