『サンダーボルツ*』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・魅力・ネタバレ解説・記事一覧

映画『サンダーボルツ*』(2025)を紹介&解説。


映画『サンダーボルツ*』概要

映画『サンダーボルツ*』は、MCU作品に登場してきた暗殺者、元ヴィラン、失敗を抱えた兵士たちが、即席のチームを結成するアクション・エンターテインメント。“ブラック・ウィドウ”ことエレーナ・ベロワを中心に、ウィンター・ソルジャー、USエージェント、レッド・ガーディアン、ゴーストらが、過去の罪や心の傷と向き合いながら世界の危機に立ち向かう。監督はのジェイク・シュライアー(『BEEF/ビーフ』)。フローレンス・ピュー、セバスチャン・スタン、ルイス・プルマンらが出演し、MCUフェーズ5の最終作に位置づけられている。

作品情報

日本版タイトル 『サンダーボルツ*』
原題 Thunderbolts*
製作年 2025年
本国公開日 2025年5月2日
日本公開日 2025年5月2日
ジャンル アクション/スーパーヒーロー/アドベンチャー
製作国 アメリカ
原作 マーベル・コミック『サンダーボルツ』
上映時間 127分
監督 ジェイク・シュライアー
脚本 エリック・ピアソン/ジョアンナ・カロ
原案 エリック・ピアソン
製作 ケヴィン・ファイギ
製作総指揮 ブライアン・チャペック/ルイス・デスポジート/ジェイソン・タメス
撮影 アンドリュー・ドロス・パレルモ
編集 アンジェラ・カタンザーロ/ハリー・ユーン
作曲 サン・ラックス
出演 フローレンス・ピュー/セバスチャン・スタン/ワイアット・ラッセル/オルガ・キュリレンコ/ルイス・プルマン/デヴィッド・ハーバー/ハナ・ジョン=カーメン/ジュリア・ルイス=ドレイファス
製作 マーベル・スタジオ
配給 ウォルト・ディズニー

あらすじ

姉ナターシャ・ロマノフを失って以来、暗殺者として任務を続けながらも、心に大きな空虚さを抱えていたエレーナ・ベロワ。CIA長官ヴァレンティーナから新たな指令を受けた彼女は、ある秘密施設へ潜入する。

しかし、施設にはUSエージェントことジョン・ウォーカー、ゴースト、タスクマスターも集められていた。自分たちが罠にはめられたと気づいた一同は、施設で出会った記憶の曖昧な男ボブを連れ、反発し合いながらも脱出を目指す。

やがてレッド・ガーディアンやバッキー・バーンズも加わり、過去に傷を抱えた者たちは即席のチームを結成する。一方、謎の力を秘めたボブをめぐる計画が動き始め、ニューヨークは人々の存在そのものを消し去る危機に直面する。

主な登場人物(キャスト)

エレーナ・ベロワ(フローレンス・ピュー):ロシアのスパイ機関レッドルームで育てられた一流の暗殺者。ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフの妹で、姉を失った悲しみと自分の人生に対する空虚さを抱えながら、ヴァレンティーナの指令を遂行している。

バッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャー(セバスチャン・スタン):かつてヒドラに洗脳され、暗殺兵器として利用されていた元兵士。過去の罪を背負いながら新たな道を歩み、ヴァレンティーナが進める秘密計画の真相を追う。

ジョン・ウォーカー/USエージェント(ワイアット・ラッセル):米陸軍での功績を評価され、2代目キャプテン・アメリカに任命された元軍人。任務中の過ちによってその地位を失い、現在はUSエージェントとして活動している。

アントニア・ドレイコフ/タスクマスター(オルガ・キュリレンコ):相手の戦闘技術を瞬時に分析し、模倣できる暗殺者。父ドレイコフによって洗脳と身体改造を施され、長年にわたってレッドルームの兵器として利用されていた。

ボブ/ロバート・レイノルズ(ルイス・プルマン):エレーナたちが秘密施設で出会う謎の男。記憶が曖昧で、一見すると特殊な戦闘能力を持たない普通の青年だが、その身体には本人も理解していない大きな秘密が隠されている。

アレクセイ・ショスタコフ/レッド・ガーディアン(デヴィッド・ハーバー):ロシアが生み出したスーパーソルジャーで、エレーナとナターシャの父親役を務めていた人物。過去の栄光を忘れられずにいる一方、孤独を抱えるエレーナを気にかけている。

エイヴァ・スター/ゴースト(ハナ・ジョン=カーメン):幼少期の量子事故によって、あらゆる物質をすり抜ける能力を得たスパイ。過酷な経験を通して現実的で警戒心の強い性格となっており、罠から生き延びるためエレーナたちと協力する。

ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ(ジュリア・ルイス=ドレイファス):謎に包まれたCIA長官。エレーナたち特殊能力者を秘密裏に利用する一方、議会から追及を受けている危険な研究計画を隠そうとしている。

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ストーリー解説(ネタバレ)

虚無感を抱えながら任務を続けるエレーナ

物語は、マレーシアのクアラルンプールで、エレーナ・ベロワが超高層ビルから飛び降りる場面から始まる。パラシュートで着地した彼女の目的地は、ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌと関係する企業、O.X.E.グループの研究施設だった。

