Netflix実写版『ONE PIECE』シーズン2、簡易レビューとサプライズ(変更点)15選をネタバレありで紹介。
待望の続編が、ついにやってきた。Netflixオリジナル実写ドラマ『ONE PIECE』(ワンピース)シーズン2が3月10日より配信開始。シーズン1の衝撃から2年半、麦わらの一味の新たな航海はどんな仕上がりになったのか。さっそく全話観た感想、そして原作と比較した際の大きな変更点を記していく。
※シーズン2(および原作コミックの今後の展開の一部)に関するネタバレを含みます。ご注意ください。
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原作ファンも納得のクオリティ――シーズン2、簡易レビュー
まず結論から言えば、シーズン2に大満足だ。
描かれるのは、コミック「ローグタウン」「リヴァース・マウンテン」「リトルガーデン」「ウイスキーピーク」「ドラム王国」の各章。シリーズ屈指の人気を誇る「アラバスタ編」への橋渡しともなる本作は、新たな能力者、巨大クジラ、秘密結社バロックワークス、巨人族、そしてチョッパーの登場と、見どころが盛りだくさんだ。
全話を通じて観ると、クロッカスが最初からラブーンの体内に住んでいない設定や、ドラム王国の雪山に生息する大型ウサギ“ラパーン”にまつわるシーンのカットなど、原作からの変更・省略点もいくつか存在する。しかしそれらはあくまで細部の調整に留まっており、全体としては原作に忠実な内容に仕上がっている。長年のファンである筆者も、心から楽しめた。
シーズン1同様、漫画ならではの構図の再現が難しいシーンもあれば実写ならではのスケールアップを見せつけるシーンもあり、そこは一長一短といったところだが、特にリヴァース・マウンテンを登るシーンなどは実写の圧倒的な迫力が活きたシーンであり、「こうも過酷なのか」と航海のリアルを改めて見せつけられた。
特に印象的だったのが、原作との差別化を巧みに図りながらもファンを歓喜させる、数々のサプライズの存在だ。現在コミック本編でワンピース世界の歴史が解き明かされつつあるからこそ重みを増すセリフや、原作ではこの段階では明かされないはずの要素が随所に散りばめられており、知っているからこそ「おっ!」と唸らされる瞬間が何度もある。今回はそんなサプライズを、驚きと(良くも悪くも)心を動かされた度合順にトップ15形式でご紹介したい。
『ONE PIECE』シーズン2-熱いサプライズ15選
15位:ネギ熊まりあの活躍
ドラム王国の個性的な住人のひとりで、ルフィたちから熊と間違えられるだけのネタキャラだった“ネギ熊まりあ”。原作ではほぼ背景に近い存在だが、実写版では住人たちを率いて立ち上がるという見せ場が追加された。実写ならではのアレンジとして、素直に面白かった。
14位:ウソップの連絡
実写版ローグタウン編で新たに追加された、ウソップが電伝虫でカヤに連絡を取るシーン。「確かに、連絡しようと思えばできるよな」と妙に納得させられる一方、賛否が分かれそうな要素でもある。原作では、遠く離れた場所でのウソップの成長と活躍をカヤが新聞でしか知らないまま信じ続けるという構図こそがエモーショナルな感覚の源泉だったからだ。
13位:イマジナリー・ミホーク
バラティエでミホークに完敗を喫したゾロが、その後も戦いや修練の中でミホークの幻影を見続ける――これは実写版ならではの演出だ。「二度と負けない」と誓ったゾロの内なる執念と、頂点への渇望を視覚的に表現することに見事成功している。
12位:ミス・サーズデー
原作では姿を見せることのなかったミス・サーズデーが、スモーカーとたしぎによるバロックワークス捜査のシーンに登場。これまで名前だけの存在だったエージェントが実際に動く姿は、コミックファンとしては純粋に嬉しい。さらに、実写版を尾田栄一郎本人が監修していることを考えると、このミス・サーズデーは事実上の“作者公認キャラ”と言える。そう思うと、また違った楽しみ方ができる。
11位:ロジャーとガープの会話
処刑を前にしたロジャーがガープに語りかけるこのシーン、原作ではずっと後になってから明かされる内容だ。息子の話に対するロジャーの熱い感情への共感、そして“ゴッドバレー事件”への言及が皮肉として響いてくる感覚は、コミック本編を読み進めてきた読者だけが味わえる特別な体験と言っていい。
10位:ミス・オールサンデー(ロビン)の戦闘シーン
ミス・オールサンデー、すなわちニコ・ロビンの“ハナハナの実”の能力が、散る花びらの演出によって不気味さと華麗さを同時に体現している。特に、海兵の腕を操って上官を銃撃させるシーンは、原作では描かれなかったレベルの残酷さ。実写ならではの生々しさがゾクゾクさせてくれた。
9位:カラーズトラップの脅威
