『スパイ in デンジャー』解説|どんな映画?あらすじ・キャスト・魅力・レビューまとめ

映画『スパイ in デンジャー』(2019)を紹介&解説。


映画『スパイ in デンジャー』概要

映画『スパイ in デンジャー』は、ブルースカイ・スタジオ(『アイス・エイジ』シリーズなど)が製作したスパイアクション・アニメーション。ルーカス・マーテルによる短編アニメ『Pigeon: Impossible』に着想を得て、トロイ・クエインとニック・ブルーノが監督を務めた。世界屈指の腕前を誇るスパイ、ランス・スターリングが若き科学者ウォルター・ベケットの発明によってハトへ変身してしまい、正反対の2人が世界規模の陰謀に立ち向かう。声の出演はウィル・スミス、トム・ホランド、ベン・メンデルソーン、ラシダ・ジョーンズ、カレン・ギランら。

作品情報

日本版タイトル 『スパイ in デンジャー』
原題 Spies in Disguise
製作年 2019年
本国公開日 2019年12月25日
日本公開日 2020年7月10日(Disney+配信開始)
ジャンル アニメーション/アクション/アドベンチャー/コメディ
製作国 アメリカ
原作 ルーカス・マーテル『Pigeon: Impossible』(短編アニメーション)
上映時間 102分
監督 トロイ・クエイン/ニック・ブルーノ
脚本 ブラッド・コープランド/ロイド・テイラー
製作 ピーター・チャーニン/ジェンノ・トッピング/マイケル・J・トラヴァース
製作総指揮 クリス・ウェッジ/コリ・アデルソン
編集 ランディ・トレーガー/J・クリストファー・キャンベル
作曲 セオドア・シャピロ
出演 ウィル・スミス/トム・ホランド/ラシダ・ジョーンズ/ベン・メンデルソーン/リーバ・マッキンタイア/レイチェル・ブロズナハン/カレン・ギラン/DJキャレド/マシ・オカ
製作 20世紀フォックス・アニメーション/ブルースカイ・スタジオ/チャーニン・エンターテインメント
配給 20世紀フォックス(米国)/Disney+(日本・配信)

あらすじ

どんな危険な任務も華麗にこなす超一流スパイ、ランス・スターリング。ところがある任務をきっかけに最新兵器を横流ししたという濡れ衣を着せられ、情報局から追われる立場となってしまう。

真相を突き止めるためランスが頼ったのは、攻撃ではなく平和的に敵を制圧する奇抜なガジェットを開発する若き科学者ウォルター・ベケット。ウォルターが開発した透明化技術を利用しようとしたランスだったが、薬の作用によって人間ではなくハトへと変身してしまう。

姿も思想も正反対となったランスとウォルターは、情報局と世界を脅かす陰謀を阻止するため、奇妙なコンビとして戦いへ乗り出す。

主な登場人物(キャスト)

ランス・スターリング(ウィル・スミス):数々の危険な任務を単独で成功させてきた世界トップクラスのスパイ。自信に満ち、仲間に頼らず1人で戦うことを好むが、ウォルターの薬によってハトへ変身してしまう。

ウォルター・ベケット(トム・ホランド):情報局でガジェットを開発する若き科学者。敵を傷つけることよりも平和的な解決を重視し、キラキラや膨張式の防御装置など、通常のスパイ兵器とはかけ離れた発明品を生み出している。

キリアン(ベン・メンデルソーン):高度なテクノロジーを操り、ランスたちの前に立ちはだかる謎の男。ランスに強い恨みを抱き、情報局を巻き込む大規模な計画を進める。

マーシー・カッペル(ラシダ・ジョーンズ):ランスが兵器を盗んだと疑い、その行方を追う情報局側のエージェント。

アイズ(カレン・ギラン):マーシーのチームに所属するエージェント。優れた視覚と分析力を生かしてランスを追跡する。

イヤーズ(DJキャレド):マーシーのチームの一員。アイズとともにランス追跡任務へ参加する。

作品の魅力解説・レビュー

王道スパイ映画をポップなアニメーションへ変換

『スパイ in デンジャー』の楽しさは、王道のスパイ映画が持つスタイリッシュなアクションとガジェットの魅力を、子どもから大人まで楽しめるアニメーションへ大胆に変換している点にある。

『007』や『ミッション:インポッシブル』を思わせる一流スパイの活躍を軸にしながら、作品全体のテンションはよりコミカル。SFガジェットの楽しさには『メン・イン・ブラック』や『ベイマックス』などにも通じるものがあり、アクション、SF、コメディの気持ちいい要素を次々と投入してくる。

「50通りの(フィフティ・シェイズ・オブ)イェイ!」といった軽快なジョークまで含め、肩の力を抜いて楽しめるエンターテインメント性は大きな魅力だ。

ウィル・スミス×トム・ホランドのためのような主人公コンビ

主人公ランスを演じるのはウィル・スミス、ウォルターを演じるのはトム・ホランド。キャラクターデザインにもふたりの面影が強く反映されており、声だけの出演でありながら、実写映画でふたりが共演しているかのような感覚がある。

クールで自信家のランスと、善良だが周囲から変人扱いされるウォルターという対比も明快。孤高のヒーローだったランスが、正反対の思想を持つウォルターと行動を共にすることで、「1人で勝つこと」と「誰かと協力して解決すること」の違いを学んでいくバディムービーとしても機能している。

平和主義者のガジェットだから戦闘シーンまでキラキラしている

特に本作らしいのが、ウォルターの徹底した平和主義だ。通常のスパイ映画であれば銃や爆発物が飛び交う場面でも、ウォルターの発明品が投入された瞬間、画面はハートやキラキラに包まれたポップな世界へ変わる。

戦闘用ガジェットでありながら「相手を倒す」のではなく「なるべく傷つけずに無力化する」という思想が徹底されており、このギャップそのものがアクションのアイデアへつながっている。

ウォルターが幼い頃に母親からかけられた「変人? 変人だっていい。世界には変人が必要よ」という言葉も、作品の中心にある価値観を象徴するものだ。他人と違う発想を欠点として隠すのではなく、その違いこそが世界を変える力になる。

最強スパイを“平和の象徴”ハトにしてしまう発想

そして何より強烈なのが、スタイリッシュな最強スパイをハトに変えてしまう設定。華麗なアクションを得意としてきたランスが、翼や小さな足に悪戦苦闘するだけでも十分に笑える。

さらにランスの周囲には個性的なハトたちが集まり、やがて彼ら自身が重要な戦力となっていく。平和の象徴でもあるハトを作品の中心に据えることで、ウォルターの「戦わずに世界を守る」という思想とも自然につながっている。

スパイアクションの格好良さ、ウィル・スミスとトム・ホランドの掛け合い、可愛いハトたち、そして極端なほど平和的なガジェット。異なる魅力をひとつの作品にまとめた、明るく楽しいスパイアニメとなっている。

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