エレーナは施設の警備員を制圧しながら、姉ナターシャ・ロマノフを失って以来、自分の内側に埋められない空虚さがあることを独白する。仕事に没頭すれば悲しみを忘れられると思っていたものの、実際には命令を受け、潜入し、痕跡を消して帰るだけの生活が繰り返されていた。エレーナは集中力も幸福感も、生きる目的も失いつつあった。

施設内では、一人の科学者がエレーナの前に立ちはだかる。科学者は、ヴァレンティーナが進める「セントリー計画」は世界を変えるどころか、世界を破滅させかねないものだと警告する。しかし、科学者は銃を奪おうとした末に死亡。エレーナは研究資料や証拠を処分し、施設そのものを爆破して任務を完了する。

弾劾の危機に立たされるヴァレンティーナ

一方、ワシントンD.C.では、CIA長官ヴァレンティーナに対する弾劾手続きが進められていた。彼女はCIA長官に就任する前、O.X.E.グループの取締役会長を務めており、国外の研究施設で違法な人体実験を行い、超人を生み出そうとしていた疑いを持たれていた。

公聴会でヴァレンティーナは、アベンジャーズが事実上不在となった現在、各国が保有する危険な技術や超人に対抗するには、アメリカ政府が独自の戦力を用意しなければならないと主張する。さらに、かつての大統領サディアス・ロスがレッドハルクへ変貌してワシントンを危機に陥れた事件を持ち出し、自分の行動は国家を守るためだったと正当化した。

それでも議会側は調査を継続する方針を崩さない。ヴァレンティーナは秘書のメルに対し、研究記録や被験者、秘密工作員を含む、自分につながるすべての証拠を消すよう命じる。クアラルンプールの施設を破壊したエレーナの任務も、その証拠隠滅の一環だった。

公聴会の周辺では、バッキー・バーンズも新人議員として取材を受けていた。バッキーは弾劾委員会の正式なメンバーではないものの、ゲイリー議員と協力しながらヴァレンティーナの不正を追っていた。

アレクセイに打ち明けたエレーナの苦悩

任務を終えたエレーナは、養父アレクセイ・ショスタコフの家を訪れる。アレクセイはかつてレッド・ガーディアンとしてソ連の英雄を名乗っていたが、現在は高級車の運転手や配達の仕事をしながら、一人で暮らしていた。

アレクセイは仕事が順調で充実しているように振る舞う。しかし、エレーナから本当に満たされているのかと問われると、それが強がりだったことを認める。過去の栄光を忘れられず、再びヒーローとして活躍できる機会を求めていたのだ。

エレーナはヴァレンティーナのもとを離れようと考えていること、自分が何のために生きているのか分からなくなっていることを明かす。アレクセイは、ナターシャが人々を救うことに生きる意味を見いだしたように、エレーナも誰かを助ける道を選べるのではないかと話す。

部屋には、エレーナが幼少期に所属していたサッカーチームの写真が残されていた。弱いチームだったものの、写真の中のエレーナは楽しそうに笑っている。アレクセイは、その頃のような光を取り戻してほしいと願っていた。

最後の任務として地下施設へ

エレーナはヴァレンティーナに連絡し、次の任務を最後に裏仕事から離れたいと申し出る。人前に出られる仕事への異動を希望するエレーナに対し、ヴァレンティーナはもう一つだけ任務を完了すれば希望をかなえると約束する。

目的地は、山の地下約1マイルに建設されたO.X.E.グループの保管施設「ヴォルト」。そこには同社の研究資料や兵器、機密資産が集められていた。ヴァレンティーナによれば、特殊能力を持つ工作員が施設へ侵入し、重要な資産を盗もうとしているという。

エレーナには、その侵入者の目的を確認した後、現場で抹殺する許可が与えられる。標的として示されたのは、物質をすり抜ける能力を持つエイヴァ・スター/ゴーストだった。

ところが、同じ頃、ジョン・ウォーカー/USエージェント、アントニア・ドレイコフ/タスクマスター、エイヴァにも、それぞれ異なる内容の指令が届いていた。ヴァレンティーナは全員に別の人物を標的として示し、互いを殺させようとしていたのである。

ヴォルトで始まった工作員同士の殺し合い

ヴォルトへ潜入したエレーナは、標的であるエイヴァを狙う。しかし、攻撃を仕掛ける直前、ジョン・ウォーカーがエレーナに襲いかかる。ジョンはエレーナこそ自分の標的だと認識していた。

そこへタスクマスターも現れ、施設内は誰が誰を狙っているのか分からない混戦状態となる。それぞれがヴァレンティーナから命令を受けているとは知らず、銃撃と格闘を繰り広げる中、エイヴァは位相能力で攻撃をかわしながらタスクマスターの至近距離から頭部を撃ち、彼女を殺害する。

『ブラック・ウィドウ』でレッドルームの支配から解放されたアントニアだったが、その後もヴァレンティーナの工作員として使われ、最終的には証拠隠滅のための罠へ送り込まれていた。彼女の死は、ヴァレンティーナに利用された者たちがたどり得る末路を、エレーナたちに突きつけることになる。

