『ドクター・ドリトル』(2020)解説|どんな映画?あらすじ・キャスト・魅力・レビューまとめ

映画『ドクター・ドリトル』(2020)を紹介&解説。


映画『ドクター・ドリトル』概要

映画『ドクター・ドリトル』は、ヒュー・ロフティングによる児童文学「ドリトル先生」シリーズを基に、動物と会話できる風変わりな医師の冒険を描くファンタジー・アドベンチャー。スティーブン・ギャガン(『シリアナ』『ゴールド/金塊の行方』)が監督を務め、妻を亡くして世間から心を閉ざしていたドリトルが、病に倒れたヴィクトリア女王を救うため、動物たちと伝説の島を目指す。

主演はロバート・ダウニー・Jr。さらに動物たちの声をエマ・トンプソン、ラミ・マレック、ジョン・シナ、クメイル・ナンジアニ、オクタヴィア・スペンサー、トム・ホランド、ラルフ・ファインズ、セレーナ・ゴメス、マリオン・コティヤールら豪華俳優陣が演じている。

作品情報

日本版タイトル 『ドクター・ドリトル』
原題 Dolittle
製作年 2020年
本国公開日 2020年1月17日
日本公開日 2020年6月19日
ジャンル ファンタジー/アドベンチャー/コメディ
製作国 アメリカ
原作 ヒュー・ロフティング『The Voyages of Doctor Dolittle』(児童文学)ほか「ドリトル先生」シリーズ
上映時間 101分
監督 スティーブン・ギャガン
脚本 スティーブン・ギャガン/ダン・グレゴール/ダグ・マンド
原案 トーマス・シェパード
製作 ジョー・ロス/ジェフ・キルシェンバウム/スーザン・ダウニー
製作総指揮 ロバート・ダウニー・Jr/サラ・ブラッドショウ/ザカリー・ロス/ジョナサン・リーベスマン
撮影 ギレルモ・ナバロ
編集 クレイグ・アルパート/クリス・レベンゾン
作曲 ダニー・エルフマン
出演 ロバート・ダウニー・Jr/アントニオ・バンデラス/マイケル・シーン/ジム・ブロードベント/ジェシー・バックリー/ハリー・コレット/エマ・トンプソン/ラミ・マレック/ジョン・シナ/クメイル・ナンジアニ/オクタヴィア・スペンサー/トム・ホランド/セレーナ・ゴメスほか
製作 ユニバーサル・ピクチャーズ/パーフェクト・ワールド・ピクチャーズ/ロス/キルシェンバウム・フィルムズ/チーム・ダウニー
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ(米国)/東宝東和(日本)

あらすじ

19世紀のイギリス。動物と会話することができる名医ジョン・ドリトルは、最愛の妻リリーを亡くした悲しみから屋敷に閉じこもり、人間社会との関わりを絶っていた。

そんな中、若きヴィクトリア女王が謎の病に倒れる。女王を救うためには、遠く離れた伝説の島にある希少な果実が必要だった。ドリトルは少年スタビンズや個性豊かな動物たちと船に乗り、危険な航海へ出発する。

旅の先では海賊王ラソーリやドリトルを敵視する医師マッドフライらが立ちはだかる。仲間たちとの冒険を通じて、妻の死以来失っていた勇気と生きる意志を取り戻していくドリトル。やがて彼らは女王の命だけでなく、王国を揺るがす陰謀とも向き合うことになる。

主な登場人物(キャスト)

ジョン・ドリトル(ロバート・ダウニー・Jr):動物の言葉を理解し、会話することができる医師兼獣医。妻リリーを失ったことで人間社会から距離を置いていたが、ヴィクトリア女王を救うため再び外の世界へ踏み出す。

トミー・スタビンズ(ハリー・コレット):動物好きの少年。傷ついたリスを助けてもらったことをきっかけにドリトルと出会い、半ば押しかける形で弟子となって冒険に同行する。

