クリステン・スチュワートが『トワイライト』リメイク版の監督に意欲を示し、シリーズの歴史と現在地があらためて注目されている。
女優であり監督としても活動するクリステン・スチュワートが、自身の代表作として知られる映画『トワイライト』シリーズのリメイクについて、思いがけない発言を行った。
世界的ヒットを記録し、2000年代後半のポップカルチャーを象徴する存在となった同シリーズは、完結から10年以上が経過した現在も語り継がれている。その中心にいた当事者が、今あらためて「作り手」として作品に向き合う可能性を口にしたことで、シリーズの歩みとその意味が再び浮かび上がっている。
『トワイライト』が映画シリーズとして築いた軌跡
2008年に第1作『トワイライト〜初恋〜』が公開された映画『トワイライト』シリーズは、原作小説の人気を背景に若い観客層を中心として急速に支持を広げ、2009年の『ニュームーン』、2010年の『エクリプス』2011年と2012年の『ブレイキング・ドーン』二部作と、全5作にわたるシリーズへと発展した。
ロマンスとファンタジーを軸に据えた物語は、当時台頭しつつあった若手俳優や映画作家たちの表現の場ともなり、作品ごとに異なる演出やトーンが持ち込まれた点も特徴である。
シリーズは2012年に最終章を迎えたが、興行面・文化的影響の両面で大きな足跡を残した。単なる一時的ヒットにとどまらず、「あの時代の映画体験」として記憶され続けてきたことが、現在も新たな展開が模索される理由の一つとなっている。
当事者として語られたリメイクへの距離感
パームスプリング国際映画祭期間中に行われたイベントで、クリステン・スチュワートは『トワイライト』のリメイク版を自ら監督する可能性について問われると、シリーズに携わった監督陣への敬意を示しながら率直な思いを語った。
彼女はまず、「喜んで——ほら、私はキャサリンがやったことも、クリスがやったことも、全ての監督たちが映画でやったことも大好きなんだよね」と述べ、作品ごとに異なる演出が積み重ねられてきたシリーズの歩みを振り返っている。
さらに当時を振り返りながら、「みんなすごく自分らしくて、変わってて、なんていうか、おかしな感じで、まだ何者になるか分からなかった時代、つまり大ブレイクする前の時代にすごく存在感があったよね」と語り、シリーズが若い才能の交差点であったことにも触れた。
その上で彼女は、「もし私たちに莫大な予算と、たくさんの愛とサポートがあったらって想像してみてよ」と語りかけ、「リメイクはやってみたいな」と率直な興味を示す。発言は次第に熱を帯び、「確かに、リメイクやるよ。やるって決めた!コミットしよう!」と冗談めかしながらも前向きな言葉で締めくくられた。
完結から長い時間を経た今、主演俳優だった当事者が“作り手”の立場で語ったこの言葉は、『トワイライト』というシリーズが過去の成功に留まらず、現在も再解釈の余地を持ち続けていることを印象づけている。
完結後も続く『トワイライト』の現在形
映画シリーズは2012年に完結したものの、『トワイライト』という作品世界はその後も途切れることなく語り継がれてきた。近年では、Netflixで同作を原作としたアニメシリーズの制作が進められていることが明らかになり、物語は新たな形で拡張されつつある。
この動きは、シリーズが単なるノスタルジーの対象ではなく、世代や表現手法を変えながら更新可能な物語として認識されていることを示している。実写映画という枠を超え、アニメーションという形式で再構築される試みは、原作や過去作とは異なる視点を提示する可能性も孕んでいる。
そうした現在進行形の展開を踏まえると、クリステン・スチュワートが語ったリメイクへの言及も、突発的な発言というよりは、シリーズが今なお持ち続ける“余白”に呼応したものと受け取ることができる。『トワイライト』は完結後もなお、別の形で語られ、再解釈される段階に差し掛かっている。