保管容器から現れた謎の男ボブ

戦闘の途中、施設に置かれていた大型の保管容器が開き、パジャマ姿の男が姿を現す。男は自分をボブと名乗るが、なぜそこに入れられていたのか、施設へ来る前に何があったのかをほとんど覚えていなかった。

ボブの記憶に残っているのは、人生を良くしたい人を対象とする医療試験に参加し、採血を受けていたことだけだった。ジョンはボブをヴァレンティーナ側の工作員ではないかと疑うが、戦闘能力も状況判断力も見られず、エレーナは彼を一般人と判断する。

エレーナは、ヴォルトに置かれた物品がすべてO.X.E.グループの機密資産であることに気づく。そして、自分、ジョン、エイヴァ、アントニアもヴァレンティーナの秘密工作に関わってきた“生きた証拠”だと指摘する。

ヴァレンティーナは工作員同士を殺し合わせ、最後に施設ごと処分することで、弾劾や刑事責任につながる証拠を一度に消そうとしていたのだ。エイヴァはすぐに状況を理解するが、ヴァレンティーナから身分の回復を約束されていたジョンは、当初その事実を認めようとしない。

作動した焼却装置と最初の共闘

やがてヴォルトの出入り口が封鎖され、室温が急激に上昇する。施設そのものが巨大な焼却装置となっており、数分後には内部の人間も証拠もすべて焼き尽くされる仕組みだった。

エイヴァは能力を使って壁を通り抜けようとするが、施設には彼女の位相能力を妨害する音波装置が設置されていた。ヴァレンティーナは、それぞれの能力や弱点を把握したうえで、確実に処分できる罠を用意していたのである。

エレーナは妨害装置だけに独立した電源が使われていると推測。ジョンが電源装置を破壊したことで、エイヴァは再び能力を使用できるようになる。エイヴァは一人だけ壁を通り抜け、そのまま逃げることもできたが、外側から扉を開けるために戻ってくる。

焼却が始まる寸前、エレーナ、ジョン、ボブはエイヴァによって救出される。互いを殺すために集められた者たちは、生き残るため、初めて力を合わせることになる。

ボブとの接触が見せたエレーナの罪

脱出の途中、エレーナがボブの手に触れると、周囲の景色が突然変化する。エレーナは、レッドルームで訓練を受けていた幼少期の記憶へ引き戻される。

そこでは、幼いエレーナがアニヤという少女を森へ誘い出していた。これはブラック・ウィドウとなるための試験であり、エレーナは少女を待ち伏せ場所まで連れていく役割を与えられていた。アニヤはそこで射殺され、エレーナは生き残るために他人を犠牲にすることを教え込まれた。

エレーナは現実へ戻るが、なぜボブに触れただけで、封じ込めていた記憶を追体験したのか分からない。ボブ自身も何が起きたのか理解していなかった。

孤独を抱えているというボブに、エレーナは自分も同じような暗闇を知っていると話す。しかし、この段階の彼女は感情と向き合う方法を知らず、苦しみは心の奥へ押し込めればいいと伝える。それはエレーナ自身が続けてきた、危うい対処法でもあった。

即席チームによる危険な地上脱出

焼却室を抜けた4人だったが、ヴォルトは地下深くに造られており、地上へ通じる通常の移動手段は停止していた。エイヴァも地中を長時間すり抜けることはできず、方向を見失えば岩盤の中で実体化して死亡する危険があった。

そこでボブは、4人が腕を組んで輪を作り、縦穴の両側へ足を突っ張りながら上へ登る方法を提案する。特殊能力とは無縁の不格好な方法だったが、ほかに選択肢はなかった。

上昇中、ボブがくしゃみをしそうになり、全員が転落しかける。さらにジョンが先に安全な場所へ移ろうとしたため、エレーナとエイヴァは彼が自分たちを見捨てるつもりだと疑う。それでも4人は辛うじて縦穴を登り切る。

その際、ジョンもボブに触れ、自分の過去を追体験する。記憶の中のジョンは、2代目キャプテン・アメリカの称号を失った後、世間の批判や自分の記事ばかりを気にしていた。妻オリヴィアと幼い息子が目の前にいるにもかかわらず、苛立ちを家族へ向けてしまう姿が映し出される。

ジョンは愛する家族がいると強がっていたが、実際には失敗を受け入れられず、家庭まで壊していた。ボブとの接触は、エレーナやジョンが隠している罪悪感や羞恥心を、本人の意思に関係なく現実の空間へ呼び起こしていた。

ボブが「セントリー計画」の生存者だと判明

ヴォルトの監視映像を確認したメルは、ボブの身元を調査する。彼の本名はロバート・レイノルズ。マレーシアで行われていた「セントリー計画」の人体実験に志願した被験者だった。

計画では多数の被験者が死亡しており、ヴァレンティーナも生存者はいないと認識していた。研究施設の閉鎖後、ボブは死亡した被験者や研究資料と一緒に、証拠としてヴォルトへ運び込まれていたのである。

ボブが生存していると知ったヴァレンティーナは態度を変える。エレーナたちは殺して構わないが、ボブだけは傷つけずに確保するよう、ホルト率いる部隊へ命じる。失敗したと思われていたセントリー計画が、ボブの体内では成功している可能性に気づいたためだった。

