映画『ハロウィンII/ブギーマン』(1981)を紹介&解説。
映画『ハロウィンII/ブギーマン』概要
映画『ハロウィンII/ブギーマン』は、1978年のホラー映画『ハロウィン』の直後から物語が始まるシリーズ第2作。前作のジョン・カーペンターに代わってリック・ローゼンタールが監督を務め、カーペンターとデブラ・ヒルが引き続き脚本・製作を担当した。
マイケル・マイヤーズによる襲撃を生き延び、病院へ搬送されたローリー・ストロード。しかしマイケルもまた夜の町から姿を消しておらず、ローリーを追って病院へ侵入する。前作の住宅街から病院へ舞台を移し、ハロウィンの夜の惨劇の続きを描くスラッシャーホラー。
日本では1982年に『ブギーマン』の題で劇場公開された。出演はジェイミー・リー・カーティス、ドナルド・プレザンス、ディック・ウォーロック、ランス・ゲストら。
作品情報
| 日本版タイトル | 『ハロウィンII/ブギーマン』 |
|---|---|
| 日本公開時タイトル | 『ブギーマン』 |
| 原題 | Halloween II |
| 製作年 | 1981年 |
| 本国公開日 | 1981年10月30日 |
| 日本公開日 | 1982年5月22日 |
| ジャンル | ホラー/サスペンス |
| 製作国 | アメリカ |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 92分 |
| 前作 | 『ハロウィン』(1978) |
| 監督 | リック・ローゼンタール |
|---|---|
| 脚本・製作 | ジョン・カーペンター/デブラ・ヒル |
| 製作総指揮 | アーウィン・ヤブランス/ジョセフ・ウルフ |
| 撮影 | ディーン・カンディ |
| 編集 | マーク・ゴールドブラット/スキップ・スクールニック |
| 作曲 | ジョン・カーペンター/アラン・ハワース |
| 出演 | ジェイミー・リー・カーティス/ドナルド・プレザンス/ディック・ウォーロック/チャールズ・サイファーズ/ランス・ゲスト/パメラ・スーザン・シュープ/ハンター・フォン・リール/トーニー・モイヤー/アナ・アリシア/ナンシー・スティーヴンスほか |
| 製作 | ディノ・デ・ラウレンティス・コーポレーション |
| 配給 | ユニバーサル・ピクチャーズ(米国)/東映ユニバース(日本) |
あらすじ
ハロウィンの夜。ローリー・ストロードを襲ったマイケル・マイヤーズは、精神科医サム・ルーミスに何発もの銃弾を撃ち込まれて2階から転落する。
しかし、ルーミスが地面を確認するとマイケルの姿は消えていた。
負傷したローリーはハドンフィールドの病院へ搬送される。一方、マイケルは夜の町をさまよいながら再び殺人を重ね、やがてローリーが運ばれた病院へと向かう。
異変に気づかない医師や看護師たちが勤務する静かな病院。その内部へマイケルが侵入したことで、新たな惨劇が始まる。
主な登場人物(キャスト)
ローリー・ストロード(ジェイミー・リー・カーティス):前作でマイケル・マイヤーズに襲われた高校生。重傷を負って病院へ搬送されるが、再びマイケルに狙われる。
サム・ルーミス医師(ドナルド・プレザンス):マイケルを長年診察してきた精神科医。何発もの銃弾を受けても姿を消したマイケルを追い続ける。
マイケル・マイヤーズ/ザ・シェイプ(ディック・ウォーロック):白いマスクをかぶった殺人鬼。ルーミスの銃撃を受けながら生き延び、ローリーを追って病院へ侵入する。
ジミー(ランス・ゲスト):ローリーが搬送された病院で働く救急隊員。負傷したローリーを気にかけ、彼女へ親身に接する。
カレン・ベイリー(パメラ・スーザン・シュープ):病院で働く看護師。マイケルが院内へ侵入したことで惨劇へ巻き込まれていく。
作品の魅力解説・レビュー
「前作の翌日」ではなく、そのまま数分後から始まる続編
『ハロウィンII/ブギーマン』最大の特徴は、前作から時間を飛ばさず、『ハロウィン』のラスト直後から同じ一夜を描いていること。
前作終盤の映像から物語がつながり、撃たれて姿を消したマイケルをルーミスが追跡。一方、ローリーは救急車で病院へ運ばれる。
そのため2作品を続けて観れば、1本の長いハロウィンナイトを前後編で体験しているような構成になっている。
住宅街から“夜の病院”という閉鎖空間へ
前作が普通の郊外住宅地を恐怖の空間へ変えたのに対し、本作の中心舞台は病院。
長い廊下、無人に近い病室、暗いバックヤードなど、逃げ道がありそうで実際にはどこにマイケルが潜んでいるか分からない空間が続く。
個人的に特に印象に残ったのが、負傷したローリーが担架で運ばれていく場面を彼女に近い視点から捉えた撮影。天井や照明が次々と流れていく映像によって、自分自身が病院へ運び込まれているような感覚が生まれる。
単調な電子音が病院の静けさをさらに不快にする
ジョン・カーペンターとアラン・ハワースによる音楽も重要。
前作の有名なテーマを継承しながら、シンセサイザーを強く押し出した音響によって、病院全体に無機質な雰囲気が漂う。
メロディー自体は非常に単調。それが逆に何度も繰り返されることで不快感を増幅させ、マイケルが黙々と歩き続ける映像との相性もいい。
前作よりも“殺人鬼映画”として露骨になった続編
1作目は殺害そのものを派手に見せるより、マイケルがどこにいるのか分からない状況を引っ張るサスペンスが中心だった。
対して本作では、殺害方法そのものを見せる方向へ明確に比重が移っている。
病院内の医療器具や設備を利用した殺害が続き、熱湯の浴槽を使った場面など、前作より直接的でショッキングなシーンも増加。個人的にも、この熱湯を使った場面は本作で特に印象に残る。
その分、マイケルの正体の分からなさや静かな不気味さでは第1作に及ばない部分もあるが、同じ夜を舞台にしながらより典型的な80年代スラッシャーへと変化していくシリーズの過渡期として興味深い続編になっている。
ユニバーサル・ピクチャーズの主な作品一覧・基本情報・記事一覧へ
ライター/エディター/映画インスタグラマー。2019年に早稲田大学法学部を卒業。東京都職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)やYouTubeチャンネル「cula 見て聞く映画マガジン(旧:アルテミシネマ)」においても映画や海外ドラマ、音楽といったカルチャーに関する情報レビューを発信している。
