映画『コンティニュー』(2021)を紹介&解説。
映画『コンティニュー』概要
映画『コンティニュー』は、ジョー・カーナハン監督(『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』)が、同じ一日の中で殺され続ける男の戦いを描いたSFアクション。元特殊部隊員の主人公が、死と復活を繰り返しながら敵の行動パターンを攻略し、タイムループの真相へ迫っていく。主演はフランク・グリロ。共演にはメル・ギブソン、ナオミ・ワッツ、ミシェル・ヨーらが名を連ねる。
作品情報
| 日本版タイトル | 『コンティニュー』 |
|---|---|
| 原題 | Boss Level |
| 製作年 | 2021年 |
| 本国公開日 | 2021年3月5日(Hulu配信) |
| 日本公開日 | 2021年6月4日 |
| ジャンル | SF/アクション/スリラー |
| 製作国 | アメリカ |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 100分 |
| 監督 | ジョー・カーナハン |
|---|---|
| 脚本 | クリス・ボーレイ/エディ・ボーレイ/ジョー・カーナハン |
| 製作 | ジョー・カーナハン/ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ/マーク・ヴァーラディアン/ランドール・エメット/フランク・グリロ/ジョージ・ファーラ |
| 製作総指揮 | バイロン・アレン/マーク・ボード/アラステア・バーリンガム/クリス・カランブス/クリステル・コナン |
| 撮影 | フアン・ミゲル・アスピロス |
| 編集 | ケヴィン・ヘイル |
| 作曲 | クリントン・ショーター |
| 出演 | フランク・グリロ/メル・ギブソン/ナオミ・ワッツ/ミシェル・ヨー/ウィル・サッソ/アナベル・ウォーリス/セリーナ・ロー/ケン・チョン/リオ・グリロ |
| 製作 | ハイランド・フィルム・グループ/エメット/ファーラ/オアシス・フィルムズ/ウォーパーティー・フィルムズほか |
| 配給 | Hulu(アメリカ)/クロックワークス(日本) |
あらすじ
元デルタフォース特殊部隊員のロイ・パルヴァーは、朝目覚めた直後から謎の殺し屋たちに襲われ、必ず命を落とす一日を繰り返していた。銃撃や爆発を切り抜けても、最後には殺され、再び同じ朝へ戻されてしまう。
数え切れないほどの死を経験し、敵の行動や襲撃の時刻を覚えていくロイ。やがて彼は、科学者である元妻ジェマが進めていた極秘計画と、自身が陥ったタイムループとの間につながりがあることに気づく。死の連鎖を断ち切り、ジェマと息子を救うため、ロイは試行錯誤を重ねながら事件の黒幕へ近づいていく。
主な登場人物(キャスト)
ロイ・パルヴァー(フランク・グリロ):元デルタフォースの特殊部隊員。謎の殺し屋たちに命を狙われ、死亡するたびに同じ朝へ戻るタイムループに閉じ込められている。敵の動きや一日の出来事を覚えながら、生き残るための攻略法を探していく。
ジェマ・ウェルズ(ナオミ・ワッツ):ロイの元妻で、軍需企業ダイナウ社に所属する科学者。時間に関わる極秘装置「オシリス・スピンドル」の研究を進めており、ロイがタイムループへ陥った理由を知る重要人物。
クライヴ・ヴェンター大佐(メル・ギブソン):ダイナウ社の極秘計画を統括する軍人。強大な権力と野心を持ち、ジェマの研究を利用しようとしている。ロイを狙う殺し屋集団の背後に立ちはだかる存在。
ジョー(リオ・グリロ):ロイとジェマの息子。ジェマによって育てられ、ロイが自分の父親であることを知らずにいる。レトロゲームを愛する少年であり、ロイが繰り返す一日に新たな意味を与えていく。
ダイ・フェン(ミシェル・ヨー):世界選手権を何度も制した剣術の達人。刀を操る暗殺者を攻略できずにいるロイと出会い、彼に剣術を教える。
観音(セリーナ・ロー):ロイを狙う殺し屋集団の一員。刀を武器とする高い戦闘能力の持ち主で、何度挑んでもロイの行く手を阻む難敵となる。
作品の魅力解説
死を“経験値”に変えるゲーム感覚のアクション
本作では、主人公が敵の配置や攻撃のタイミングを死亡するたびに学習し、少しずつ先へ進んでいく。タイムループをゲームのリトライやコンティニューに置き換え、失敗を経験値に変えていく構成が特徴だ。
死んで同じ時間へ戻る物語自体は、現在では珍しいものではない。しかし本作は、攻略手順を更新する軽快なアクションとブラックユーモアによって反復に変化をつけている。襲ってくる敵が基本的に同じでも、徐々に事件の真相が明らかになり、物語が何度か大きく動くため、同じ展開だけを延々と見せられている感覚にはなりにくい。
タイムループの奥にある家族の物語
序盤は荒唐無稽な死亡場面を連発するアクションコメディとして進むが、物語の中盤からは、ロイと元妻ジェマ、息子ジョーの関係が重要になっていく。
これまで家族と正面から向き合ってこなかったロイが、無限に繰り返される一日を使って息子を知り、失った時間を取り戻そうとする過程が、物語に感情的な軸を与えている。ただ生き残って“ラスボス”を倒すだけではなく、何のために明日へ進みたいのかを主人公が見つけていく点が、本作を単純なタイムループ・アクションに終わらせていない。
フランク・グリロを中心とした豪華キャスト
主演のフランク・グリロは、銃撃戦や格闘、カーチェイスを力強くこなしながら、粗野で不器用な父親としての表情も見せる。実生活でもグリロの息子であるリオ・グリロがジョー役を務めており、親子の交流には自然な親密さが漂う。
さらに、黒幕となるヴェンター大佐をメル・ギブソン、ロイの元妻ジェマをナオミ・ワッツ、剣術の達人ダイ・フェンをミシェル・ヨーが演じている。ミシェル・ヨーの出演時間は限られているものの、メル・ギブソンを含む豪華な俳優たちが登場するだけでも、娯楽映画らしいワクワク感を高めている。
勢いはあるが、既視感や粗さも残る
映像や設定にはゲーム的な意匠が盛り込まれているものの、舞台そのものがゲーム世界というわけではなく、タイムループの科学的な仕組みも深く掘り下げられない。殺し屋たちの多くは漫画的なキャラクターにとどまり、反復されるナレーションや悪趣味な笑いも好みが分かれる部分だ。
ライター/エディター/映画インスタグラマー。2019年に早稲田大学法学部を卒業。東京都職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)やYouTubeチャンネル「cula 見て聞く映画マガジン(旧:アルテミシネマ)」においても映画や海外ドラマ、音楽といったカルチャーに関する情報レビューを発信している。
