『アーミー・オブ・ザ・デッド』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・魅力まとめ

映画『アーミー・オブ・ザ・デッド』(2021)を紹介&解説。


映画『アーミー・オブ・ザ・デッド』概要

映画『アーミー・オブ・ザ・デッド』は、『ドーン・オブ・ザ・デッド』で長編監督デビューを果たしたザック・スナイダーが、ゾンビ映画と強盗映画を融合させたアクションホラー。ゾンビに占拠され、壁で封鎖されたラスベガスを舞台に、核攻撃までにカジノの巨大金庫から2億ドルを運び出そうとする傭兵たちの戦いを描く。主演はデイヴ・バウティスタ。エラ・パーネル、オマリ・ハードウィック、マティアス・シュヴァイクホファー、真田広之ら国際色豊かなキャストが共演する。

作品情報

日本版タイトル 『アーミー・オブ・ザ・デッド』
原題 Army of the Dead
製作年 2021年
本国公開日 2021年5月14日(米国限定劇場公開)/2021年5月21日(Netflix配信)
日本公開日 2021年5月21日(Netflix配信)
ジャンル アクション/ホラー/ゾンビ/クライム
製作国 アメリカ
原作 無
上映時間 148分
監督・原案・撮影 ザック・スナイダー
脚本 ザック・スナイダー/シェイ・ハッテン/ジョビー・ハロルド
製作 デボラ・スナイダー/ウェスリー・カラー/ザック・スナイダー
製作総指揮 バーゲン・スワンソン
編集 ドディ・ドーン
作曲 トム・ホルケンボルフ
出演 デイヴ・バウティスタ/エラ・パーネル/オマリ・ハードウィック/アナ・デ・ラ・レゲラ/マティアス・シュヴァイクホファー/ノラ・アルネゼデール/ティグ・ノタロ/真田広之
製作 ザ・ストーン・クアリー
配給 Netflix

あらすじ

大量発生したゾンビを封じ込めるため、壁で隔離されたラスベガス。かつてゾンビとの戦いで活躍したスコット・ウォードは、現在は町外れのレストランで働きながら静かに暮らしていた。

そんなスコットのもとへ、カジノオーナーのブライ・タナカから危険な仕事が舞い込む。それは、政府による核攻撃でラスベガスが消滅する前に、カジノ地下の金庫へ侵入し、眠っている2億ドルを回収するというものだった。

スコットは、かつての仲間や金庫破りの専門家、ヘリコプター操縦士、ゾンビ退治を配信する動画クリエイターらを集め、即席のチームを結成する。さらに、行方不明になった友人を捜そうとする娘ケイトも同行。限られた時間の中、一行は知性と組織力を備えたゾンビたちが支配するラスベガスへ足を踏み入れる。

主な登場人物(キャスト)

スコット・ウォード(デイヴ・バウティスタ):かつてゾンビとの戦いで多くの人々を救った元傭兵。現在はレストランで働いているが、タナカから依頼を受け、2億ドルを回収するチームを率いる。疎遠になった娘ケイトとの関係修復も望んでいる。

ケイト・ウォード(エラ・パーネル):スコットの娘。ラスベガス周辺の隔離キャンプでボランティアとして活動している。行方不明となった友人ギータを救出するため、父親たちの作戦へ加わる。

ヴァンデルローエ(オマリ・ハードウィック):スコットとともにゾンビと戦った経験を持つ屈強な戦士。大型の回転ノコギリを携え、金庫破りを担当するディーターの護衛を務める。

マリア・クルス(アナ・デ・ラ・レゲラ):スコットの旧友で、かつて一緒にゾンビと戦った仲間。高い戦闘能力と機械に関する知識を持ち、スコットからの誘いに応じて作戦へ参加する。

ルドヴィグ・ディーター(マティアス・シュヴァイクホファー):難攻不落とされる金庫を開けるために雇われたドイツ人の天才金庫破り。ゾンビとの戦闘経験はないが、金庫に対する情熱と専門知識でチームに貢献する。