同じ頃、バッキーはヴァレンティーナの側近であるメルへ接触していた。過去にヒドラから選択の自由を奪われた経験を持つバッキーは、メルには誰に従うかを選べると訴え、ヴァレンティーナの犯罪を証言するよう促す。メルはその場では拒否するものの、バッキーの連絡先を受け取る。

ヴァレンティーナの部隊との戦闘

地上付近まで到達したエレーナたちは、ヴァレンティーナが送り込んだ武装部隊に包囲される。戦闘経験では全員が優れているものの、連携は取れておらず、誰が指揮を執るかをめぐってエレーナとジョンが衝突する。

エレーナは爆発を起こして敵の注意を引き、暗闇の中で暗視装置を逆用する作戦を立てる。ジョンには正面の兵士を引き受けさせ、エイヴァには逃走用車両の確保を任せる。戦闘経験のないボブには、自分の背後から離れないよう指示する。

しかし、ジョンが指示を守らず単独で動いたうえ、爆発で配線まで損傷したため、作戦は早々に崩れる。ボブも銃を持とうとするが扱いに慣れておらず、エレーナたちは混乱しながら部隊と交戦する。

一度は姿を消したエイヴァも逃げたわけではなく、車両と退路を確保して戻ってくる。4人は倒した兵士の装備を利用して部隊へ紛れ込み、車で施設を出ようとするが、検問で正体を見破られてしまう。

ボブの異常な力が覚醒

逃走車両が包囲されると、ボブはエレーナたちを逃がすため、自ら車外へ出て囮になる。武装部隊は一斉にボブへ銃弾を浴びせるが、彼の身体には傷一つ付かない。服には無数の穴が開いても、弾丸はボブを貫通していなかった。

混乱するボブの身体は、そのまま制御不能の状態で空へ上昇する。ヴァレンティーナは衛星を使って追跡させるが、ボブは高空で意識を失い、猛烈な勢いでヴォルト付近へ落下する。

地面に激突してもボブは死亡しなかった。エレーナたちは逃げ延びる一方、ヴァレンティーナは落下地点でボブを回収。セントリー計画が生み出した能力が、想像を超えるものだったことを確信する。

エレーナたちは施設内で見つけた資料から、セントリーが「爆発する千の太陽」に匹敵する力を持つ存在として構想されていたことを知る。ジョンも、O.X.E.グループが超人開発で大きな成果を上げたという噂や、被験者の死亡を理由に政府が計画を停止させた経緯を聞いていた。

砂漠に取り残された3人とアレクセイの救出

エレーナ、ジョン、エイヴァは徒歩で砂漠を進む。ボブを置き去りにしたこと、アントニアが殺されたこと、ヴァレンティーナが強大な力を手に入れたことが重くのしかかる。

エイヴァがアントニアについて尋ねると、エレーナは、彼女も自分たちと同じように他人から利用され続けた人物だったと語る。多くの人間を殺し、最後には自分も殺される。それが自分たちに与えられた人生なのだと、エレーナは諦めに近い口調で受け止めていた。

翌朝、3人の前に派手なリムジンが現れる。運転していたのはアレクセイだった。彼は運転手としてヴァレンティーナの移動に関わった際、ヴォルトの位置とエレーナを処分する計画を知り、ほとんど休まず車を走らせて救出に来たのだった。

アレクセイはエレーナたちを即席のヒーローチームとして売り出せると興奮する。エレーナが幼い頃に所属していた弱小サッカーチームの名前を持ち出し、彼らを「サンダーボルツ」と呼び始める。しかしエレーナは、彼らは友人でもヒーローでもなく、ヴァレンティーナに捨てられた犯罪者にすぎないと否定する。

リムジンを襲う追跡部隊とバッキーの介入

エレーナたちを乗せたリムジンには、ヴァレンティーナの追跡部隊が迫っていた。複数の車両から銃撃を受けるが、アレクセイのリムジンは防弾仕様が不完全で、長くは耐えられない。

エイヴァは位相能力を使って敵を攻撃しようとするものの、追跡部隊は彼女の能力を妨害する音波兵器を用意していた。アレクセイは車内に積んでいた酒瓶なども使って応戦するが、次第に追い詰められていく。

そこへバイクに乗ったバッキーが現れる。バッキーはグレネードでヴァレンティーナの追跡車両を次々と破壊し、エレーナたちを救ったように見えた。

しかし、バッキーの目的は彼らを逃がすことではなかった。最後に金属製の鎖をリムジンへ引っかけ、車体を横転させる。エレーナ、ジョン、エイヴァ、アレクセイはバッキーに拘束され、ヴァレンティーナの弾劾に利用できる証人として連行される。

ボブを利用しようとするヴァレンティーナ

回収されたボブは、かつてのアベンジャーズ・タワーを改装した「ウォッチタワー」へ運ばれる。ヴァレンティーナは、人体実験を行った責任者でありながら、ボブの力を理解し、価値を認めている唯一の人物であるかのように振る舞う。

ボブには、母親の精神疾患、薬物依存、少年時代の犯罪歴、父親との問題など、深刻な過去があった。ヴァレンティーナはそれらを否定せず、むしろ傷ついた過去があるからこそ、ボブは特別な存在になれるのだと言い聞かせる。