絵の具で他人の感情や行動を操るミス・ゴールデンウィークの能力“カラーズトラップ”が、原作以上の広範囲で猛威を振るう。麦わらの一味が次々とその罠にはまっていく様子は、実写版ミス・ゴールデンウィークを演じる俳優ソフィア・アン・カルーソの不気味な存在感とも相まって、強烈な印象を残した。
8位:ナミ&ウソップVSアルビダ
“スベスベの実”の能力を手に入れたアルビダに、ナミとウソップがローグタウンで立ち向かうシーンもオリジナルの脚色だ。一味それぞれの個性が戦闘アクションに反映されており、単純に見ていて楽しい。
7位:揺らぐたしぎと、その夢
スモーカーの下で自分の夢を口にできずにいるたしぎが、コビーやヘルメッポとの対話、そしてミス・オールサンデーからの不気味な誘いへの葛藤を通じて、自身の夢と向き合っていく――この脚色が実に効いている。今後の物語でも重要な役割を担うたしぎというキャラクターに、視聴者が早い段階から感情移入できる丁寧な仕上がりだ。さらに、オールサンデーからの誘いはシーズン3の「アラバスタ編」でも引き続き展開しそうで、今から目が離せない。
6位:サンジの料理の原点
サンジが料理好きになったルーツ――病床の母に喜んでほしくて料理を作り続けていたという過去――をナミに語るシーンには、思わず驚かされた。これは原作では「ホールケーキアイランド編」まで待たなければ明かされない、サンジの深い過去だ。それがこの段階で語られることで、コミックファンの胸にはひとしお感慨深いものが込み上げてくるはずだ。
5位:サボの登場
謎めいた革命家ドラゴンが、ローグタウンで麦わらの一味を見送るそのとき。彼の背後から、ハットとゴーグルをまとった青年がその姿を現す――コミックファンに絶大な人気を誇るキャラクター、サボだ。原作ではずっと後になって登場する彼が、この段階で画面に映し出されるだけで熱いものが込み上げてくる。知っているファンほど、その一瞬の重みを噛み締められるはずだ。
4位:ワポルとバクバクの実
ドラム国王ワポルが“バクバクの実”の能力をバロックワークスから与えられるという展開は、実写版オリジナルだ。さらに、その能力で改造人間をドラム王国の村に侵攻させるという大胆なアレンジも加わっている。原作のドラム王国編では目立った見せ場の少なかったゾロとウソップに戦闘の機会を与えるための脚色と思われるが、ゾロがモブ敵に動きを封じられる場面はさすがに少し引っかかった。手放しでは喜べないサプライズ、といったところか。
3位:ドラゴンvsスモーカー
革命家ドラゴンがスモーカーからルフィたちを庇うシーンは原作にも存在するが、実写版ではその描写が一歩踏み込んでいる。原作では動きを抑制する程度だったのに対し、実写では明らかな強風がスモーカーを吹き飛ばしているのだ。ドラゴンが風を操る能力――いわゆる“カゼカゼの実”――を持つのではないかという考察は、長年ファンの間で語り継がれてきた。このシーンはその説を大いに後押しするものとなっており、考察勢には堪らない一幕だ。
2位:バルトロメオのルーツ
まさかのバルトロメオ登場には、思わず声が出た。緑のトサカ状の髪と鼻ピアスがトレードマークの彼が、実写版ではローグタウンで幅を利かせるチンピラとして姿を現しナミとも交流、ルフィが処刑されかけるシーンをその目で目撃する。処刑シーンに立ち会い、ルフィへの憧れが芽生えるという流れ自体は原作と同じだ。しかしそもそもこのエピソードは原作では後から明かされた設定であり、ローグタウンに彼は登場しない。だからこそ、実写版でこの場面に彼を配置したことで、ファンの中でピースがひとつ綺麗にはまった感覚がある。
1位:ルンバー海賊団(ブルック)と「ビンクスの酒」
このシーンで感情が溢れた視聴者は、決して少なくないはずだ。巨大クジラ・ラブーンがひたすら待ち続ける海賊団――ルンバー海賊団の回想シーンである。原作ではずっと後になって明かされる話であり、コミックのこの時点では「ラブーンはある海賊団を待っている」という事実しか語られない。そこに、まさかのブルックの姿。原作ファンならずともある程度有名であろうこのキャラクターの登場には思わず息を飲んだことだろう。
そして極めつけは、ルンバー海賊団、ラブーン、そしてワンピース世界のあらゆる海賊たちの魂に刻まれた名曲「ビンクスの酒」が、ルフィとラブーンの交流シーンに流れ込んでくる瞬間だ。コミックの展開を実写が後追いできているからこそ生まれたアレンジであり、シーズン2全編を通じてもトップクラスに心を揺さぶるシーンとなった。
細かく言えば「ダダン」や「セムラ」への言及など、非常に細かい小ネタが多かったシーズン2。振り返ると、原作への敬意と実写ならではの大胆な脚色が高いレベルで共存した続編だったと言えるだろう。「アラバスタ編」が描かれ、激しい激闘や、あんな名シーンやこんな名シーンが実写化されるであろうシーズン3、今から待ち遠しくて仕方がない。