リリー/コヨーテ(ノラ・アルネゼデール):封鎖されたラスベガスへの出入りに詳しい案内人。内部に生息するゾンビたちの習性や縄張りについても豊富な知識を持っている。

マリアンヌ・ピーターズ(ティグ・ノタロ):毒舌で現実的なヘリコプター操縦士。チームがラスベガスから脱出するために欠かせない存在として作戦へ参加する。

ブライ・タナカ(真田広之):ラスベガスに自らの名を冠したカジノを所有する実業家。金庫に残された2億ドルを回収させるため、スコットへ危険な仕事を持ちかける。

マーティン(ギャレット・ディラハント):タナカの警護責任者。金庫やカジノ内部に関する情報を提供する役目を担い、タナカ側の人間としてチームに同行する。

作品の魅力解説

ゾンビ映画と強盗映画を組み合わせた世界観

本作の大きな特徴は、ゾンビが大量発生した終末世界に、専門家たちが集結して巨大金庫へ挑む強盗映画の構造を持ち込んだ点にある。核攻撃までの時間制限、難攻不落の金庫、壊れかけた脱出用ヘリコプターという複数の障害が重なり、単にゾンビから逃げ続けるだけではない“大作戦”の高揚感を生み出している。

ラスベガスという派手な舞台も物語との相性が良い。崩壊したカジノやネオン、札束、スロットマシンといった欲望の象徴が、血まみれのゾンビアクションと混ざり合う。2時間28分という長尺ながら、世界観そのものを楽しめる観客にとっては、体感時間を短く感じさせるだけのアイデアと見せ場が詰め込まれている。

知性と階級を持つ“進化型ゾンビ”

登場するゾンビは、無秩序に人間へ襲いかかる存在だけではない。動きの鈍い「シャンブラー」と、素早く行動し、ある程度の知性を持つ「アルファ」に分かれ、その頂点にはゼウスと呼ばれるリーダーが君臨している。ゾンビたちにも縄張りや階級、仲間同士のつながりがあり、ひとつの組織や社会を形成している点が興味深い。

ゾンビ化したトラのヴァレンタインをはじめ、クリーチャーの造形にも独自性がある。アルファゾンビの特殊メイクには多数の人工装具が使われ、接写される部分は物理的な特殊メイクで表現。そこへVFXを組み合わせることで、腐敗と進化が同居した生々しいビジュアルを作り上げている。

個性豊かなスペシャリストたち

屈強な元傭兵、天才金庫破り、毒舌のパイロット、ゾンビ退治を配信する動画クリエイター、危険区域を知り尽くした案内人など、チームを構成する人物はいずれも強い個性を持っている。特に、恐怖を隠せないディーターと、彼を守るヴァンデルローエの組み合わせは、殺伐とした物語にユーモアと親しみやすさを与える。

デイヴ・バウティスタは、戦闘能力の高い主人公を演じる一方、娘との関係に苦しむ父親の不器用さも表現。エラ・パーネルが演じるケイトを軸に親子のドラマが盛り込まれ、派手なゾンビアクションの中へ感情的な目的を持たせている。ティグ・ノタロ、ノラ・アルネゼデール、真田広之らを含む国際色豊かなキャストも、本作のにぎやかな群像劇を支えている。

長尺と詰め込みすぎは評価が分かれる

Rotten Tomatoesの批評家スコアは68%と好意的な評価が上回っている一方、MetacriticのMetascoreは57にとどまっている。ゾンビ、強盗、家族ドラマ、隔離政策への風刺など、数多くの要素を盛り込んだ意欲は感じられるが、設定の一部が十分に掘り下げられず、登場人物の判断や物語の展開に強引さを感じる場面もある。

148分という上映時間に対して、強盗計画が本格的に動き出すまでの助走も長い。緊密にまとまったゾンビ映画を求める観客には冗長に映る可能性があるものの、クリーチャーの造形、ゾンビ社会の仕組み、クセのあるキャラクター、豪快な銃撃戦をまとめて味わう娯楽大作としては、ザック・スナイダーらしい過剰さを楽しめる作品となっている。

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