ヴァレンティーナがボブに触れると、今度は彼女自身が過去の記憶へ引き込まれる。幼いヴァレンティーナは見知らぬ男を家へ招き入れ、その男によって父親を殺されていた。彼女もまた、自分の判断が家族の死を招いたという罪悪感を抱えていたのである。

それでもヴァレンティーナはボブを解放しようとはしない。彼を新たなスーパーヒーロー「セントリー」としてマスコミへ披露し、自らの弾劾を回避するための切り札にしようとしていた。危険性を訴えるメルには、万一の場合にボブを停止させる“キルスイッチ”を作り直すよう命じる。

バッキーが共闘を決意するまで

バッキーは拘束した4人を飛行機へ乗せ、議会でヴァレンティーナの不正を証言させようとする。エレーナたちは、ヴァレンティーナが自分たちをヴォルトへ集めて殺し合わせたこと、そこでボブと出会ったこと、彼がセントリー計画によって異常な力を与えられたことを説明する。

当初のバッキーは、彼らが自分たちをヒーローだと思い込み、ヴァレンティーナへ立ち向かおうとしていると受け取る。しかしエイヴァは、ヒーローになるつもりなどなく、ただ生きて家へ帰ろうとしていただけだと反論する。

そこへメルから緊急の連絡が入る。彼女は、ボブの精神状態が実験前から不安定だったこと、セントリー計画は失敗ではなく、いつ大惨事を起こしてもおかしくない危険な状態にあることをバッキーへ伝える。ヴァレンティーナは、そのボブを翌朝には新たなヒーローとして世間へ発表しようとしていた。

事態の深刻さを理解したバッキーは方針を変更する。エレーナたちを議会へ運ぶのではなく、自分と一緒にウォッチタワーへ向かい、ヴァレンティーナを止めてボブを救うよう求める。

バッキー自身も、かつて他人に利用され、過去の罪から逃れようとしてきた人間だった。逃げ続けても過去はいずれ追いついてくると語り、後悔する前に行動するよう促す。こうして、エレーナ、ジョン、エイヴァ、アレクセイ、バッキーは、まだ正式なチームではないまま、ヴァレンティーナとセントリー計画を止めるためニューヨークへ向かう。

ウォッチタワーへ向かう即席チーム

移動中、一行は互いの武器や能力を確認する。アレクセイは、自分とバッキーがともに超人血清を投与されたスーパーソルジャーであることを喜び、共同リーダーを務めようと一方的に提案する。一方、バッキーは彼らを正式なチームとは考えておらず、まずはボブを救出し、ヴァレンティーナを止めることを優先する。

その頃、ヴァレンティーナは裏切ろうとしているメルを問い詰めていた。善人として正しく行動したいと話すメルに対し、ヴァレンティーナは、現実の世界にいるのは善人と悪人ではなく、悪人と“より悪い人間”だけだという持論を語る。彼女にとって重要なのは正義ではなく、自分が世界を変えられるだけの力を握ることだった。

ヴァレンティーナが披露した新たなヒーロー

一行はウォッチタワーへ突入するが、ヴァレンティーナは慌てる様子を見せない。むしろ、エレーナたちが自分の罠から生き延び、勝手にチームを結成したことを面白がっていた。

エレーナがボブの居場所を尋ねると、ヴァレンティーナは新たな姿となった彼を呼び出す。金色を基調としたスーツを身にまとい、髪の色まで変えられたボブは、「セントリー」として一行の前に現れる。

ヴァレンティーナは、セントリーがアベンジャーズ全員を合わせた以上の力を持つ、無敵のヒーローだと紹介する。彼女は翌朝の記者発表を待たず、ウォッチタワーへ到着しつつある報道陣の前で、セントリーの力を実演しようとしていた。

その筋書きは、ヴァレンティーナを追ってきたエレーナたちを危険な反逆者に仕立て、セントリーが彼らを倒す姿を報道陣に目撃させるというものだった。セントリーを国民の新たな守護者として売り出せば、ヴァレンティーナは弾劾を免れるだけでなく、誰にも監視されずに超人戦力を運用できるようになる。

セントリーに圧倒されるサンダーボルツ

ヴァレンティーナはセントリーに、エレーナたちを始末するよう命令する。ボブは旧知のエレーナたちを傷つけることにためらいを見せるが、ヴァレンティーナは、彼らはボブの能力を信じず、価値を認めていないのだと吹き込む。

エレーナは、ヴァレンティーナに従う必要はないと説得しようとする。しかし、特別な存在として選ばれたことに高揚しているボブは、自分を以前と同じように扱うエレーナの言葉を受け入れない。

アレクセイが勢いよく先陣を切ったことで戦闘が始まる。エレーナ、ジョン、エイヴァ、アレクセイ、バッキーは、それぞれの武器や能力を使ってセントリーへ攻撃を仕掛けるが、まったく歯が立たない。

スーパーソルジャーであるアレクセイとジョンの力も、エイヴァの位相能力も、セントリーの前では決定打にならなかった。セントリーは高速で移動しながら一人ずつ退け、バッキーの金属製の義手を力任せに引き抜くと、その腕を武器のように使って彼を殴り飛ばす。

