映画『お嬢さん』(2016)を紹介&解説。
映画『お嬢さん』概要
映画『お嬢さん』は、『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督が手がけた歴史心理スリラー。日本統治下の朝鮮半島を舞台に、財産を狙う詐欺計画と女性同士の関係を三幕構成で描く。原作はサラ・ウォーターズの小説『荊の城』。主演はキム・ミニ、キム・テリ、ハ・ジョンウら。
作品情報
日本版タイトル:『お嬢さん』
原題:아가씨
製作年:2016年
日本公開日:2017年3月3日
ジャンル:ドラマ/恋愛/心理スリラー
製作国:韓国
原作:サラ・ウォーターズ『荊の城』
上映時間:145分
監督:パク・チャヌク
脚本:パク・チャヌク/チョン・ソギョン
製作:パク・チャヌク/イム・スンヨン
製作総指揮:イ・ミギョン
撮影:チョン・ジョンフン
編集:キム・ジェボム/キム・サンボム
作曲:チョ・ヨンウク
出演:キム・ミニ/キム・テリ/ハ・ジョンウ/チョ・ジヌン/キム・ヘスク/ムン・ソリ
配給:CJエンタテインメント(韓国)/ファントム・フィルム(日本)
『お嬢さん』あらすじ
1930年代、日本統治下の朝鮮半島。貧しい少女スッキは詐欺師に雇われ、莫大な財産を持つ日本人令嬢・秀子の屋敷へ侍女として送り込まれる。狙いは秀子を誘惑して結婚させ、財産を奪うことだった。だが屋敷で過ごすうちに、スッキと秀子の関係は思わぬ方向へと動き始める。
主な登場人物(キャスト)
珠子/ナム・スッキ(キム・テリ):貧しい孤児出身の若い女性。詐欺計画の一端を担い、秀子の侍女として屋敷に入るが、次第に自身の感情と計画の間で揺れ動く。
和泉秀子(キム・ミニ):裕福な日本人令嬢。屋敷で叔父の管理下に置かれ、読書会で朗読を行う日々を送っている。
藤原伯爵(ハ・ジョンウ):伯爵を名乗る詐欺師。秀子と結婚し財産を奪うため、スッキを利用して計画を進める野心家。
上月教明(チョ・ジヌン):秀子の叔父。莫大な蔵書を所有し、屋敷を支配する存在。物語に緊張感をもたらす。
佐々木夫人(キム・ヘスク):屋敷に仕える年配の侍女長。
秀子の伯母(ムン・ソリ):
『お嬢さん』簡易レビュー・解説
『お嬢さん』は歴史的背景の中で巧妙な心理戦と官能的な愛を描き出す、パク・チャヌク監督による傑作サスペンススリラー。1930年代に日本統治下の朝鮮を舞台に、詐欺計画が思わぬ展開を見せる中で、女性同士の関係が核心となる物語が紡がれる。視点を変えながら真実が徐々に明らかになる三部構成は、観客を引き込み続ける力を持つ。
映像美や細部にわたる美術設計もすばらしく、豪奢な屋敷空間や繊細な画面構成が物語に深みを与える。恋愛描写や性的シーンも印象的で、登場人物の内面や権力/解放のテーマを映し出す重要な要素として機能する。
視覚的な魅力と複雑な人間ドラマが見事に融合し、観る者に強烈な余韻を残す一作。
ライター/エディター/映画インスタグラマー。2019年に早稲田大学法学部を卒業。東京都職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)やYouTubeチャンネル「cula 見て聞く映画マガジン(旧:アルテミシネマ)」においても映画や海外ドラマ、音楽といったカルチャーに関する情報レビューを発信している。