ポリー(エマ・トンプソン):ドリトルの最も信頼する仲間であるオウム。人間から距離を置くようになったドリトルを支えながら、一行をまとめる重要な存在。

チーチー(ラミ・マレック):大柄な体に反して臆病なゴリラ。さまざまな恐怖に怯えながらも、冒険の中で勇気を振り絞っていく。

ヨシ(ジョン・シナ):陽気なホッキョクグマ。寒さを嫌うという変わった性格の持ち主で、ダチョウのプリンプトンとは何かと張り合う。

ダブダブ(オクタヴィア・スペンサー):義足をつけたアヒル。少々そそっかしいものの明るく、ドリトル一行の賑やかなムードメーカーとなる。

ジップ(トム・ホランド):眼鏡をかけた忠実な犬。優れた嗅覚を使ってドリトルを助ける。

ケヴィン(クレイグ・ロビンソン):スタビンズに撃たれたことから彼を恨んでいるリス。妙に気取った態度と強烈な復讐心で笑いを生み出す。

ブレア・マッドフライ(マイケル・シーン):ドリトルに強烈な対抗意識を抱く医師。女王の治療とドリトルの航海をめぐって暗躍する。

作品の魅力解説・レビュー

豪華俳優陣が演じる、可愛くもクセの強い動物たち

本作で最も気楽に楽しみやすいのは、ドリトルの周囲に集まった個性豊かな動物たちの掛け合いだろう。

気弱なゴリラのチーチー、妙に陽気なホッキョクグマのヨシ、神経質なダチョウのプリンプトン、そそっかしいアヒルのダブダブ、気取った態度で復讐に燃えるリスのケヴィンなど、次々と癖の強いキャラクターが登場する。

特に小さな生き物まで妙にキャラクターが濃く、幸運と不運の狭間を飛び回るトンボのジェームズや、愛らしいフクロモモンガのミニなど、メインストーリーとは直接関係の薄い部分にも笑いが詰め込まれている。

子ども向けらしいドタバタと動物たちの可愛さに振り切った場面には、本作ならではの親しみやすさがある。

エマ・トンプソンやオクタヴィア・スペンサーら豪華声優陣

動物キャラクターのボイスキャストは非常に豪華だ。

ポリー役のエマ・トンプソンは、単なる賑やかしではなく、傷ついたドリトルを理解し導く一行の精神的支柱として落ち着きのある芝居を披露。『美女と野獣』のポット夫人をはじめ声の演技でも存在感を発揮してきた俳優らしく、数多くの動物が入り乱れる中でも際立っている。

オクタヴィア・スペンサー演じるダブダブのコミカルさ、ラミ・マレック演じるチーチーの気弱さ、ジョン・シナとクメイル・ナンジアニによるヨシとプリンプトンの掛け合いも楽しい。

CGの動物たちにこれだけのスター俳優を投入するという、良くも悪くも非常に贅沢な作品である。

低年齢層向けの娯楽として割り切れば気楽に楽しめる

一方で、作品全体の完成度については評価が厳しい。

物語はかなり駆け足で、女王暗殺をめぐる陰謀、ドリトルの妻への喪失感、少年スタビンズの成長、悪役との対決、伝説の島への冒険と、多くの要素を101分に詰め込んでいる。そのため各エピソードが十分に掘り下げられないまま次へ進み、展開の強引さや唐突さが目につく場面も少なくない。

実際、批評家からの評価は厳しく、緻密なファンタジー映画や壮大な冒険映画を期待すると物足りなさが残る。

ただし、最初から子供を主なターゲットとした軽いファミリー・アドベンチャーとして見るならば、次々と現れる動物たちのギャグや冒険を気楽に眺められる作品でもある。「大作だから」とハードルを上げずに接した方が、本作の長所を拾いやすい。

ロバート・ダウニー・Jr.×トム・ホランドの再共演

MCUでトニー・スターク/アイアンマンとピーター・パーカー/スパイダーマンを演じたロバート・ダウニー・Jr.とトム・ホランドが早くも再共演している点も注目ポイント。

ただしホランドが担当するのは犬のジップの声で、作品全体における出番はそれほど多くない。そのためMCUの“師弟コンビ”による掛け合いを期待すると少々肩透かしではある。

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