セントリーは一行を完全に制圧する。しかし、彼らが自分にとって脅威ではないと判断し、殺す必要はないとヴァレンティーナの命令を拒否する。エレーナたちは辛うじてウォッチタワーから退却し、エイヴァは外れたバッキーの義手も持ち出す。

ヴァレンティーナへ反旗を翻すボブ

圧倒的な力を手にしたボブは、次第にヴァレンティーナの指示そのものへ疑問を持ち始める。名前、髪形、スーツ、任務まで、すべてを彼女に決められていることに気づいたからだ。

ヴァレンティーナはボブを自分が作り上げたヒーローだと考えていたが、彼女自身がセントリーを全能で無敵の存在だと持ち上げていた。ボブは、自分が神にも匹敵する存在なら、なぜ普通の人間であるヴァレンティーナの命令を聞かなければならないのかと反発する。

ボブの人格は次第に不安定になり、彼はヴァレンティーナを宙へ持ち上げて殺そうとする。ヴァレンティーナはなおも自分は恐れていないと強がるが、ボブは、本当に恐れるべきものは自分ではないことを示唆する。

そこへメルが現れ、あらかじめ再製作していた緊急停止装置を作動させる。セントリーの身体は床へ落ち、動かなくなる。ヴァレンティーナは危機を逃れ、メルに遺体を片づけるよう命じるが、間もなくペントハウスからボブの身体そのものが消えていることが判明する。

敗北後に崩壊する即席チーム

ウォッチタワーを出た一行は、セントリーに何一つ通用しなかった現実を突きつけられる。アレクセイは一度退いて態勢を立て直そうとするが、エレーナは彼らをチームと呼ぶこと自体を拒絶する。

エレーナは、自分たちはヒーローでも善人でもなく、全員が失敗者にすぎないと感情を爆発させる。アレクセイには1年以上も連絡を寄こさなかったことを責め、ジョンには家族さえ守れなかったことを突きつけ、エイヴァとも激しく言い争う。

一行はばらばらになり、エレーナは一人でその場を離れる。アレクセイは彼女を追いかけ、今度こそ父親として向き合おうとする。

エレーナは、ナターシャを永久に失った後、アレクセイまで姿を消したことで、本当に一人になったと打ち明ける。自宅では携帯電話を眺めながら自分が犯してきた罪を思い返し、酒を飲んで眠り、目覚めればまた人を殺す仕事へ向かう。その繰り返ししか残されていなかった。

アレクセイは、娘に連絡しなかったことを謝罪する。どう父親らしく接すればいいのか分からず、エレーナから必要とされていないと思い込んでいたという。

そして、幼いエレーナが弱小サッカーチームでゴールキーパーを選んだ理由を語る。彼女は、仲間が失敗したときに最後に頼られる人間になりたいと話していた。アレクセイは、誰かを守ろうとするその優しさは現在のエレーナにも残っており、自分には彼女の失敗ではなく、その光が見えていると伝える。

ニューヨークに現れたヴォイド

父娘がようやく心を通わせ始めた頃、ウォッチタワー周辺で異変が起こる。セントリーとは正反対の黒い人影が空に出現し、ニューヨークの街へ巨大な闇を広げ始める。

それは、ボブの内側に存在していた別人格「ヴォイド」だった。セントリー計画は、ボブの前向きで万能感に満ちた側面だけでなく、孤独、自己嫌悪、抑うつ、過去の記憶に支配された暗い側面まで超人化していたのである。

ヴォイドに触れられた市民は、影だけを残して次々と姿を消す。彼らは死亡したのではなく、ヴォイドが生み出す精神世界へ閉じ込められ、それぞれが最も恥じている記憶や、逃れたい過去を繰り返し体験させられていた。

エレーナたちは再び集まり、逃げ遅れた市民を救出する。バッキーとジョンは人々を安全な場所へ誘導し、エイヴァは能力を使って救助にあたり、アレクセイも子どもを抱えて闇から遠ざける。

しかし、闇は急速にニューヨーク全体を覆い始める。ヴォイドを力で倒す方法はなく、触れれば自分たちも精神世界へ取り込まれる可能性が高かった。

闇の中へ自ら踏み込むエレーナ

エレーナは、ヴォイドがボブの内面から生まれた存在なら、その内側にはまだボブ自身が残っているはずだと考える。彼女はアレクセイの制止を振り切り、自らヴォイドの闇へ足を踏み入れる。

闇に入ったエレーナは、レッドルーム時代の記憶へ戻される。幼い彼女が友人のアニヤを森へ誘い出し、試験の一環として射殺させた日の光景だった。

エレーナはアニヤに謝罪しながら、何度も繰り返される記憶から逃れようとする。森を抜けても別の扉が現れ、その先ではブラック・ウィドウとして受けた過酷な訓練や、自宅で一人酒を飲みながら孤独に沈んでいる現在の自分など、見たくない記憶が次々と再現される。

ヴォイドの内部は、人々の羞恥心や後悔から作られた無数の部屋が連結する迷宮だった。エレーナは自身の“恥の部屋”を通り抜けながら、ボブを探し続ける。

屋根裏部屋に隠れていたボブ

エレーナは比較的静かで穏やかな屋根裏部屋へたどり着き、そこに身を潜めているボブを発見する。ボブはヴォイドと戦うことを諦め、最も安全に感じられる記憶の中へ逃げ込んでいた。

