『ロバート・デ・ニーロの ブルーマンハッタン』解説|どんな映画?あらすじ・キャスト・魅力まとめ

映画『ロバート・デ・ニーロの ブルーマンハッタン/BLUE MANHATTAN Ⅱ・黄昏のニューヨーク』(1968)を紹介&解説。


映画『ロバート・デ・ニーロの ブルーマンハッタン/BLUE MANHATTAN Ⅱ』概要

映画『ロバート・デ・ニーロの ブルーマンハッタン/BLUE MANHATTAN Ⅱ・黄昏のニューヨーク』は、後に『キャリー』『スカーフェイス』『アンタッチャブル』などを手がけるブライアン・デ・パルマ監督が、1960年代末のニューヨークに生きる3人の若者を通して、ベトナム戦争の徴兵、ケネディ暗殺をめぐる陰謀論、セックス、覗き見、カウンターカルチャーなどを風刺したオフビート・コメディ。

出演はジョナサン・ウォーデン、ロバート・デ・ニーロ、ゲリット・グレアムら。デ・ニーロ演じる映画青年ジョン・ルービンは、デ・パルマ監督の『ロバート・デ・ニーロの ブルーマンハッタン/BLUE MANHATTAN Ⅰ・哀愁の摩天楼』にも再登場する。

作品情報

日本版タイトル 『ロバート・デ・ニーロの ブルーマンハッタン/BLUE MANHATTAN Ⅱ・黄昏のニューヨーク』
原題 Greetings
製作年 1968年
本国公開日 1968年12月15日
日本公開日 劇場未公開・ビデオ発売
ジャンル コメディ
製作国 アメリカ
原作 無
上映時間 88分
監督 ブライアン・デ・パルマ
脚本 チャールズ・ハーシュ/ブライアン・デ・パルマ
製作 チャールズ・ハーシュ
撮影 ロバート・フィオーレ
編集 ブライアン・デ・パルマ/ジェフリー・レッサー
作曲 エリック・カズ/J・スティーヴン・ソールズ/アーティ・トラウム
出演 ジョナサン・ウォーデン/ロバート・デ・ニーロ/ゲリット・グレアム/リチャード・ハミルトン/メーガン・マコーミック/アレン・ガーフィールドほか
製作 ウェスト・エンド・フィルムズ
配給 シグマIII(米国)

あらすじ

1960年代末のニューヨーク。ポール・ショー、ロイド・クレイ、ジョン・ルービンの3人の若者は、ベトナム戦争や政治、性をめぐって混乱する社会の中で、それぞれの奇妙な関心に没頭していた。

徴兵検査を控えるポールは、何とか軍隊入りを逃れようと仲間たちと徴兵回避策を考える。ロイドはケネディ大統領暗殺事件とウォーレン委員会報告書への疑念に取りつかれ、独自の検証を繰り返す。一方、映画青年ジョンはカメラと覗き見に執着し、女性たちを撮影することに夢中になっている。

徴兵、コンピューター・デート、ポルノ映画、陰謀論など当時の社会現象を渡り歩く3人。やがて彼らが避けようとしていたベトナム戦争も、決して遠い世界の出来事ではなくなっていく。

主な登場人物(キャスト)

ポール・ショー(ジョナサン・ウォーデン):徴兵検査を控えているニューヨークの若者。軍隊へ行かずに済む方法を仲間たちと考える一方、恋愛やコンピューター・デートにも関心を向ける。

ジョン・ルービン(ロバート・デ・ニーロ):映画製作と覗き見に強い興味を持つ若者。カメラを通して女性たちを撮影することに執着している。後の『Hi, Mom!』にも同じキャラクターとして登場する。

ロイド・クレイ(ゲリット・グレアム):ジョンとポールの友人。ケネディ大統領暗殺事件について独自の陰謀論を追い続け、ウォーレン委員会の報告を疑っている。

作品の魅力解説

1968年のアメリカを丸ごと茶化すカウンターカルチャー映画

『ロバート・デ・ニーロの ブルーマンハッタン』は、一本の明確な物語を一直線に進む作品というより、3人の若者を追いながら1960年代末のアメリカ社会を次々と風刺していくエピソード型のコメディだ。

ベトナム戦争の徴兵、ケネディ暗殺陰謀論、性の解放、コンピューターによるマッチング、ポルノグラフィ、テレビ報道など、当時の若者を取り巻いていた話題を大量に取り込み、社会そのものの混乱を若者たちの無軌道な行動へ重ねている。現在から観れば、1968年前後のニューヨークの空気を生々しく閉じ込めたタイムカプセルとしての面白さも大きい。

後年につながるブライアン・デ・パルマの映像実験

低予算の初期作品ながら、デ・パルマはタイトルカード、劇中映画、観客への語りかけ、画面や編集を利用した遊びなど、物語を普通に撮影するだけではない手法を積極的に投入している。

公開当時からこうした「映画そのものをいじる」演出は注目されており、後に視線、撮影行為、監視、メディアといった題材を繰り返し扱っていくデ・パルマの原点を確認できる作品でもある。

若きロバート・デ・ニーロとジョン・ルービン

ロバート・デ・ニーロが演じるジョン・ルービンは、女性をカメラで撮影することに夢中な風変わりな映画青年。後年の重厚なデ・ニーロ像とはかなり異なる、若々しく即興的な芝居を見ることができる。

ジョンは1970年のデ・パルマ監督作『Hi, Mom!』にも再登場しており、2作品を続けて観ることで、デ・パルマとデ・ニーロがスターになる以前に共有していたアンダーグラウンドな映画感覚も見えてくる。

本作は1969年の第19回ベルリン国際映画祭にも出品され、銀熊賞を受賞。Rotten Tomatoesでも現在18件の批評をもとに89%のTomatometerを記録しており、粗削りながら初期デ・パルマを代表する一本として再評価されている。

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