その部屋の下では、幼いボブが暮らしていた家庭の記憶が再現されている。父親は母親へ暴力を振るい、幼いボブは母を守ろうとして止めに入る。しかし、その行動で父親をさらに怒らせ、母親からも事態を悪化させたと責められてしまう。

ボブは幼い頃から、自分が関わると何もかも悪くなる、自分の存在そのものが周囲を不幸にすると思い込んでいた。その自己否定が、薬物依存や孤独につながり、最終的には世界そのものを無意味だと考えるヴォイドを生み出していた。

エレーナは、ヴォルトでボブに対し、苦しみは心の奥へ押し込めればいいと話したことが間違いだったと認める。一人で感情を封じ込めても闇は消えず、誰かに話し、一緒に過ごし、支えてもらう必要があると伝える。

エレーナ自身も、アレクセイやほかの仲間と向き合ったことで、空虚さが消えなくても少しだけ軽くなったと感じていた。彼女はボブに、一緒にこの場所から出ようと呼びかける。

仲間たちもヴォイドの内部へ

現実世界に残ったバッキー、ジョン、エイヴァ、アレクセイは、エレーナが戻ってこないことを心配する。エイヴァは、エレーナが理由もなく闇へ入ったはずはないと考え、彼女を追うことを決める。

バッキーは、戻れなくなる危険を指摘する。それでもジョンは、ボブに触れた際、自分も過去の記憶へ送られた経験から、ヴォイドの内側に本人へ到達する道がある可能性を認める。

4人は次々と闇へ入り、それぞれの過去に関係する部屋を通り抜けて、エレーナとボブがいる屋根裏部屋へ到着する。全員が何を見たのか詳しく語ろうとはしないが、それぞれが自分の罪や後悔と向き合ったことは明らかだった。

エレーナは、今度こそ誰かを置き去りにせず、全員で出口を探そうと提案する。こうして彼らは、任務や命令ではなく、自分たちの意思で初めて一つのチームとなる。

ボブの最も暗い記憶

ヴォイドの内部には無数の部屋があり、出口がどこにあるのかはボブにも分からなかった。エレーナは、ヴォイドが生まれた場所へ行けば何かが分かると考え、ボブに最もつらい記憶へ案内するよう求める。

一行がたどり着いたのは、マレーシアにあったO.X.E.グループの研究施設だった。ボブは東南アジアを旅していた際、自分の人生を変える方法を探す一方で、薬物も求めていた。その弱みにつけ込んだ人物から、参加すれば強くなれるという医療試験を紹介されたのである。

何者かになりたい、自分にも価値があると証明したいと願っていたボブにとって、セントリー計画は奇跡のように思えた。しかし実験によって力を得た結果、彼の自己否定や絶望まで実体化し、ヴォイドとして解放されてしまった。

研究室には黒い姿のヴォイドが待っていた。ヴォイドは、ボブが特別な存在になれると思ったこと自体が最大の思い上がりであり、彼は結局何者にもなれないと責め立てる。

ヴォイドとの対決

ヴォイドは圧倒的な力でエレーナたちを吹き飛ばし、研究室の壁や配線、金属片の中へ拘束する。ボブに対しては、仲間たちは本当には彼を気にかけておらず、いずれ一人になると囁き続ける。

仲間を傷つけられたボブは、ヴォイドへ殴りかかる。セントリーと同じ力を持つボブはヴォイドを押し倒し、その顔を何度も殴る。一見するとボブが優勢になったように見えるが、ヴォイドは抵抗せず、むしろ攻撃を受けながら笑っていた。

ヴォイドはボブ自身の一部であり、力で殴り倒そうとする行為は、自分への怒りと嫌悪を強めることにほかならなかった。攻撃を続けるほど、ボブの身体は黒い闇に覆われ、ヴォイドと同化し始める。

エレーナは拘束から抜け出し、戦うボブへ駆け寄る。そして攻撃を止めさせるため、彼を抱きしめる。ボブは一人ではなく、自分たちがそばにいると伝えるためだった。

バッキー、ジョン、エイヴァ、アレクセイも拘束を振りほどき、二人を包むように抱きしめる。ボブは、自分を危険な怪物としてではなく、一人の人間として受け入れてくれる仲間がいることを知る。

孤独によって強大化したヴォイドは、人とのつながりを取り戻したボブの中で力を失っていく。闇は消滅し、ボブとエレーナたちは現実世界へ帰還する。

ニューヨークの人々が解放される

ヴォイドを覆っていた黒い影が消えると、闇に閉じ込められていた市民たちも現実世界へ戻る。街に残されていた人型の影は元の人間へ戻り、ニューヨークを覆っていた暗黒も晴れていく。

ボブはヴォイド内部で起きたことをほとんど覚えていなかったが、エレーナたちは彼を責めず、これからも一緒にいると約束する。ジョンもボブを一人の仲間として認めるようになっていた。

バッキーの義手はセントリーとの戦闘で外れたままだったが、エイヴァが持ち帰っており、彼へ返される。一行は傷だらけになりながらも、誰一人欠けることなく生還した。

世界の危機を救った一行は、元凶であるヴァレンティーナを逮捕しようとウォッチタワーへ向かう。彼らには人体実験、証拠隠滅、暗殺命令を証言できるだけの情報があり、ヴァレンティーナは弾劾だけでなく刑事責任を問われる可能性が高まっていた。

ヴァレンティーナの最後の逆転策

追い詰められたヴァレンティーナは、一行が自分を捕らえるより先に、ウォッチタワーへ集まっていた報道陣の前へ出る。彼女はカメラが生中継を始めたことを確認すると、これまで秘密裏に新たな時代の守護者を育成してきたと発表する。

そして、ニューヨークを救ったエレーナ、バッキー、ジョン、エイヴァ、アレクセイ、ボブは、最初から自分が結成したチームだったと主張する。自分が引き起こした危機を、あらかじめ用意していた英雄たちが解決したという物語にすり替えたのである。

ヴァレンティーナは報道陣に向かって、一行を「ニュー・アベンジャーズ」として紹介する。エレーナたちは突然の発表に驚くが、その場で真実を暴露すれば、世間からようやくヒーローとして受け入れられる機会まで失う可能性があった。

彼らは視線を交わし、ひとまずヴァレンティーナの筋書きに乗ることを選ぶ。罪を背負ってきた自分たちが、今度こそ人を守る側へ回るための機会でもあった。

ただし、ヴァレンティーナが再び彼らを支配できるわけではない。エレーナは彼女へ近づき、人体実験と暗殺計画の真実を握っている以上、今後の主導権はこちら側にあると静かに宣告する。

こうして、ヴァレンティーナは刑務所行きを免れる一方、彼女が生み出そうとした超人兵器は、彼女の命令では動かないチームとなる。タイトルの「*」が示していた本当の名称も明かされ、エンドクレジットでは『サンダーボルツ*』の文字が破られるようにして、『ニュー・アベンジャーズ』へ変化する。

ミッドクレジット:念願のシリアル箱

エンドクレジットの途中では、新聞や雑誌の記事を通して、ニュー・アベンジャーズに対する世間の反応が描かれる。新たなヒーローの誕生を歓迎する声がある一方、元暗殺者や元ヴィランをアベンジャーズと認めてよいのかという批判も起きていた。

続く短い場面では、長いひげをそり、口ひげだけを残したアレクセイがスーパーマーケットのシリアル売り場に立っている。棚には、ニュー・アベンジャーズのメンバーが印刷されたウィーティーズの箱が並んでいた。

かつてアレクセイは、ヒーローとしてシリアルの箱に載ることを夢見ていた。その念願がかなった彼は、近くにいた買い物客へ、自分の顔が載った箱を熱心に勧める。

買い物客は仕方なく商品を手に取るものの、アレクセイから離れると棚へ戻してしまう。本人はそれに気づかず、自分が有名なヒーローになった喜びに浸っている。

ポストクレジット:14カ月後のニュー・アベンジャーズ

すべてのクレジットが終了した後、物語は本編から14カ月後へ進む。ニュー・アベンジャーズは改装を終えたウォッチタワーを正式な拠点とし、政府公認のヒーローチームとして活動していた。

しかし、世間の全員が彼らをアベンジャーズとして認めているわけではない。インターネット上ではニュー・アベンジャーズを嘲笑する投稿が広がり、チームの過去を問題視する声も根強く残っていた。

さらに、キャプテン・アメリカことサム・ウィルソンも独自にアベンジャーズを結成しようとしており、「アベンジャーズ」の名称をめぐって法的な争いが起きていた。バッキーはスティーブ・ロジャースと親しかった者同士としてサムと話し合ったものの、交渉はうまくいかなかったという。

アレクセイは名称問題を解決するため、「アベンジャーズ」の末尾を「Z」に変えた「ニュー・アベンジャーズ」という派手なロゴと、レーシングスーツ風の衣装を用意する。当然、ほかのメンバーからは歓迎されない。

ボブもウォッチタワーで仲間たちと生活している。ただし、ヴォイドを出現させずにセントリーの力だけを使うことができないため、現在は超能力を封印していた。飛行できないことを申し訳なさそうにする一方、食器洗いなど、自分にできる仕事を担当している。

ファンタスティック4の宇宙船が到来

ニュー・アベンジャーズは、宇宙空間で何らかの危機が起きているにもかかわらず、自分たちには情報が共有されていないことを問題視する。チームの信頼性が十分でないため、政府やほかのヒーローから重要な任務を任されていないことが示される。

そのときウォッチタワーの警報が作動し、「別次元から来た宇宙船」が地球の大気圏へ侵入したことが報告される。バッキーは戦闘機の準備を指示し、エレーナは衛星映像を画面へ表示する。

宇宙船が旋回すると、その船体には青い「4」のシンボルが刻まれていた。船に乗っている人物の姿は映らないが、それが別世界から来たファンタスティック4の宇宙船であることが明かされる。

ニュー・アベンジャーズは、ファンタスティック4と最初に接触する可能性のあるチームとして、新たな事態へ対応しようとする。画面には「ニュー・アベンジャーズとボブは帰ってくる」と表示され、物語は『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』へ続くことを示唆して終了する。

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